「古文が苦手！」なんていう声をよく聞く。現代では用いられない言葉だし、日常的に密接じゃないから、むずかしく感じるのは無理もない。しかし、
実際には、現代文よりも点が取りやすい科目だと言える。信じられないかもしれないが、ちょっと一生懸命勉強してみよう。基礎が理解できるようになっ
たら、多少なりとも解ける問題が増えてくるはずだから。
入試古文の基礎は、（１）古典文法・（２）古語・（３）古文常識、の３つがポイント。
（１） 古典文法
だいたい、高校のはじめにぐらいに文法を習うことが多い。動詞から始まって、形容詞・形容詞・・・。しかし、受験生に文法のことを尋ねると、
答えられない人が以外と多い。なぜか？その大きな原因の一つは、学校でまともに文法の授業を行われていないから（まともに文法の授業が行われ
たのは、高１のはじめのころだけだったりする）。もう一つは、文法を読解の道具として用いることをしない、もしくはその方法がわからないから。
文法を読解の道具として用いないから、習ってもどんどん忘れるのは当たり前。古文の文章を読むためにも、問題を解くにおいても、文法をきちん
と学習しないといけない。
文法事項は様々あるけど、まずは助動詞・助詞・敬語法を最重要なものとして学習しよう。それらの具体的内容を次のように記しておく。
① 助動詞
助動詞という品詞は、活用はするし、意味も複数あったりするし、しかもそれぞれに接続が決まっている。覚えるのが面倒くさいと思っている人も
少なからずいると思う。しかし、「助動詞を制する者は古文を制する」と言われているぐらい、助動詞は落とせない事項だということを覚えておいて
もらいたい。入試古文で文法問題が出題される場合、助動詞が絡んでくるのが圧倒的なのだ。特に、意味がたくさんあるもの、他の品詞と見分けにく
いもの、なんかは狙い目だ。助動詞がまったくわからない人は、それぞれの助動詞の、意味（用法）・接続・活用の仕方をまず必死に覚えること。
② 助 詞
助詞はその数自体、助動詞より多いし、意味（用法）もかなりある。助動詞でさえ手を焼いているのに、さらに数の多い助詞までやらなくてはいけ
ないのか、などと考えるとうんざりする。でも、助詞は助動詞よりも重要性がしぼれる利点があるのだ。もちろん、全部の助詞を覚えれば完璧である
が、古文だけでなく、現代文や他教科も勉強しなくてはいけない諸君らにとって、その労力と時間は膨大に必要とされるはずだ。大事なものを先にマ
スターするよう順序だてて学習すれば、能力的にも時間的にも余裕が生じる。
最重要な助詞は、副助詞と終助詞。副助詞は「だに」が特に重要。私大ではよく問題にされている。終助詞は、まず願望を表すものを知っておこう。
次に重要なのは接続助詞。逆接の意味をもつものから覚えよう。あと格助詞の「の」も大事。これらから学習してみよう。
③ 敬語法
自分が現役の高校生だったころ、助動詞や助詞はなんとかなったような気がするが、敬語法はまったく理解できなかったことをよく覚えている。謙
譲語を、「自分をへりくだって低めて相手を高める」なんて説明されてもわけがわからなかった。まして、誰から誰に対する敬意なのかを聞かれても、
まったく答えられなかった。「なんで、この人があの人に敬意を向けているのか？」と、いつもそんな疑問の上で古文の授業を聞いていた。
これを読んでいる受験生諸君のなかにも、私と同じ経験をした、もしくはしている人も多いのではないかと思う。古文が苦手の人は、特に敬意の方
向について、頭を悩ましているのではなかろうか。
敬語法は、次のことをポイントにおいて学習するとよい。覚えることも結構あるが、頑張って学習していただきたい。
ａ 敬語動詞それぞれの、敬語の種類・平叙語・訳し方を覚える。
ｂ ２つの敬語の種類をもつ敬語動詞（「たてまつる」「まゐる」「はべり（さぶらふ）」「たまふ［補助動詞］」）に特に注意。
ｃ 誰から誰に対する敬意かをつかむ（詳細はメールマガジン「入試古文のツボ」で説明する）
（２） 古 語
古語といえば、古今異義語・古文特有語が最重要。まずはそれらから覚えるようにしよう。ただし、やみくもに古文単語帳なる書籍だけで覚える
ことは禁物。どうせ覚えるなら、文章の中で覚えたほうがよい。知っていると思うが、古語は一つの言葉の中に複数の意味をもつものが多く、それ
らの意味を丸暗記しても、その文章中で複数ある意味のどれになっているかつかめなければどうしようもない。
（３） 古文常識
古文常識と一言でいっても、その内容はさまざま。文学史、年中行事、月の異名や時刻など・・・・。数多くあるから、受験生にとっては何から
学習すればいいのかわからなくなってしまう。これが出題される、なんていちがいには言えないので、まずは入試傾向から考えて、漢字の読み、月
の異名、十二支による時刻や方角の知識、文学史などを重点的に学習するとよい。
ここに述べたことはほんのさわりにしかすぎない。さらに具体的に学習したい人は、メールマガジン「入試古文のツボ」を購読してほしい（はっきり言
って宣伝です(^_^;)）。受験生にとっての大学入試対策は、いかに質のよい勉強をして、時間を有効に使うかが大きなテーマになるはず。このメールマガ
ジンは、それを目的に作成されている。
