出産をする予定の国でどのような病院があるのか、医療設備はどうなのかなどの情報も確かに大切です。しかしそれ以上に実際にお産を経験した先輩達が日本のお産とどのような違いを感じ、現地の医療スタッフと接することで何を感じ、日本人としてどのようなことに感激したり、落胆したか、母親として何を感じたかなどを私は聞きたかったのです。そのために始めたインタビューであり、アンケートでありました。お産という場面においてその国の特徴がもっとも現われています。
このページではインタビューやアンケートで語られた海外での出産、子育て体験談を毎月違った国を載せていきたいと思います。さらに詳しく知りたいという方は、それぞれの国の情報をまとめた小冊子を注文してください。またHPをもっていらっしゃった方もいますので、リンクでその国を探してください。皆さんもこれから海外でお産を迎える方達に励ましのメッセージを送ってください。アンケートを通して皆さんの体験談をお寄せください。お待ちしております。
サウジアラビア | ハワイ | オランダ | 韓国 |
パナマ | タイ | コロンビア | グアム |
ロシア | アメリカの家庭分娩 | ブラジル | ベルギー |
エジプト | ペルー | イギリス | コートジボワール |
イタリア | アラブ首長国連邦 | ベラルーシ | シンガポール |
ボスニア | ニュージーランド | フランス | サイパン |
ハンガリー | バハマ | 中国 | フィリピン |
プエルトリコ | ガーナ | ニカラグア | オーストラリア |
アルゼンチン | メキシコ | 南アフリカ | カナダ |
ネパール | イスラエル | 香港 | フィンランド |
スペイン | チェコ |
出産費用は保険ですべて
日本ではお産となると保険が適用されないので、自費となるとかなり準備が必要ですが、それでも出産祝い金など32万円くらいは出るので、贅沢をしなければ日本もよい制度だと思います。ただしスペインでは最初から現金を出さなくてもよい制度がありますので、それを利用すると本当の意味ですべてただという錯覚に陥るかもしれません。
妊娠線予防にオリーブオイル
これは私も知っておけばよかったと今頃になって知りました。確かにココアバターがいいだのいろいろと言われていますが、妊娠線予防の専用クリームは高いですし、それならオリーブオイルなら身近ですし、簡単に手に入ります。ためしてみるとよいでしょう。使った方はぜんぜん妊娠線ができなかったといいます。試す甲斐ありですね。
中絶がやっと解禁
スペインでは長年中絶は行なうことができないとされていました。しかし、やっと遅ればせながら1985年より行なわれるようになりました。それでも周りからの受け入れはあまりポジティブでなく、理解が得られず、中にははるばるイギリスにまで出向いて手術を行なう人もいます。
入院中はうるさい
病院によっては面会時間の規制などがたいへんゆるく、公立病院ですと相部屋が基本ですから、夜中まで訪問客がおしゃべりをしていた、夫婦で泊まっているのでうるさいなど不満もあるようです。
アフリカと聞くとイメージ的にはジャングルと動物?という感じがしますが、南アフリカのヨハネスブルグはたいへんな近代都市です。医療の面でも進んでいます。今回は三人目のお子さんを南アフリカで出産され、とてもいいお産だったと語ってくれたミキさんに2004年元旦にお話を聞きました。
白人だけが利用する病院
今ではかなり黒人と白人との差がなくなったといいますが、それでもまだ黒人の階級層はとても低く、外国人である日本人が利用する病院などは現地でも階級の高い人の利用する病院と称され、患者のほとんどは白人ということです。それでもナースは白人も黒人もいるそうです。ただし、メンテナンスサービスや食事を運ぶような下働きの人たちはやはり黒人が圧倒的に多いとのことです。
周りのサポート
治安の悪いとされるヨハネスブルグではいざと陣痛が始まった時にどのような交通手段をとるかを考慮しなくてはなりません。タクシーはたいへん危険とされていて、できたら避けたい手段。次は自家用車ですが、ドライバーさんには事前に予約を入れておかないとならない。となるといざとなったとき一番頼りになるのは周りの日本人のお友達、およびミキさんの場合は大家さんだったそうです。彼らがいつでもいってねと声かけをしてくれたそうです。
無痛分娩は快適
無痛分娩と聞くと日本ではあまり一般的でなく、事故なども聞くので、日本人はためらいがあると思いますが、多くのドクターは無痛分娩を勧めています。 ミキさんもその一人でしたが、ドクターの勧めで試してみたところ、まったく痛みがなく、食べることができ、眠ることができ、飲むことができ、歩くことができ、赤ちゃんの世話を含む身の回りのこともすっとできて最高だったと語っていました。
1日5回のティータイム
イギリスの影響を受けていることもあってでしょう。病院では6時のティーから始まり、1日5回もティータイムがあります。ちょっとしたクッキーに紅茶かコーヒーが添えられます。このティーを運んでくれるのは黒人です。水分を多く補給するのは、母乳がたくさん出るようにという配慮もあるそうです。
メキシコにはお産にまつわるいい伝えがそれはそれはたくさんあります。それらも含めて、メキシコでの日本人のお産についてお伝えします。
帝王切開は有名
日本人のほとんどはプライベートのクリニックでドクターに検診をしてもらい、その後分娩は外国人の多い総合病院で行なっています。しかし、プライベートのクリニックにかかるメキシコ人のお金持ちのほとんどは帝王切開で、そのことで不安に思う日本人も多いと聞いていました。しかし実際には自然分娩がよいという希望を伝えてあれば、ほとんどの日本人は自然分娩でしたので、安心してください。
妊娠中の掟?
