現地校裏話〔1〕:
教育に懸命なお母さん

先日、既にADHDと診断されている2年生の男の子のお母さんを含めたミーティングに出席した。今年度からの転入生である。実際、私もミーティングの前に2度ほど男の子の様子を見に教室に足を運んだので、私は私の見た教室での男の子の様子を伝えた。ADHDでも、以前、本当にめまぐるしく注意散漫な子供を見たことがあるので、軽度の方ではあると思うのだが、家庭でセラピストをつけて、少しでも集中できるように訓練したり、友達関係で障害がもとで問題が出た時にどういう風に対処するかロールプレイをするなど、お母さんも含めて日々学習しているようだ。ミーティングにはセラピストも同席し、家庭でやっていること、教室で行っていることなど、情報交換をし、連携で状況を改善していこうという姿勢がどちらの側からも明らかで、意義のあるミーティングだったと思う。幸い、担任の先生が教室や授業の手順管理がしっかりした人だったので、家庭側からリクエストしようと思っていたことは既に教室で実行済みで、お母さんもセラピストも大変喜んでいた。前の学校では、今ほど教室で教え方など工夫をしてくれなかったようで、お母さんも苦労したらしい。ADHDでも学習面に大きな問題がないため、特別支援教育サービスが受けられず、セクション504のプランで教室内で便宜がはかられるという形になるのだが、セクション504の場合、サイコロジストによる子供のニーズを調査するケーススタディがなされないため、学校側が子供のことを把握しにくいという難点があり、親が自分の子供のニーズをいかに把握しているかという部分が重要になってくる。という面から見て、ミーティングで受け身になりがちな親が多い中、このお母さんは子供の教育のサポートチームの真の一員であり、立派な教育者であるなとミーティング中のお母さんの姿勢に感動を覚えた。

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09/03