反軍拡・利権阻止の石井紘基議員はなぜ刺殺されたのか。 2002・10・25 |
|
石井氏の“遺品”に戦々恐々…民主が資料解明へ 昨年10月に刺殺された民主党の石井紘基衆院議員が残した膨大な調査資料の解明に、党がチームを編成して取り組むことになった。 資料は段ボール箱で約60箱分。内容は不明だが、石井氏が熱心に調べていた道路公団や特殊法人に関するものが多いと見られている。 党は資料調査解明委員会(委員長・江田五月参院議員)を設置して分析し、刺殺事件の真相解明のほか、資料から新たに疑惑を見つけ出して追及を進める方針。11日に菅代表や江田氏、石井氏の夫人のナターシャさんらが資料を開封する。 7日の記者会見で江田氏は「事件は右翼の(個人的な)恨み以上に根深い。石井氏の遺志を継ぎ、(背後関係などの)真相究明に全力を挙げる」と意欲満々。 石井氏は、鈴木宗男・元北海道沖縄開発庁長官の北方4島支援事業に絡む疑惑を指摘するなど、独自調査に基づく厳しい国会質問で知られていた。“極秘資料”の中身に、政府・与党は戦々恐々とすることになりそうだ。読売新聞の2003年2月8日(土)より。 番犬でないのなら野党とマスコミは総力を挙げて資料解明に取り組め。 有事法制という日本の歴史上、かって無かった国民総奴隷に至る巨大利権が、平和憲法という外堀を埋めにかかっている時、まさにその時、石井紘基は刺殺された。 石井紘基はわが国の主権者である国民の股肱の公僕であった、主権者に弓を引く与党との戦いに奔走した男であった。ならば、社民党も共産党もこの「テロ解明」の独自の委員会を立ち上げるべきである。ムネオや道路程度の問題で白昼、国会議員が殺される筈がなかろう。 |
2003-1-22 ゲンダイ
|
2002・11・29「週刊金曜日」
|
11月7日石井議員の妻のナターシャさん(58)は「いつも、命がいかに尊いものか、力を込めて私に語ってくれました。志半ばにして残酷な陰謀によって倒れてしまったのは大変無念です」と、とつとつと語り、参列者の涙を誘っていた。 ![]() 02・11・21号文春
|
2002年10月31日 ゲンダイ ニューヨーク市立大・霍見教授 |
ニューヨーク市立大・霍見教授のコラムから一部を引用。 「、、、民主党の石井紘基議員の非業の死について、米国の指導的メディアは国粋右翼による政治的暗殺だと的確に報じた。「借金を断られて」という私怨の口実は見え見えの偽証だった。また石井暗殺は、1960年10月、同じ行動右翼による社会党の浅沼稲次郎委員長の暗殺に始まる戦後から今日までの国粋右翼による民主リベラルの政治家の暗殺の系譜の一環だとの解説だった。 この系譜には1990年、「昭和天皇に戦争責任あり」と長崎市議会で答弁した本島市長が国粋右翼にピストルで撃たれた暗殺未遂も含まれていた。日本の政治暗殺は自民党の保守右派に近いとささやかれる右翼の下請け人による民主改革派政敵の殺傷に偏っている。そして、この暗殺はその後、狙い通りの成果をあげて、昭和天皇の戦争責任論や日米安保体制による日本の対米隷属、憲法第9条の拡大解釈改憲、銀行の膨大な不良債権に絡むヤクザまみれの政官産腐敗、そして、日本の民主主義の退化などの批判がタブー視されてきている。 石井議員暗殺を米国から見れば、「自殺」と警察が早々と断定した新井将敬自民党議員の怪死や、同じく大阪駅近くのホテルで「自殺」と即断された銀行の頭取の変死にもつながってくる。日本の警察や検察は、米国ではとても「自殺」と即断されないほどの怪しい状況証拠があっても、お上に都合よく処理してしまう。米国のメディアは、諜報機関の資料を使って「悪い奴ほどよく眠る」日本の暗部にメスを入れている。政官産の汚職の核心に迫る者が出てくると、暗殺されたり、「謎の自殺」に仕立てられたりする。 、、、、」 更に霍見教授は怒りを込めて次のように結んでいる。 「、、、、怒りをおぼえる、との小泉首相談は、「白々しい」としか受け取られない。首相が本当に怒りを感じているのなら、遅まきながらも民主党と協力して議員や官僚の「ザル法でないあっせん収賄罪」を確立するのと同時に、自民党員や官僚、特に司法官僚と組織暴力団や国粋右翼グループとの近すぎる関係を清算すべきである。 石井暗殺は、日本が非民主的な法痴国の証とされている。主権在民の民主国では国民の基本的人権と裁判官の独立性(良心と憲法にのみ忠実に審理して、時の政官産の権力との癒着を避ける)を保障した憲法が主人公である。しかし、日本では、この憲法を無視する最高裁判事以下の司法腐敗によって、与党政治家と官僚が主人公なのである。石井暗殺も「狂った個人の蛮行」として、早々と処理される。 |
![]() 2002・11・8号「週刊朝日」 |