特殊教育サポートにおける注意点


アメリカの特殊教育サポートサービスは進んでおり、子供の個人のニーズをできるだけ満たすことができるように大人(先生・アシスタント)一人が担当する生徒数が低くなるように押さえられています。以前私が担当していた中〜重度の知的発達障害を持つ子供達が対象のプログラムでは、1クラス7〜8人の生徒につき、先生が一人、アシスタントが5人も常時おり、その上、言語病理士や作業療法士、理学療法士といったセラピスト達が週に何度かセラピーの必要な子供達につき、個人のサービスをするため、時には教室内で子供達よりも大人の人数の方が多くなることさえあり、1日のうちほとんどは個人教授といった形態で学習が進められておりました。中には体育や音楽、本の読み聞かせの時間など、年齢に合った普通学級の活動に参加する子供達もいたのですが、その場合も必ずアシスタントがクラスについていき、子供のそばで行動を監視したり必要なコーチをするといったマンツーマン形態は崩されませんでした。日本の学校では恐らくこういった形態はとられていないと思われるので、感心される方が多いことと思いますが、こういった形態が常時続いた場合の弊害ももちろんあり、注意すべき必要があることを憶えておいて下さい。常時大人がそばにいるというのは、学習面では学習活動に費やす時間が増えるためポジティブな効果がありますが、子供の独立心の発達に支障を来たす場合があります。自分で解決できる問題なのに、すぐ大人に頼ってしまうなど依存心が強くなってしまうのです。大人のサポートがあり過ぎると、背中を押してやれば一人でできる力が十分あるのに、自分はできないと思い込んでしまったり、もちろん誰かにやってもらった方が自分は楽ができるので、できない振りをして大人にやらせようとするという行動のパターンが出来てしまい、ますますスキルが身につかなかったり、自分でやろうという気が薄れてしまったり、独りでやることに対して不安感が強くなったりするわけで、生活力の低下につながりかねません。特に私の担当していたようなプログラムでは、学校を卒業した後、なるべく自力で社会生活を営めるようにというのが大きな目的になっているわけで、本が読めるようになっても依存心が強くなるというのは子供のこれからの人生を考えた場合にネガティブにはたらいてしまいます。学校側でも経験のある先生やアシスタントはそのことを意識して対処していますが、経験が浅かったり、独立心のことを重視していないプログラムやサポートサービスの場合、無意識にも子供の依存心を強くしている場合もあるかと思います。特殊なニーズがあるとつい大人としては(時には面倒見のよい友達なども)あれこれ世話をしてあげたくなってしまうものですが、学校で世話をされ過ぎていないか、自分も世話をし過ぎていないか、どういった面で独立心をもっと伸ばしたいか、定期的に子供の様子を見直し、確認することを怠らないで下さい。

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06/06
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