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岩月謙司氏のクライアント選択基準の検証

  • 岩月謙司氏のクライアント選択基準とはどのようなものなのだろうか。
    いろいろな著作にクライアントの手記が記載されているが、全てが女性のものばかりで 男性の手記は全くない。
    また、インタビューも殆どが10代〜20代の女性ばかりであり、男性や40代の女性は殆どない。
    男性は、娘さんの父親等として登場し、主体となることはない。
    岩月氏の著作の登場人物の年齢分布
    何故、10代〜20代の女性ばかりをクライアントとして選択するのだろうか。

  • 岩月氏の著作の登場人物の年齢を追ってみよう。

    岩月氏の著作の題名 登場人物と年齢
    人はなぜ人間関係に悩むか
    (1997/6)
    人はなぜ人間関係に悩むか
    D子、30歳の生真面目なOL 167頁
    家族のなかの孤独
    (1998/3)
    家族のなかの孤独―対人関係のメカニズム
    22歳→25歳 女性 手記「私は生きている」3頁
    年齢不明 女性 手記「母の嫉妬」 64頁
    女子大生の手記「不幸の原因―それは父への執着」138頁
    心の教育、あしたの風
    (1999/6)
     心の教育・あしたへの風
    T江 大学4年 真面目そうで幼くも見える 88頁
    埼玉に住んでいたある女性 93頁
    娘の結婚運は父親で決まる
    (1999/9)
    娘の結婚運は父親で決まる―家庭内ストックホルムシンドロームの自縛    NHKブックス
    中年の主婦(42歳)、西田ひかる似のなかなかの美人である。11頁
    卒業生23歳。どこかアイドルタレントのような華やいだ雰囲気。29頁
    大学1年生の女子学生。47頁
    20代後半の細身の女性。ロングヘアーがきれいだ。56頁
    高校生の娘、古手川祐子のような清楚な顔立ちのお嬢様。67頁
    大学4年生の女子学生。どこか日本的な顔立ちのしとやかな女性。78頁
    二十代後半のOL,笑うとえくぼができるお茶目でかわいい女性。101頁
    大学4年生、中学生にしか見えないほど幼い顔立ちをしている。128頁
    不倫中の30歳のOL,ミニスカートがよく似合う細身の女性 175頁
    44歳の主婦 189頁
    25歳のOL,いかにもモテそうなタイプの美人である。194頁。
    A子さん(当時22歳) 203頁
    娘がいやがる
    間違いだらけの父親の愛
    (2000/1)
     娘がいやがる間違いだらけの父親の愛
    20歳 女性 女子大生 63頁
    不明  女性 丸顔のぽっちゃりしたかわいい感じ 68頁
    女子大生(お父さんとセックスする夢) 96頁
    女子学生 103頁
    フランス人形のようにかわいい女子学生 113頁
    肌が透き通るように白い女性(OL20歳) 120頁
    不倫中というOL(23歳) 167頁
    29歳のキャリアウーマン 184頁
    同棲して半年になるというOL 202頁
    36歳の主婦 205頁
    母親よりも
    恵まれた結婚ができない理由
    (2000/6)
    母親よりも恵まれた結婚ができない理由(わけ)―女性の「オトコ運」を母の嫉妬がくるわせる
    大阪の女子大の学生 27頁
    連れて来た女子大生 43頁
    思い残し症候群
    (2001/2)
    思い残し症候群―親の夫婦問題が女性の恋愛をくるわせる    NHKブックス
    27歳のフリーライター(女性) 22頁
    A子さん(20歳) 70頁
    Cさん(28歳)女性恐怖症の男性 76頁
    21歳のOL、茶髪にしているが地味な感じ 84頁
    高校1年生の女の子 98頁
    思い残し症候群の女性の手記 105頁
    ある父親の手記 124頁
    20歳の女性の手記 154頁
    20歳の女子大生の手記 159頁
    「子どもを愛する力」を
    つける心のレッスン
    (2001/6)
    「子どもを愛する力」をつける心のレッスン
    20代後半の若いお母さん 14頁
    27歳になったA子さん 42頁
    33歳の若いお父さん 54頁
    清楚で色白な主婦(28歳) 61頁
    美樹さん(25歳) 111頁
    人の望むようにしすぎる人、
    平気で人を支配したがる人
    (2002/8)
    人の望むようにしすぎる人、平気で人を支配したがる人―対人関係を幸福にする心のしくみ
    手記「私は私が気持ちいいことをする」
    D子さん30歳
    女は男のどこを見ているか
    (2002/9)
    女は男のどこを見ているか
    二十歳になる女子大生 深田恭子のような上品な顔立ち 22頁
    ずっと彼氏がいないあなたへ
    (2002/12)
    ずっと彼氏がいないあなたへ
    もうすぐ31歳になるという女性 14頁
    23歳の女性 27頁
    彼氏いない暦30年 44頁
    先月27歳になったばかりという彼女 56頁
    広告代理店でバリバリ働くキャリアウーマン 80頁
    デザイン事務所に勤務する29歳の女性 92頁
    なぜ、「白雪姫」は
    毒リンゴを食べたのか
    (2003/4)
    なぜ、「白雪姫」は毒リンゴを食べたのか
    香川大学法学部一年生(18歳の女性)の手記 13頁
    ある女性(24歳)の手記 63頁
    25歳の独身女性 71頁
    24歳の女性の手記 77頁
    22歳のOL 151頁
    22歳の女性の手記 168頁
    31歳の独身女性の手記 173頁
    娘は男親のどこを見ているか
    (2003/5/20)
    娘は男親のどこを見ているか    講談社プラスアルファ新書
    Aさん(45歳)高校生の娘 55頁
    同棲して半年になるというOL(22歳) 149頁
    36歳の主婦とその夫(40歳) 154頁
    母を恋して太る人、
    彼を愛してやせる人
    (2003/6)
    母を恋して太る人、彼を愛してやせる人−「3日後日記」でダイエットに成功する!
    片山景子さん(仮名)26歳・会社員 55頁
    島田里香さん(仮名)17歳・高校生 103頁
    佐伯ゆかりさん(仮名)27歳・看護士 136頁
    山田祥子さん(仮名)42歳・主婦 179頁
    なぜ、女は恋や仕事に
    臆病になってしまうのか
    (2004/5/10)
    なぜ、女は恋や仕事に臆病になってしまうのか
    アパートに一人暮らしをしているという女子大生 24頁
    結婚力
    (2004/9/29)
    結婚力―30代でかなえるハッピーウエディング
    藤田泰恵さん(32歳、主婦、大阪府) 228頁
    中村瞳さん(31歳、主婦、広島県) 235頁
    井口芳美さん(26歳、アルバイト、東京都) 242頁