妊娠中の掟といいますか、とにかくやっていいこと、いけないルールなどがたくさんあるメキシコです。メキシコでは妊娠中は死にまつわることをいっさいしてはいけないといいます。それはお葬式に出てはいけない、しいてはお墓へいくことも禁じられています。
おおらかな検診
冬場、厚手のセーターを着ていても、しっかりと靴を履いていても、そのまま体重計に乗るようにいわれます。つまりこちらではまず人前で靴を脱ぐということがあまりないので、体重計に乗るときも靴のままなのです。結局前回も同じように体重測定をしていれば、どのくらい増えたかの差はしっかりわかるのだからよいとのことです。いやいや、おおらかです。
熱いの寒いのだめ
とにかく冷たいこと、熱いことを避けるようにといいます。要するにぬるま湯あたりがよいとのこと。そのため、妊娠中は熱いお風呂と冷たいお風呂がだめで、ぬるま湯のお風呂に入るように勧められます。これは冷たい水は骨や関節に影響をおよぼし、骨盤は固まってしまい、これは難産を引き起こすと信じられています。さらに妊婦は熱の持ったものに近寄るなと言われ、これは胎盤が焼けてしまうからとか赤ちゃんが熱によっていらだつからだそうです。
ワークホリデーなどの関係で多くの日本人がオーストラリアを訪れています。そして当然そこで恋が芽生えることもあり、現地の人と結婚し、そこで出産される方もいます。オーストラリアでのお産の体験談はそのような方からたくさんいただきました。
初診は妊娠中期近くになって
妊娠が発覚して、ドクターに予約を入れようと思ってもなんと2ヶ月先と言い渡されます。ここではたいてい初診は12週以降とされています。それは妊娠初期に流産になる可能性もあり、その場合は自然淘汰とみなしているからです。そのため、初期の段階を無事経過した元気な赤ちゃんがめでたく初診に到達という考えです。しかし日本人はみんな不安に思ってしまいます。
ことばができなくても通訳がつく
オーストラリアは移民で成り立っているような国です。そのため、ことばに関しては権利として、誰でも自分のことばがわかる状況で医療を受けられることが保障されています。そのため、公立病院では通訳を無料でつけてくれます。通訳への支払いは州政府が負担します。事前に予約を入れます。また急な場合では電話通訳を利用できます。
バースセンター
ここにはドクターはおらず、助産婦のみです。ここでの方針は内診はしない、麻酔はしない、薬は出さない、会陰切開はしないとあくまでも自然なお産を目指します。ここは病院内の敷地に設置され、何か異常が起きた場合はすぐ病院の分娩センターに妊婦を移動できるようになっています。ここで出産された方に感想を聞いたら、「すばらしい」のひとことに尽きるとおっしゃってました。
24時間以内に退院
バースセンターで出産した場合はすぐ家に返してくれます。病院ですと3日間経過をみます。しかしバースセンターからすぐ戻っても1週間は毎日助産婦が自宅に往診してくれますのでとても心強いです。
ニカラグアで2人目を出産されたUさん。しかし意外なことに先進国並みのお産を経験できたようでした。
チョイスはなし
日本人がかかることができる病院は1つとのこと。チョイスはないそうです。つまり外国人としての待遇を望めるところはそこしかないとのこと。となると日本にいる皆様はあまりのチョイスの多さで迷えるのは幸せなほうかもしれませんね。
帝王切開の不安
周りからは帝王切開が多いと聞いていたUさん。とても不安だったそうです。しかし予定日より早く生まれ、すんなりと自然分娩で産むことができたそうです。帝王切開率が高い国は中南米に多いようですが、場合によってはとり越し苦労ということもありますね。
無国籍料理
どのような食事が病院ででましたか?という質問に対しては、なにがなんだかわからないような無国籍料理でしたとの回答でした。外国人を受け入れる病院の多くは現地の料理を基本にした西洋料理が一般的のようです。
ピアスは?
ニカラグアの女の子の赤ちゃんはみんなピアスをしているそうです。そのため、Uさん宅ではピアスを子どもにしてなかったため、会う人は皆口を揃えて「どうしてしてないの?」と聞いてきたそうです。
アルゼンチンでは日本人すら少ないのに、ましてや出産される方はたいへんまれといえます。しかし、現地で出産される日本人は多く、夫立会い可能、帝王切開も下半身麻酔、個室あり、シャワーもすぐ、歩行もすぐ、夫もいっしょに病室に泊まれるなど、先進国並みです。
外国系列の病院で
日本人は外国人ということで、現地の人でも裕福層の人たちが出産する私立病院で出産しています。しかもそれがドイツ系の病院であったり、イタリア系の病院ということには驚きました。
性別を必ず聞く
ほとんどの人は超音波検査時に赤ちゃんの性別を聞き、生まれる前には名前をしっかりと決めているそうです。
カルテを持ち歩く
検査結果などはすべて自己管理、自己保管ということになっています。そのため、検診のときはもちろんのこと、出産するときも、病院へ必ずもって行くものとしてこのカルテがあるそうです。
生まれてすぐ散髪?
この国の習慣として、生まれたらすぐもう病院にいる段階で赤ちゃんの頭の毛を剃ってしまうそうです。これは太いよい髪の毛が生えてくるようにということが理由だそうですが。まあ、習慣といえども、新生児の頭に刃物が当たるということ自体、拷問のような......そのため、女の子でもつるつるにされてしまうのでメッシュでできた帽子をかぶるそうです。
ガーナでは小さな町でも今では病院での出産が主流となっています。それでも昔ながらのバースアテンダントという産婆さんがいて、彼女達は現代医学を学びながら、伝授された文化を引き継いで村などで活躍しています。
妊娠中は運動を
妊娠中はなるべく運動をするように言い渡されます。これはママが動いていれば、元気で活発な子どもが生まれるからということが理由だそうです。そのため、現地の人は主食であるフーフーというものを作るために臼に棒をつきますが、それも妊娠中でも行うそうです。
妊娠中に浣腸
これには驚きましたが、考えてみたら妊娠中はよく便秘になります。そのため、ガーナの産婆さんは月に1,2回、妊婦に浣腸をするそうです。その浣腸液はハーブ(薬草)を入れて煮たものをさましてから入れるそうです。なんかすっきりして気持ちよさそう。
会陰保護はシア・バター
ガーナではシア・バターというクリームがいろいろなところで使われます。産婆さんは会陰保護にも使い、切開をすることはないそうです。またお湯に塩を入れてそれを空き缶のような筒にいれて、患部を蒸気であてるそうです。これによって裂傷など早目の回復をうながす役目と悪露を早くからだから出すという役目もあるそうです。
曜日によって性別判断
赤ちゃんが生まれると曜日を伝えるそうです。それは男女別に曜日ごとの名前があり、生まれたとき看護婦さんなどがそれをいうため、そのひとことで男の子か女の子かわかるそうです。"Akwasi"と呼ばれて男の子とわかったそうです。
妊娠9ヶ月でプエルトリコに入国したRさん。まず産婦人科を見つけるのに一苦労。けれどもRさんの持ち前のなんとかなるさでなんと初めて訪れた産婦人科医によってその日に帝王切開。
夫は立ち会えない
地方の方では夫の立会い出産は認められていません。陣痛室にも夫や家族は入れません。そのため、出産後は窓越しに1日2回しか赤ちゃんがみられません。どうやら以前赤ちゃんの誘拐があったためとか。けどちょっとさみしかったRさんのご主人。
スペイン語がわからない
Rさんはプエルトリコに着いたばかりでスペイン語がわからなかったことが一番つらかったとのこと。ナースコールを教えてもスペイン語での返事。なんと言ってよいかわからず無言でいたらかえって叱られたとか。のどが乾いて何か飲みたくてもそれすら言えずつらかったとのこと。
あっという間の退院
通常普通分娩ですと2日で退院、帝王切開でも3日とものすごく短いです。Rさんの赤ちゃんは粉ミルクを受け付けずなんと点滴をしたそうです。けれども豆乳は飲めて一安心。けれども新生児に点滴はなんとも痛々しい、つらかったことでしょう。
名前で混乱
プエルトリコでは夫婦別姓です。そのため、女性はファーストネーム・父の旧姓・母の旧姓とつくそうです。しかし日本の戸籍では夫の名字になったRさん。子どもの名前をつけるときに大問題。プエルトリコの法律ではファーストネーム・父の旧姓・母の旧姓となりますが、それでは困るということでなんとかご主人の名字をラストネームにしてもらったそうです。
またプエルトリコはアメリカの領土のようなものであるため、SSN(社会保障番号)をもらえます。これは便利なはず。よかったねラウくん!
