第33期生に行った双方向性看護薬理学

板橋区医師会立看護高等専修学校 看護薬理学 吉田敏郎

・はじめに
系統講義による授業・テストがいかに能力全開した学生諸君の
向学心を削いで行くかを毎年痛切に感じていた。テーマを
絞った解決能力を培う卒業論文形式の方が将来の看護活動に
役立つのではないかと考え、双方向性授業を昨年度から試みている。
しかし、始めの2-3カ月は総論並びにマルチメディアによる講義
などを行い、この準備期間の後にスタートした。

・ルール 
   発表形式はのグループ(3-4名)に任せ、発表時間は15〜30
分以内とした。必ず全員が役割を分担すること。プリントが
必要あれば前日まで原稿を届ける。スライド、ビデオ、OHPな
ど必要な場合も前日までに知らせる。
発表の内容について不安があれば相談に来ること(Faxでもよ
い)。学生自身により毎回の発表に対する評価を行い記名の上
提出。評価シート*(現在中止)はまとめて次回の講義時に返却
する。発表が終わったら、その内容をA4版レポート用紙2枚以
内にワープロでまとめ感想文を付け提出することとした。
*評価シート(生徒と教師による)
 項目:1.発表への準備 2.分担と協力 3.興味深かった
でしょうか 4.工夫すべき点はあれば具体的に記入。
  試験は行わず、発表内容とレポート及び出席状況によって
合否を決定した(2002年現在発表テーマに関する確認筆記
試験も導入している)。

・テーマ
9月 9日 グループ 1  麻酔薬・鎮痛薬

    9月16日 グループ 2   向精神薬
    9月30日  グループ 3   麻薬・一般的な薬害
   10月 7日  グループ 4    交感・副交感神経作用薬
   10月14日  グループ 5    オータコイド
   10月21日  グループ 6   ステロイド・妊娠と薬物
   10月28日 グループ 7   心臓・血管系に作用する薬物
   11月 4日  グループ 8    性ホルモン・ドーピング
   11月11日  グループ 9   インスリン・ビタミン
   11月18日  グループ 10   漢方薬・薬物中毒

・教師からのコメント
 この双方向性授業を導入し看護学生諸君の真摯な勉強ぶり
に触れることが出来て嬉しい。プロフェッショナルになるた
め自ら看護と薬物を学ぶことに興味が湧いたと異口同音、
新鮮な感想を語っている。最終的にこの授業に参加した看護学
生35名(年齢18-37才)の平均点数は77.9をマークし過去最高で
あった。
 14年間の授業経験を振り返り平成10年度の第33期生を誇り
に思いよい看護業務の基礎になることを期待している。国試
合格率100%だけでない良い看護婦さんに成長することは間違
いない。

・参考文献
1. 福田哲也:双方向の授業の試み (一般教育の現場から)
   順天堂医学43(S)S42-S47(1988)
2. 特集.変貌する医学部(医学教育の場から医師養成の場へ)
日経メディカル 1998年11月号p64-76
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