  • こちらの文章は高松市の書店長のものだ。
    岩月氏の取り巻きに男子学生はおらず、女子学生ばかりだったそうだ。
    この「女子大生」とは、果たしてクライアントなのだろうか。

    わらし仙人の番町書店ジャーナル より

    わらし仙人の住んでいる近くにある香川大学の岩月謙司教授が準強制わいせつの疑いで逮捕されました。
    ・・・略・・・
    岩月教授はわらし仙人が本を配達している喫茶店に良く来ていました。
    いつも、女子大(女子大生?)に囲まれていました。不思議なことは、男子学生が一人もいなかったことです。
    このウワサはだいぶん前からありました。
    わらし仙人は香川大学にも本の配達をしていましたから、
    職員の方から、そういうウワサはよく聞いていました。

  • 岩月氏が40代の女性のカウンセリングを断った件がブログ「健康おたく」に掲載されており、 時期は2001年春である。
    マスコミのインタビュアーが紹介した女性のカウンセリングを、なぜ断るのだろうか。

    ブログ 岩月謙司教授の逮捕 より

    私が岩月教授に取材をしたのは、2001年の春。
    娘が持ち続ける両親との葛藤について、話を聞いた。
    ・・・略・・・
    私個人が岩月教授に抱いた印象は、「人の話を聞かない人だなあ」。
    記事を構成するため、子ども時代から父親に抑圧され、大人になってもつきまとわれた40代の女性をカウンセリングするよう、お願いした。
    その女性と会って、最初に岩月教授が発したのは「まず私の話を聞いてください」。
    それから約30分ほど、自分の理論を早口でまくし立てた。
    相づちも打てない。
    これでカウンセラーなのだろうか?
    ・・・略・・・
    岩月教授が女性たちに与えた対処法は、日記を書くこと。
    いろいろ書かれているけど、心の持ち方を変えろなど。
    親子関係の分析まではセンセーショナルな言葉を多用して、断定的なのに、
    対処法は「けっきょく自分でなんとかしなさい」。