カトリック教徒の多いフィリピンでは子どもを産むことは日常のことであり、子沢山が特徴です。地方のクリニックでは子どもは4人までとそれ以上産むことを控えるように指導しているほどです。そんなフィリピンですが、今では自然なお産よりも医療の介入を施したお産が増えています。特にマニラでの日本人のお産は無痛分娩を始め、帝王切開など医療の介入が目立ちます。
妊婦は恵み
フィリピンにはお産にまつわる風習や言い伝えがいっぱいあります。妊婦は恵みを象徴されるとされ、幸運をもたらすということで歓迎されます。さらに子どもは富をもたらすとされています。
妊娠中は首にものを巻かない
妊娠中のしてはいけない掟はいっぱいあります。赤ちゃんがころがって逆子になるからひもをまたがない、へその緒が赤ちゃんの首に巻かれるから、肩や首にものを巻かない、月夜は悪い影響があるので、帽子をかぶって外出する、妊娠8ヶ月を過ぎるまでは赤ちゃんのものを買い揃えない、安産のために若いココナッツジュースを妊娠後期に飲む、ココナッツオイルで乳房のマッサージをする。日本以上ですね。けれども納得できそうなものもあります。
父親は食事を運ぶ係り
地方でも病院での出産が増えています。このような病院では妊婦の母親はお産の介助者としてみなされ、父親は食べ物を持ってくる係りとなっています。産婆さんはコマドローナと呼ばれ、陣痛から産後にかけて熱心に妊婦をマッサージしてくれます。
会陰切開の処置にハーブ
会陰切開をしたあとの患部はお湯に浸し、その周りでお香をたく習慣があります。また炭とハーブを用いたものを間接的に患部に当て回復をうながします。
出産費用は交渉次第
一番私が驚いたのは出産費用が収入に応じて変動したり、また交渉して値引きしてもらうという習慣でした。ちょっとアメリカみたいですね。実はアメリカではその交渉は保険会社がしますが、フィリピンでは個人の力にかかっています。
中国でのお産は外国人(日本人)と現地の人とではかなり医療の格差があります。ほぼそれは赤ちゃんの生死が決まるほどです。ここでは現地の人と同じ待遇で出産された日本人の方々からのお話を載せます。そのため、外国人待遇はまったく違うことを念頭にいれておいてください。
出産とは男の子誕生を意味する
中国では出産といえば主に男の子が生まれることを意味するほどです。そのため、男の子が生まれるようにたくさんのひまわりの種やすいかの種などの種ものを食べます。また餃子(男の子と出会う)とナツメ(早く生まれる)、ピーナッツ(子どもを順調に産み落とす)を妊娠中あるいは妊娠前に食べる習慣があります。
プライバシーがない
超音波を見ていても、次の人がいっしょに自分の赤ちゃんの映像を見ているような状況だそうです。順番を無視した患者は医者の机を取り囲むように待っているそうです。内診をしているところも丸見えとのこと。プライバシーは望めないとのこと。
産婦人科医はすべて女医さん、男性禁止
中国人医師で産婦人科医はすべて女医さんです。男子禁制が徹底しています。せっかく中国語のわかるご主人を付き添ってもらおうと思っても、陣痛室も分娩室も男性は立ち入り禁止となっています。ある病院では陣痛室にカメラが設置され、そこで画面越しに妻と電話で会話。理由を聞いたところ、あるとき感情的な中国人男性は妻の苦しむ姿をみかねて医師になぐりかかったことがあるからだそうです。中国人男性は妻思いであるのに、本当に残念です。
またある病院の分娩室はガラス張りで分娩の様子は丸見え。ご主人も日本から来たお母さんもすべてを見てたとのことですが、「見世物じゃない〜!」と本人。分娩台は床屋さんのように十数台ずらっと並んでいるところもあります。すごい光景!
