DUMPKUN 2 - Automatic SMF Data Cllecter

在使用しているシステムの中で、システムテスト用という特殊なシステムがあります。このシステムはMVSの機能確認など、一般のユーザーが使用しているシステムでは行えない特殊な機能をテストする為に使用しています。(現在はSysplexテスト環境となっています)
そのシステムはOperatorの介在が全く無く、IPLもShutdownも(基本的には立ち上げたままの状態で運用していますが)自分たちで行います。そこで困るのがSMFなどの次々と増え続けるデータです。当初は常に“DUMP REQUIRED”の状態で放置していましたが、やはり必要になった時に取得出来ていないというのは困りものです。
そこで、DUMPKUNという自動的にSMFデータをダンプする処理を始めました。
D UMPKUNの目標は
  1. 完全に人の手を介在しない。
  2. ダンプデータは午前7時〜翌7時までのデータを1データセットとする
  3. ダンプデータセットは5世代(5日間)保存し、その後自動的に削除する
程度です。このシステムは全くOperatorの介在が無いので“完全に人の手を介在しない”は必須となります。又、朝出社してから翌朝までのデータを1つのデータセットに収める事は使い勝手が良いと思われます。最後の5世代保存はDASDの空きスペースから最大限の世代数としています。(このDASDはParallel Sysplex-Logger Logstreamのテスト用として使用していたSMS Volumeの空き部分を使用しています。元々このDASDは使用率10%程度で、残り90%を全てSMF用として割り当る事とします。データはSMSを利用してPSE形式のhardware compressionを使用する事により60%程度のデータ圧縮を行い、GDG-5世代×2システム分のデータを保存します。)

処理内容

DUMPKUNは以下の4つのSTCタスクで構成されています。
  • DUMPKUNU(JES2 Automatic Command発行)
    DUMPKUN処理は基本的にJES2のAutomatic Commandを使用してスケジュールします。DUMPKUNUはシステムのIPL時に起動し、JES2のAutomatic Commandをシステムに投入します。
    JES2のAutomatic Commandはくせものでコマンドを投入する時間によって、その解釈が変わります。指定した時間がまだ過ぎていない場合は問題無いのですが、コマンド投入時に既に指定した時間を過ぎている場合、JES2はコマンド投入と同時に、スケジュールしたコマンドを実行してしまいます。1日1回実行するコマンドであればこれを避ける為に、現在の時間とスケジュールする時間を確認し、既にその時間を過ぎている場合には起動時間に3600秒を足し合わせなければなりません。
    この様な理由から簡単なREXXプログラムを作成して、IPL時に設定する様にしています。設定する項目は以下の4項目です。
  • DUMPKUNG
    毎時0分に実行するDUMP吸い上げ処理(詳細は後述)
  • I SMF
    日付の切り替わり時(午前7:10)にSMFデータをスイッチします。
  • DUMPKUNR
    SMFスイッチ後(午前7:20)、DUMPデータセットの世代を更新し、最終のSMFデータを吸い上げます。(詳細は後述)
  • F MVSPAS,CPM=00
    これはDUMPKUNシリーズとはあまり関係無いのですが、日の変わり目でCMF Monitor(RMF互換のモニターツール)をリフレッシュしています。CMF MonitorのHEADMOVE Reportはこうしておかないと、上手く出力する事ができません。

  • JES2のAutomatic CommandはシステムのShutdown時に“$CA”で解除しなければなりません。そうしなければ、JES2のWARM Start時にJES2は以前の設定を覚えていて、スケジュールを再始動しようとしてしまいます。
  • DUMPKUN(SMFデータセット選択)
    DUMPKUNはJES2のAutomatic Commandによって起動します。そしてSMFデータセットが“DUMP REQUIRED”となっているかどうか判断し、そのデータセット名をパラメータとした吸い上げ用の子タスクを起動します。
    処理は簡単なREXXプログラム(DUMPKUN2)で、@CMDを使用して“D SMF”を実行し、その結果から“DUMP REQUIRED”となっているSMFデータセットを探します。もし存在していた場合、パラメータで渡されたSTCを起動し、そのデータを吸い上げます。
  • DUMPKUNG(SMF吸い上げ)
    DUMPKUNGはDUMPKUNの子タスクで、1時間毎に実行されるDUMPKUNが“DUMP REQUIRED”のデータセットを見つけた場合に起動します。そしてそのSMFデータをDUMPデータセットに吸い上げ、SMFデータセットからはデータをクリアします。
  • DUMPKUNR(DUMPデータセットの世代更新、及びSMF吸い上げ)
    DUMPKUNRはDUMPKUNGと同様にDUMPKUNから起動されますが、起動は1日1回であり、DUMPデータセットの世代を更新させる為に起動します。世代更新後のDUMPKUNRはDUMPKUNGと同様に、SMFデータをDUMPデータセットに吸い上げ、SMFデータセットからそのデータをクリアします。(現在は昨日分のレポートも作成します)
    DUMPKUNRを誤って1日2度以上実行してしまうとDUMPデータセットの世代が誤って更新されてしまう事になります。DUMPKUNUによってこれを防ぐ様にしていますが、誤って起動した時の為に日付チェックのプログラム(#DATECHK)を最初に実行します。










  • @CMD Home Tools Sources

    1998.06.21-1998.06.30 - Kimu -