  • 岩月氏が20代後半の男性の4通の手紙を無視した件がホームページに掲載されており、
    その時期は2002年で、岩月氏が逮捕された事件の時期と完全に一致する。
    熱心に育て直しを要望する男性の手紙を無視し、
    20代女性は電子メールで呼び寄せて「育て直し」を施すのは何故なのだろうか。

    虐待者WANTED! 本件の詳細 より

    そんな中、忘れもしない二〇〇二年二月一〇日のこと、筆者はあるドキュメンタリー番組を見る。
    その番組は「ドキュメント'02」といい、その回では「思い残し症候群」というものを取り扱っていた。これは、岩月謙司という人物が提唱・実践しているもので、愛情の飢えによって苦しんでいる人の親代わりとなって育て直す様を描いたものであった。

    まさに、「雷に撃たれたようなショック」とはこのことで、岸田氏や加藤氏の理論に釈然としなかった疑問点が、一気に氷解する思いであった。
    そこには、筆者が漠然と求めていたものの具体的な形が存在した。スキンシップによって癒されていく被治療者たちに共感し、あるいは少々嫉妬し、涙が止まらなかった。「この治療なら受けてもいい。いや、是非受けたい!」と、決意を固めた。
    ・・・略・・・
     岩月氏にも四通ほど手紙を出してみたが、なしのつぶてであった。もし、この時点で岩月氏がちゃんと応答していたら、のちに述べるような苦労の数々は味あわずに済んだ可能性が高い。筆者は岩月氏のやりかたにおおむね賛成だが、こういうところは支持ができない。


  • 岩月氏は、治療と称していながら、何故クライアントを選別するのだろうか。
    選択基準が「10代〜20代の女性」なのは何故なのだろうか。
    岩月氏は以下のように説明している。

    岩月謙司著 「家族のなかの孤独」 248頁 (1998年3月25日発行)

    家族のなかの孤独―対人関係のメカニズム

     20歳までは誰でも幸福度はそんなに差がありません、どの親も完璧ではないからです。
    だからこそ、20歳を過ぎだら自分の責任でもって不足したものを補わないといけないのです。
    その時つき合う人を間違えると、逆にますます不幸になってしまいます。

     困ったことに、一度ベクトルが不幸を向いてしまうと、
    なかなか幸福の方向を向かせるのがむずかしくなります。

    それまでの不幸を全部清算してからでないと幸福の道を歩めないからです。
    人を道にたとえると、T字路にさしかかるのが青春時代です。
    左が不幸の道で右が幸福の道だとしましょう。
    誤って左の道を歩んだものが幸福の道を歩もうとしたら、
    必ず後ずさりして元の分岐点まで戻らないといけないのです。
    それも、尻ぬぐいしながら戻るのです。ですから、不幸の道を歩めば歩むほど
    戻るのが苦痛で大変なことになります。

     40の人なら、20年分後ずさりしないといけません。
    原則として、後ずさりするのに20年かかります。
    だから昔から「四十バカは治らない」というのでしょう。
    早くても60から再スタートするのではもう戻る気力も失せてしまうのでしょう。


  • 但し、この文章に書かれた論理は何ら基礎データや参考文献は存在しない。
    20歳までは誰でも幸福度はそんなに差がありません」の理由が、 「どの親も完璧ではないからです。」では、
    あまりに論理が飛躍しすぎており、2つの文章の関連性を追うことすらできない。
    困ったことに、一度ベクトルが不幸を向いてしまうと、
    なかなか幸福の方向を向かせるのがむずかしくなります。

    の具体的根拠が何ら示されておらず、延々と人生を道に例えて文章を展開しているだけである。
    これでは何ら論述したことにはならない。
    「だから昔から「四十バカは治らない」というのでしょう。」の検証のため、
    googleで "四十バカは治らない"を検索したが、1件たりともヒットしなかった。
    この言葉が岩月氏の造語だとしたら、「だから昔から・・・と言うのでしょう」は虚偽である。
    なぜ、虚偽を根拠としてまで、20歳頃の女性をクライアントとして選別することを正当化するのだろうか。

  • 仮に岩月氏の言うように、20歳頃がもっともクライアントにとってカウンセリングに適した年代だと仮定しよう。
    ならば、岩月氏が20歳頃の女性ばかり選択するのは何故だろうか。
    なぜ20歳頃の男性をクライアントとして選択しないのだろうか。
    そして、岩月氏がクライアントへ「彼氏と別れるように」アドバイスするのは何故なのだろうか。