帝王切開
帝王切開の場合はたいていたてに切るようです。また帝王切開の際は硬膜外麻酔であるにもかかわらず、両手を手術台にしばらることが習慣となっているようです。そして会陰切開においては縫合をしないケースが多く、ドクターの意見は、自然に治るからとのこと。
バハマはアメリカのフロリダのちょっと沖に位置します。首都はナッソー。観光では有名なところで、海がたいへんきれいです。アメリカに住む日本人も多くそこのリゾートを訪れています。しかし医療面ではまだまだ途上にあるバハマ。Yさんは現地の人と同じようにお産をし、その経験を話してくれました。
産婦人科医に見てもらえるのはラッキー
日本では助産婦なり産婦人科医などお産の専門家に見てもらうのが当たり前と受け止めがちですが、バハマでは産婦人科専門医に見てもらえる人は裕福な人のみ。一般の人は診療所で医療スタッフに見てもらいます。しかし初診から産後までいっさい無料。
検尿カップは共有
南国では細かいところに気遣わず、おおらかでいいと言いますが、検尿カップも回して使っているそうです。少ししか流れない水道水で使用した検尿カップを洗い、次の人のために置いておくそうです。さらに水が流れないトイレ、トイレのドアは閉まらない。最初からかなりのショックを受けたYさんでした。
シャワーはほぼ強制
産後のシャワーはほぼ強制的に浴びるように言われます。バハマでは頻繁にシャワーを浴びる習慣があるためといえます。ただし、バハマの女性は、髪の毛をきれいに丁寧に細かく編んでいますので、髪の毛を洗う習慣はなく、洗っても美容院でせいぜい2週間に1度しか洗いません。確かに一編み2ドルとなれば、そうしょっちゅう洗えるものではないかもしれませんね。
出生届は有料
バハマ人は未婚で何人もの男性の間で子どもを産む人が多くいて、事実婚もたいへん多いため、赤ちゃんの誕生によって出生届を出すときに初めて認知してもらって結婚することもあるので、その場合は出生届も有料となります。もちろんすでに結婚している場合は無料で登録できます。
ハンガリーは元共産国です。Kさんは日本人で最後の共産国での出産を、そしてFさんは崩壊後、私立病院でのよいお産を経験しました。
消毒された器具
共産党崩壊後は予算がなく、国立病院はまだまだ物資が足りない状況で、使い捨ての器具なども十分揃っていません。尿検査のための採尿する容器も煮沸消毒されたガラスコップを渡されたそうです。
個室はほとんどない
国立病院も私立病院でも個室はほとんどなく、現地の人のほとんどは4〜6人部屋を利用しています。しかし、日本人はせいぜい2人部屋に入っています。
やわらかい悪露用ナプキン
悪露用ナプキンとして支給されたものは、脱脂綿をガーゼで巻いた棒状のものだったそうです。これがやわらかくてFさんはすっかりお気に入りになったそうです。退院のときも紙袋にいっぱい詰めて持たせてくれたそうです。そういえば、日本でもナプキンがなかった頃は脱脂綿にガーゼを巻いていたのでは?
病院スタッフに心づけ
慣習で入院したときは助産婦に心づけをしています。金額においてもKさんは先輩産婦、お手伝いさん、先生にもいろいろと相談して金額を聞いておいたそうです。
「お世話になるナースや新生児室のナースには小額の心づけを毎日渡していたのですが、けっこうこれがたいへんでした。ナースは1日2〜3交代でくるくるかわるので、わたしそびれないように入院前にたくさんの封筒にいれたものを用意しておき、渡しました。検診の時も毎回1000円くらいの袖の下を渡してました。けれども中には受け取らない人もいました。」
今月は二人の女の子をサイパンの地で出産された I さんにインタビューをしました。
アメリカ国籍が得られるが・・・
サイパンはアメリカの領土といういことで現地で生まれるとアメリカ国籍が得られます。しかしそれを目的に渡航される人たちの入国を防ぐためにノンビザですと1ヶ月しか許可がでないそうです。また同じアメリカといえども、サイパンはまだまだ発展途上国です。分娩室で堂々と食事をしていたり、シーツには血の染みが落ちていなかったり、とにかくテキトウ〜〜がモットーの土地柄です。
病院は病院とはいえない
出産する病院は島にたった一つしかない Commonwealth Health Center というところで、そこは hospital という名前すらついていない、Health Center というところです。現地の人は保険にカバーされていないことや単に面倒、あるいは子沢山でもう5人目というようなこともあったりで病院への検診は初診と陣痛が始まってから訪れるという程度だそうです。
お産は自然
医療の介入はよほどの異常が見られない限り行われていません。それはかえって医療の介入によって問題が起こりうるからだそうです。そのため、無痛分娩もあまりポピュラーではありません。チャモロという現地の人たちは曙力士のような大きな図体なのですが、案外未熟児が多く生まれているようです。そのため、I さんがからだの割りに大きな赤ちゃんを産んだときは疑問に思われたようです。
子宮回復におなかをもむ
産後は子宮を収縮させるためにおなかを押すようにもむように勧められたそうです。そして1ヶ月検診では避妊の相談があったそうですが、コンドームをおみやげにどっさりとくれたそうです。
フランスでのお産はとても多く、パリの場合はほとんどの方がアメリカン・ホスピタルという私立の病院で出産していますが、これも保険でカバーされるので恵まれています。私自身も2000年にパリを訪れ、実際に現地の産婦人科医、助産婦などと話をし、医療施設も訪問しました。
妊婦もファッショナブル
さすがファッションの街、パリ。ここで見かけた妊婦さんは長いスカーフを腹帯のように洋服の上から下っ腹を持ち上げるように巻いていました。そのスカーフもすてきな色彩。センスがいいな、と思いました。
トキソプラズマ検査
フランスでは家の中も土足ですし、街には犬の糞がそこらちゅうにあるのでけっこうトキソプラズマに関しては神経質になっています。そのため、毎月のように血液検査をし、かかっていないかをチェックします。現地の人は80%がポジティブに出るそうです。そのため、妊娠中の生肉、羊肉、生野菜は避けるように注意されます。
無痛分娩が主流
フランスでのお産の特徴といったらやはり無痛分娩かもしれません。腰椎麻酔が多く、無痛を勧めるのはお産を長引かせない為、楽なお産をめざすため、また長いお産で起きる問題(裁判沙汰になる)を避ける為、そしてなによりも少子化を防ぐ為だそうです。つまりドクターがコントロールできるお産の方が確実で安心と言っていました。
産後の手伝い
たいていのフランス人は産後を夫婦二人で乗り越えますが、夫が休みをとったり、お手伝いさんを雇ったりして、なんらかのヘルプは得ています。また母親が来る場合でも、特に手伝うということでなく、ただ赤ちゃんを見に来ているという印象でした。親子もドライな関係なのでしょう。
助産婦さんに見守られるニュージーランドのお産。とても自然を重視した、無理のないやさしいお産が、ニュージーランドのお産です。しかもお産は無料。すべて保険でまかなわれるそうです。
助産婦さんにかかる
NZ では正常なお産であれば、助産婦が妊娠から出産、産後までみるのが一般的です。そのため、ドクターは異常が起きた時にしかお目見えしません。しかも、検診のたびに自宅まで助産婦が来てくれるのでとても助かります。
安産のための自然なもの
安産のために、次の薬草が勧められます。いい陣痛を起こさせるためのラズベリー・ティーあるいはラズベリー・リーフ。子宮の開きをよくする Evening Primrose Oil, そしてスムーズにお産を促す Prebirth Homeopanic とどれも自然なものだそうです。
胎盤はどうしますか?
