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セコインデものがたり

(創立5周年(1986)第2回リサイタルパンフレットより)

第一章 誕生

1981年暮れ、大阪駅前第3ビルの地下、居酒屋丸十屋に集まった若者約20人。 「せこいんでねぇ会」と称するこの団体は酔って歌い出すと、うるさいの何の。それも統率が とれていてバランスよくうるさい。それもそのはず、この男達は、いくつかの男声合唱 団のOBだったのです。月例のこの会は大いに飲んで歌おうという会だったのですが、 皆の歌への情熱はそれにとどまらず、団の結成が誰からともなく提案され、「歌への情 熱」は現実のものへと歩み始めました。

翌1982年、全日本合唱連盟へ加盟しました。命名については、数々の候補が挙がったの ですが、会の前身から名をとって「コール・セコインデ」としました。ギリシャ神話の 神の名前であるとか、インカ帝国の伝説の王の名前から、というのは後にメンバーが勝 手に言い出した事です。練習は毎週土曜日、大阪梅田のライブハウス「バナナ・ホー ル」の2階で行いました。そして、6月13日、明石市民会館での兵庫県合唱連盟春季 合唱祭でデビュー。曲目は"Sea Shanty"、新生セコインデはこの曲で威勢よく船出をし たのです。
同年10月17日、池田市民会館での関西合唱コンクールには、一般の部に出場しまし た。曲目は「ことばあそびうたII」より「さる」、そして「しろい火のすがた」。ピア ノ伴奏は堀井敦子先生にお願いしました。このコンクールでセコインデは<3位金賞> を受賞し、後日発行された合唱連盟の「ハーモニー」誌に”彗星の如く現れたコール・ セコインデ”と絶賛されました。
同年12月20日には、クリスマスキャロリングを阪急甲東園駅・宝塚南口両駅の周辺 で行い、クリスマスソングを歌い歩きました。

第二章 躍進
翌1983年6月8日、宝塚市民会館でお「あじさいコンサート」は、宝塚市内の方々を中 心とする2つの合唱団、「西山ハニーコール」と「宝塚中央合唱団」とのジョイントコ ンサートでした。このコンサートから、グレーのユニフォームを新調、また、今日も愛 唱曲にしている宝塚歌劇の主題歌「夜明けの序曲」を冒頭に歌いました。とにかく、他 の団体の方とご一緒するのは初めての経験、多くの事を学びました。
翌1984年3月20日には、初めての単独演奏会「コール・セコインデリサイタル」を宝 塚市立文化施設ベガ・ホールにて開催。スタミナに不安を感じながらの4ステージでし たが、セコインデの持ち味を充分に発揮する事の出来た舞台でした。また、舞台構成の 苦労や、運営の難しさを改めて感じさせられたセコインデでした。
同年6月17日には、神戸文化ホール大ホールでの兵庫県合唱連盟春季合唱祭に参加、 黒人霊歌を歌いました。
同年10月7日、尼崎市立アルカイックホールでの第39回関西合唱コンクールに一般 の部で出場。"De coelo veniet"と「草野心平の詩から」より「石家荘にて」「さくら 散る」を歌い、銀賞を受賞しました。また、この日結果発表までに行われた、ファンの方 や家族をまじえてのボウリング大会、発表後の打ち上げ会での盛り上がりはさすがの筆 者も疲れを感じる程でした。「結果の銀賞は銀賞として受け止める事が大切。それにし ても何と幸せな一日だったでしょうか」と後日発行の「セコインデだより」は報じてい ます。

第三章 たあにんぐぽいんと
翌1985年は、セコインデにとって大きな出来事の起こった年でした。
全体の勢いとしては少々下降気味かなと感じる状況の中、10月12日八幡市民文化会 館で行われた、第40回関西合唱コンクールに於いて、セコインデは金賞を受賞したの です。事実、発表前までは筆者自身「セコインデの明日」にさえ不安を持つ様な状況で した。
金賞を受賞しただけではありません。関西の代表として、全国大会へ出場する権利を得 たのです。その日、夜遅くまで、時々ニヤニヤしながら街を徘徊した酔っ払い、それが セコインデマンです。曲目は「月下の一群」より「秋の歌」、"Missa Tempore Belli" より"Kyrie""Gloria"、伴奏は門万沙子先生でした。
本当に青天の霹靂とはこの事、メンバーは全国大会の為の準備に忙しくなりました。と にかく少人数という事で、コンクールの行われる長野市へは各々移動し、前日の夜、練 習場に集合となりました。
11月23日夕刻、長野市民会館に集合、約2時間の練習を終え、宿舎入り。出演順が 1番とあって全員早々に床に入りました。
翌24日、宿舎での調整後、会場の長野県民文化会館入り。この日早朝仕事先の東京か ら門先生も合流、独特の雰囲気の漂う舞台に立ちました。出演後、市内の「とんとん 亭」での打ち上げ会はいつもの如く盛り上がって、酔っ払いだけでなく泣く人も出る始 末。
結果は銅賞。本当に楽しく、嬉しく、意義ある一日でした。

第四章 限りない明日へ
この様に活動を始めて、5年目になるセコインデですが、いつも様々な問題、課題を持 ちながら活動しています。何よりも、全員仕事を持っているという時間的な制限、活動 の為の経済的な力が学生の頃より不足しているということの2つが大きな問題です。
しかし、5年間のセコインデの活動を振り返りますと、失うものより得るものの方が何 倍か多かったのではないか・・・と考えるのは筆者の一人よがりかもしれません。た だ、「参加するからには前向きの姿勢で」これが、皆の中で暗黙の約束事にまでなって 来た事を感じているのは筆者だけではないでしょう。
セコインデは、まだまだ若い合唱団です。まだまだ甘いのかもしれません。しかし、問 題を常にかかえることさえ力にしてやって行けると信じています。
本日の第2回リサイタルを打ち上げた後は、6月末の兵庫県合唱祭、10月の合唱コン クールを目指して新たな歩みを重ねてゆきます。
コール・セコインデの心に歌への 「情熱」と「憧れ」が生き続ける限り。

(以上、1986年、第2回リサイタルパンフレットの記事より転載 文責:土田邦和)
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