    岩月謙司著 「家族のなかの孤独」 210頁 (1998年3月25日発行)

    家族のなかの孤独―対人関係のメカニズム
    • Q.恋人がいながらのカウンセリングはない、と聞いたのですが・・・
    • A.その通りです。
      恋人がいる人のカウンセリングは成功しません。
      恋をしているのに悩みが解決しないようでは、恋とは言えません。
      恋人が最良のカウンセラーでなければならないのです。
      つまり、恋人がいることで自分の心がどんどん安定してこそ恋愛なのです。
      恋は恋、悩みは悩みとバラバラなのはニセモノだからです。
      要するに、見下し合いをしているために、矛盾だらけになっているのです。
      恋人の存在が矛盾を拡大させているのです。
  • 恋人がいる人のカウンセリングは成功しません。」の具体的根拠は何ら明示されておらず、
    抽象論が展開されているだけであり、これでは何ら論述できていない。
    また、「恋人が最良のカウンセラーでなければならないのです。」と記載しているが、
    それは、どういう事なのだろうか。

  • ここで、以下のインターネット掲示板への書込みを紹介しよう。
    いずれも2002年の書込みである点に留意の上、お読み戴きたい。

    2ちゃんねる:ニュース速報板 【TV】NNNドキュメント'02 思い残し症候群【TV】より

    429 名前: 425 02/04/09 18:47
    >>428
    あんまり詳しく書くと彼女が特定される可能性があるので
    詳しい内容はあまり書けないが、少しだけ書くと、
    自分(教授)のカウンセリングを受けたいなら、彼氏とは別れるように」と言ってきたり、
    性関係の詳細ばかり聞きたがったりということかな。(しかもこじつけの理由をつけて)
    彼女が断ったら、「あなた(彼女)は不幸な人生になる」とねちねち言ってきたよ。
    でもあまりにも怪しかったんで、見切りがつけやすくてよかったとも言える。
    何より岩月マンセーじゃなくなったとたん元気になったからよかったよ。

    テレビにでるようなクライアントはかなり教授に洗脳されちゃってて教授の言いなりだよ。
    洗脳しやすそうなクライアントを選ぶんだろう。
    それから著書に出てくる具体例なんかは、いろんな人の話を
    くっつけて都合良くまとめてある。(漏れの彼女の話も利用されちゃったっぽい)


    2ちゃんねる:メンタルヘルス板 ●おむつ大好きな人●5 より

    174 名前: 100反対派 投稿日: 02/09/11 00:25 ID:U4fQExFJ
    ・・・略・・・
    あの放送で興味を持ち、著書を一通り
    読んでみて、本人にコンタクトまでとってみたけれど、
    結局感じたのは「矛盾だらけ」ということ。
    私は育て直し希望でコンタクトとったわけじゃなかったんだけれど
    育て直しやカウンセリングを受けるには彼氏と別れるのが条件でしたし、
    実際いろいろ聞いてみると本やテレビで
    言っていることとは全然違うのに驚きました。
    むしろ、本人が本等で批判している人に近いのではと思ったくらいです。
    それに何かあったときに、精神科医でも心理学者でもないのを
    こちらが了承してコンタクトとってたことを
    盾にして免責されちゃうかもと思いました。
    矛盾に気づけないような人をああやって手元に
    残して育て直すのかな?って思っちゃいました。
    クライアントが満足してる(と刷り込まれてる?)
    んなら、それはそれで幸せなのかも知れませんが。

    これらの書込みは逮捕の2年前であり、何らバイアスは掛かっていないことを考えると、
    岩月氏は、恋人と別れることをカウンセリングの条件として提示していた事は間違いないであろう。

    基本的に医師は自分の意思では患者を選べない。

    しかし、岩月氏は、10代から20代の女性を意図的にクライアントとして選別し、 恋人と別れさせた上でカウンセリングしている、

    また、岩月氏は治癒率や緩解率などのデータの提示、予後の判定や追跡調査など、 治療効果の検討に必要な最低限のことすらやっていない。

    いったい何を目的にカウンセリングしていたのだろうか。

    それは、このサイトの後述の検証内容とあわせて、皆様自身でご判断いただきたい。


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