原住民のマオリ族は、必ず胎盤を家に持ち帰り、土に埋め、その上に記念樹を植えるそうです。そのため、必ずこの質問は聞かれるそうです。
プランケットサービス
政府とボランティアで成り立つこのプランケットという団体は、産後の新生児訪問から両親学級、さらに生後数ヶ月しか使わない育児製品のレンタルなどを行っています。育児サークルなどもあり、全面的に子育て支援をする団体です。
ありきちさんはボスニア人と結婚し、その地で出産されました。詳しくはリンクのありきちさんのサイトへ。
カルテは自己管理
カルテは一枚の紙の裏表に書かれており、ここに産婦人科医が妊婦の記録を手書きで書き加え、最後に医師のスタンプが押されています。このカルテは各自持参するもので、個人で管理するとのことです。
医療費は免除?
麻酔をして手術をしても、麻酔の薬代しか請求されなかったというありきちさん。え?どうして?ここでは顔のつながりが大切なのです。知り合いなのに医療費など請求できないということ。そのため、そのような待遇を受けたときはお酒とお菓子でお礼をするそうです。なんか日本の昔の地方のような温かさがありますね。お産婆さんは大根やお米で報酬を受けていたことを思い出しました。
お産は女の花園
ちょっと日本と似ているかな?ボスニアでは産婦人科の待合室のご主人(男性)はなんとも落ち着かないそうです。それもそのはず、そこは完全なる女性の館。出産の立会いもご主人はオフリミットだそうです。
赤ちゃんにお金の出産祝い
赤ちゃんが生まれるとお祝いに町中の親戚、友人が赤ちゃんのお祝いに駆けつけるそうです。その際に赤ちゃんの枕の下に20マルク札をしのばせるそうです。そしてお祝いのときはつきものの豚肉でご馳走だそうです。どの地においても赤ちゃんの誕生はお祭りですね。
私がシンガポールで出産したのはなんともう12年前。そして先日、同じ地においてH.A. さんが男の子を出産されました。H.A. さんは一回目をタイで、二回目の双子ちゃんを日本でそして今回三回目をシンガポールで出産経験した4人の男の子のママです。ああ、将来が楽しみ!!
日本語サービスが充実
シンガポールの日本人学校は世界で一番生徒数が多いというほどのマンモス校。当然それだけ日本人が多いわけですからお産の面でも日本語での出産準備教室、母乳サポート、病院でのヘルプデスク、日本人の産婦人科医(女医さん)、育児相談室などサポートが充実しています。
赤ちゃんも早めに成熟?
赤道直下のシンガポールは常夏の国。植物の生育も早いけれども赤ちゃんの生育もちょっと早いようです。予定日より遅れるという例よりも予定日より1週間早かったというケースがものすごく多いように思えます。暑いので寝ていると汗びっしょりになりますから薄着で快適に。
病院での食事は国際色豊か
もともとシンガポールはさまざまな国の人たちから成るコズモポリタンな国です。そのため、それが病院の食事にも現れています。前日にメニューを見て、3食分を選ぶようになっているのですが、チャイニーズ、ウエスタン、マレー、インド、チャイニーズベジタリアン、インド風ベジタリアン、あと産後用の特別食(鶏肉やしょうがをたくさん用いた料理)が2種類ぐらいありチョイスの盛りだくさんなこと!H. A. さんは毎回違うものを頼んでみて、どれもおいしかったようです。1日に3回、お茶の時間があり、紅茶・コーヒー・ミロの中から選んぶのですが、この当たりはイギリスの影響ですね。
家事はメード任せ
この地において、彼女達助っ人を利用せずにはいられない。そうです。メードさんの存在はとても大きいです。彼女達は掃除、洗濯、ご飯作り、上の子どもの世話、アイロンかけ、トイレ掃除など引き受けてくれます。これでママは安心して赤ちゃんに専念できますよね。
辰巳 雅子さんとの出会いは「近視のため帝王切開を勧められたが、これは医学的根拠のあることなのか?」という質問からであった。世界のお産をかなり調査している私ですらそのようなことは聞いたことがなかったのでさっそく世界の産婦人科医に問い合わせて回答を求めた。まあ、そんなふうに彼女のベラルーシでの妊娠生活がスタートしたのだ。その後、切迫早産で入院を経験し、驚きの連続。無事生まれたのもベラルーシ人のご主人との愛情がここでのお産を可能にさせたのだと思わせる愛の物語を語ってくれました。(HPはリンク参照)
強度な近視の人は帝王切開?
結局いきむと眼圧に高くなるため失明する恐れがあるので帝王切開になるとのことのベラルーシのドクターの説明でした。しかし当然日本ではそのような理由で帝王切開が即決まるわけでもなく、さらに帝王切開に対してもTさんは全身麻酔を避けたかったため出産当日まではたいへん不安でした。
パパは退院後でないと赤ちゃんに会えない
アメリカでは夫立会いが当たり前。日本でも生まれたらすぐパパは赤ちゃんとご対面。そんな当たり前に思えることがベラルーシではバツ。結局パパが赤ちゃんに会えるのは退院当日。しかもママへの面会も窓越し。パパは外からママコールをし、差し入れは受付のおばさんを通し、双眼鏡を持って窓越しの赤ちゃんを遠くから見るそうです。
母子同室で母乳を奨励しています(写真:ベラルーシの部屋より)
子宮回復に氷枕
韓国では子宮回復のために温めるといいます。アジアの多くの国でも温めます。しかしベラルーシでは氷枕をおなかに直接あてて子宮の回復に努めるそうです。確かに日本を含める他の国でも冷やすところがあります。しかし氷枕はちょっと冷たそう。
すべて持参の入院生活
入院を二度も経験してしまった辰巳さん。スプーンもフォークも出ない、コップは持参。飲み水は持参。便座のないトイレ。それでもベラルーシの妊婦さんはおおらかで彼女達との出会いはベラルーシ人を垣間見るようでとても励まされたそうです。
アラブ首長国連邦のアブダビでのお産を今月はとりあげます。ここで出産された I さん、S さんにお話をうかがいました。
妊婦が薬漬け?
妊娠中は薬を飲むなと日本では言われていますが、そのような概念はふっとぶほどアブダビの医師はどんどん薬を出すとのこと。
「妊娠初期には、フォリックアシッド(葉酸)、ビタミンBコンプレックスと、食欲増進剤、もし、気持ちが悪くなった時のための吐き止めを処方されました。体重が減った訳でもなかったので、ビタミンBだけしか飲みませんでしたが…。その後、妊娠12週頃になると、フォリックアシッドの錠剤1錠と、貧血(anemia)気味だった私は、FEFOL Zというカプセル(鉄分や、その吸収を助けるというフォリックアシッドなどを含んだ薬)を、箱にあった用法の倍、2錠飲みなさいと処方されました。安定期に、日本に一時帰国した際、日本人医師に相談しましたが、2錠飲んでも問題なく、逆に、フォリック…とともに、きちんと飲み続けるよう勧められました」
妊婦服は現地普通サイズでOK
妊娠中の過ごし方についてお話を聞いたところ、デーツを勧められたそうです。これはプルーンと同じ効果があり、アラブ人はデーツをよく食べると安産につながると信じています。またオリーブもよいそうです。さらに散歩といっても外は暑く、歩けないので、もっぱらショッピングモールを歩いたそうです。しかし外を歩きたかったら日没前後は湿気が出る前で風もありちょっとさわやかなようです。砂漠は off limit だそうです。それは砂に足をとられるからとのこと。そしてマタニティーウェアですが、アラブ人はでっぷりしている人が多いので、彼らの普通サイズで日本人はちょうどよいそうです。
大人用紙おむつ?
いざ出産。破水、出血があると大人用の紙おむつを当てられるそうです。分娩監視装置をつけられ、グルコースの点滴も設置されるとのこと。まだペンが握れるうちに同意書のサインを求められます。生まれた赤ちゃんはミイラのようにぐるぐる巻きでママのもとへ。食事は基本的にはアラビック料理がでるそうです。このあたりもお国柄が出てますね。
産後は宅配で乗り切る
産後を夫婦二人で乗り切る人も多くいます。そんなときのアドバイスとして食品の下準備、冷凍食品の買いだめ、宅配オーダーの情報集め、ケータリングのメニュー集め、届けてくれるスーパーの利用などがあがりました。産後専門のヘルパー、通いのメードなども利用できるそうです。しかしお友達の「助けてあげるわよ」のひとことが何よりも心強かったそうです。
今月はイタリアで第一子を出産し、現在第二子を妊娠中の窪木さんとAさんにイタリアでのお産についてお話を聞きました。イタリアのお産はあまり体験者がいなくて結局あまり知られていません。しかしかなり医療も進んでおり安心してお産ができる国です。
カリウムを飲む
カリウムの錠剤を妊娠中に飲むという話はあまり聞いていなかったのでとても興味深いと思いました。「私の場合は、血液検査でカリウムが足りないとわかり、バナナやトマトを食べるように言われました。さらにカリウムの顆粒状のものを飲んでいました。」(窪木)
授乳のシステム
多くの病院で母乳は奨励されています。母乳は好き好きだから強制はしないそうです。新生児を預けっぱなしのある病院では授乳は昼間のみで、昼間は要求に応じて赤ちゃんが泣けば母親は自由に新生児の出入りをしています。ただし、夜は母親が休息をとれるようにとの配慮で授乳はしないそうです。しかしこの夜間の母乳がないことに疑問を持った病院もあり、このような病院では母子同室を取り入れ、母親に授乳を任せています。
お産は無料
イタリアもお産が無料と聞き、びっくりしました。仕事がなく、税金を納めていない人でさえ、お産は無料だそうです。ただし検査や薬代だけは自己負担となるそうです。
玄関にリボン
赤ちゃんが生まれると玄関のドアのところに男の子の場合はブルーのリボン、女の子の場合はピンクのリボンを飾り、赤ちゃんが生まれたことを周りの人にご披露するそうです。
皆さんはコートジボワールってどこだかわかりますか?西アフリカに位置する国でアビシャンという都市に日本人が多く住んでいます。しかし今回アンケートに答えてくださったTさんはそこからさらに奥地へ入ったところでの出産体験でした。
妊娠中にマラリアにかかる
アビシャンはそれほど心配することはないそうですが、奥地ではマラリアの予防薬を常時服用している状態だそうです。にもかかわらず、マラリアにかかってしまうこともあり、Tさんも例外ではありませんでした。
「
私は9週目頃にかかりました。子どもの重要な器官がある程度でき上がる10週以降飲み始めようと思った矢先の事でした。入院してキニーネを投薬されました。キニーネは胎児に影響はなしとされていますが、出産まで心配でした。妊婦のためのマラリア予防薬をきちんと飲む事と蚊に刺されないように気をつけること、万一罹ったら場合はすぐ、病院に行って速やかに治療を受ける事です。マラリヤにかかった場合高熱が続くので流産しやすいのだそうです。」割礼をされた!
「出産後子どものオムツに何度か血が付いていたため不審に思い、確かめた所、出産後すぐに割礼をしたと言われビックリしました。割礼に関して医師にしないで欲しいと話す予定でした。しかしあわてて出産を迎えたため、それを伝えるチャンスを見逃してしまい、助産婦が習慣的に施したようでした。
割礼は幸い先端部分だけですんだので消毒をオムツを替える度にしていました。それでもその部分は痛々しくて可哀相になりました。抗議しようにも助産婦の方は帰ったあとですし、私達も無事に出産を終えた喜びのほうが大きくて「まあ、いいか」とその時は済ませてしまいました。これはアフリカ的かもしれません。イスラム教のアフリカ人によると、4歳ごろになるとかなり根元まで引き上げて再度割礼するそうです。」
Tさん本当にびっくりしてしまいましたよね。まあ、海外では思わぬハプニングも起こります。それでも「ま、いっか」と受けとめ、過ぎてしまったことに執着せず前向きに進んでいった姿こそ海外出産のための大切な心構えのひとつですよね。
蚊帳(かや)を用意
マラリアが心配なコートジボワールではやはり赤ちゃんが蚊に刺されないことにも注意を払わなくてはいけないそうです。現地の育児製品でおもしろいと思ったものは、蚊を寄せ付けない防虫剤がほどこされた蚊やが売られていることでした。ちょうどベビーベッド全体をおおうようにかぶさるようです。
お産をきっかけに結婚
現地の習慣として驚いたのは出産をきっかけに結婚する人が結構いた事だったそうです。それも第1子ではなく3人くらい生んだあとに結婚を決意するそうです。事実婚が多い背景には、結婚費用がかさむことがあり、籍は入れずに内縁関係の夫婦として暮らしているそうです。
イギリスはゆりかごから墓場までというほど福祉制度がとても整っており、NHSを利用した制度のもと出産することもできますし、プライベート保険を利用して出産することもできます。今回はスリランカで妊娠し、一時帰国で日本に帰ってから予定日1ヶ月前にイギリス入りしたおっこさんとプライベートで出産されたKさんに登場していただきました。(おっこさんのHPはリンクをご覧下さい。)
お産がただ?
イギリスではNational Health Service という医療制度があり、所得に応じた保険料を払えばNHSの病院では治療もお産も保険でまかなわれるということになり、現金を払わなくてすみます。外国人の場合も1年以上の滞在であればこの制度を利用できます。しかも登録はいたって簡単で、家に近い General Practitioner を選び、そこで登録をし、特に滞在証明書類なども提出することなく登録されます。つまり登録が完了すればもうお産までは診察料も分娩費も入院費もただということになります。それにしてもおっこさん、この時が予定日8日前ですよ。助産婦さんもあわてて病院に予約を入れたそうです。
自然なお産
基本的には助産婦さんがお産の介助をします。ドクターは待機して何か異常が起きたら登場します。おっこさんの病院では浣腸もなく、会陰切開も少ないそうです。夫立会いは当たり前で聞くこともしなかったそうです。麻酔の使用は希望を出せば好きなものを選べます。
「はずかしい足のせ台がなかったので、私はミッドワイフと研修医のお腹を押すような感じで足を上げてふんばり開始。腹の底から搾り出すような感じで「フ〜ム〜ン〜」ってな感じでしたね。ミッドワイフはず〜っと、Good Girl! Long push !をしきりに繰り返してました。しまいには、夫にもうこれ以上は無理、出来ないって言って、通訳してくれましたが、自分で言えるはずのものが余裕なくまったく言えませんでした。」
さすがイギリス、ティータイムが7回も
朝一番にティー、朝食に、10時に、ランチに、3時に、夕食に、寝る前の9時になんと7回もティーがサーブされます。母乳を出すためにも水分は必要ですし、すべてミルクティーだったそうです。またお客さんがきてもティーはオーダーできますので来客と一緒にビスケットをつまむとKさんのおなかのなかぽっちゃぽちゃ。
新生児室がない
より家庭的な雰囲気の中でお産を迎えようとする方にはプライベートの病院というチョイスがあります。Kさんが選んだその病院は新生児室もなく、生まれた赤ちゃんはママとパパがいっしょに寝られる大きなキングサイズベッドといっしょに寝るのです。新生児と川の字といったところでしょうか。ちょっと落ち付かないかな?赤ちゃんの検査もそのベッドの上で行なわれたそうです。
なんの変哲のない病院のキングサイズベッドに川の字
ペルーで出産される日本人はほとんどいないという中でHさんとの出会いはとても基調だと感じました。いったいどんなにたいへんだったのだろうと想像してお話を聞きにいったのですが、案外、意外、アメリカ並みのとても満足するお産を迎えられました。
ドクターはアメリカで教育
ペルーはスペイン語ですが、日本人はどうしても日本語か英語を話すドクターにかかっています。そして英語を話すドクターのほとんどがアメリカで教育を受けているそうです。そのため、お産に関してもアメリカの影響からお産の希望もほとんど通るとのことでした。ちなみに日本語を話すドクターとはペルーでは日本人の移民が昔来たことから、これらの日本語を話すドクターは親からことばを学んでいますので、それほど流暢ではないそうです。そのため、日本語がわかるというドクターよりは英語がわかるドクターを選んだほうが通じるとのことでした。
胎盤と塩
お産の後、胎盤が出てきますが、この胎盤がなかなかでてこない時にペルーではちょっとしたおまじないがあります。それは産婦の舌に塩をのせることです。このようにすることによって胎盤がでやすくなるとのことです。いったいどのような因果関係があるのかは定かではありませんが。
コロンビア人のおにぎり
残念なことに病院で出されたペルー料理はまずかったそうです。そして見よう見真似でHさんの友人であるコロンビア人が作ってきてくれたおにぎりがとてもおいしかったそうです。日本人が周りにいないような場合、同じ外国人同士で助け合うのも海外でのお産の特徴ですね。
生地主義
南アメリカのかなり多くの国が生地主義をとっているように、ペルーも例外ではありません。Hさんのお子さんも最初は迷ったとのことでしたが、思い切ってペルー国籍をお子さんに与えたようです。
シンガポールでもここニューヨークでも周りには海外で出産された方がいっぱいいます。そして I さんとの出会いもニューヨークでした。エジプトで三人目のお子さんを出産されました。上にはふたりお兄ちゃん達がいて、しかも彼女は妊娠34週でエジプトの新生活をスタートしたのです。エジプトでの日本人の出産例は平均して年間2人とのことですから、とても貴重な経験をされたわけです。
体重制限なし
エジプト人女性は太っていることが豊かさと幸せを現します。つまり太っていることは夫がきちんと稼いで、食べさせていることを象徴しています。そのため、太っていることがよいこととされています。それでもそれは一般階級であり、知的レベルの高い人はそれほど太っていません。むしろきちんとダイエットをしています。
そのような背景から体重制限などはほとんどありません。彼女達はガラベーヤというだぼ〜〜としたワンピースのような長い服を着ているので、外からぱっと見たくらいでは妊娠しているのかどうかがわからないそうです。
新生児の検査
日本では新生児が入院中に先天性代謝異常の検査などが行なわれます。そうです、あの血液を足の裏からちょっととるものです。しかしエジプトでは一般的にルーチーンでは行なわれていません。そのため、I さんは小児科医にお願いしました。しかしドクターが行なうのでなく、検査機関に出向くように言われました。
「日本でしたら足のかかとからちょっと血をとるだけですよね。それが、こちらでは何度も足のところにぶすぶすと穴を刺して、血をとるんです。そして娘はぎゃーぎゃー泣くし、これじゃ、返ってしなかったほうがよかったかなって後悔しました。」
普通と違うことをお願いすると、時には慣れていないということでとんだ目に遭う事も海外ではあるんですよね。
食事が同じ
入院はたいてい1泊くらいで、帝王切開でも2泊と言いますので、結局病院での食事などは1度くらいしか皆さん食べないのです。しかしI さんの場合は2泊したため、なんと食事は毎日同じものが3回出たそうです。エジプトでは産後にチキンを食べて回復に向う為、チキン料理のワンパターンだったそうです。産後は40日間が回復期間とされ、その間またチキン。一日1羽というほどです。
スブー
産後の儀式としてスブーという生後7日目に赤ちゃんの誕生を祝う儀式があります。バスケットに入れられた赤ちゃんの周りで金の音を立てながら、親のいうことをよく効く子になるように祈ります。塩をまいて、一生分の厄を払うそうです。また赤ちゃんの名前と生年月日を書いた紙とトラジェというお菓子を配り、ちょっとしたおみやげも訪問者に渡します。
日本では保健婦さんがみんな別々なことをいうのでかえって困惑するといいますが、赤ちゃんそれぞれが違うのですからその対応の仕方も違って当たり前ですよね。それをEさんはベルギーで特に感じたと言います。「看護婦さんは、みんな自分なりの赤ちゃんのお世話方法を教えてくれるのでやり方はバラバラ。でも、おかげで「自分と赤ちゃんのコミュケーションが一番よく取れるのなら、決まったやり方なんてナイんだな」と分かりました。」ベルギーでのお産はこのように妊婦さんそれぞれの個性を尊重するのが特徴かなと思いました。
腹帯はしないでください
インタビューに答えて頂いたSさんいわく、「日本で二人こどもを産んでいますが、ベルギーでは出産に対する考え方日本の逆でした。」そのひとつが腹帯をしないようにという指導でした。その理由はなるべく自然に近い形で出産を乗り越える為には腹筋を鍛えなくてはならず、腹帯はそれをさまたげるというのです。ベルギーでは腹帯をしているとおなかの筋肉が弱ってしまって、出産の時に力が入らなくなってしまうそうです。
ギネジストの存在
ギネジストという聞き慣れない人がベルギーのお産では深くかかわっています。ギネジストとはお産にかかわるからだの調子を整える人とでもいいましょうか。お産の呼吸法やお産に伴う自然な不快感を和らいでくれるマッサージ師のような存在です。しかもその人を依頼するのにも保険でまかなわれるというのですから、腰痛などで何か月も悩んでいる人にとっては朗報ですよね。
「ギネジストに通うことが出産準備教室のようなもので、出産前の10回、また産後は10回(10回を超えると自己負担になるそうです。)会うことができます。妊娠、出産のメカニズムの説明があったり、分娩の時の呼吸練習もしました。1対1なので、なんでも質問できて、とても心強い存在でした。出産の時も立ち会ってくれました。私は腰痛に悩んでいたので、産後は20回も利用しました。」 Sさん
妊娠中は旧姓に戻る
シンガポールでも同じだったのですが、妊娠、出産の課程で、妊婦は旧姓に戻ります。つまり妊娠、出産にまつわるすべてのデータやカルテは旧姓で登録されます。おそらくこれは本当に母親だけが子どもとの真のつながりを持つという意味なのでしょうか。パパの存在はここでは薄い?
アプトノミー法
お産の希望は出せます。以前はもう妊娠初期に無痛分娩を勧めていたそうですが、いまではだいぶ自然分娩を勧めるようになりました。そのため、アプトノミー法なども登場しました。これは妊娠中、おなかに手をあて、手のぬくもりで、おなかの赤ちゃんが反応し、上下、左右に動くため、この赤ちゃんの自発的移動を利用して出産時、赤ちゃんが自分で産道を抜け出るように助けてやるというのがこの方法の主旨だそうです。
今月はブラジルで出産されたAさん (リンクにURLがあります。) とHさんのお話を載せます。彼女達は二人とも帝王切開での出産でした。以前からブラジルとというと帝王切開と聞いていましたが、本当に帝王切開出産が多いことを感じます。保険によってケアの大きな差
ブラジルではプライベート保険と国保険があります。この差はケアの差でもあります。そのため日本人はプライベート保険に入っていることが多いので、その旨伝えないと、とんだ目にあってしまいます。プライベートですと個室で花柄の壁紙というような部屋をあてがれますが、国保険ですと、地下室の大部屋でそこにはベッドが端から端までずらりと並んでいるようなところに入れられるそうです。この差って大きいですよね。
「安全と快適さはお金を払って確保するもの」とHさんは話していました。
データはすべて患者持ち
とにかく納得の行くドクターにめぐりあうことが大切だと話していました。もし帝王切開を避けたいのであれば、その避けたい理由を理解し、サポートしてくれるドクターを探すことだそうです。実際Hさんは3回ドクターを変えたそうです。それでも検査データなどはすべて患者が保持しているので、それをもって新しいドクターを訪れればよいそうです。ドクターはどちらかというと患者がほしいという立場でビジネスライクなので、ドクターをshopping していることなどは聞かないそうです。
塩分を十分取るように指導
日本では極力塩分を控えめにという指導を受けますが、ブラジルは乾燥していますので水分を十分に取るように言われ、血圧が下がるとそれを上げるために塩分を十分に取るようにとHさんは指導を受けました。さらにおもしろいことにその塩分はオリーブの実から取るようにといいます。いかにもブラジルですね。
「妊娠したのと夏が始まるのと同じだったので、上が90下が40という低血圧の私は、塩分を摂るよう、また水分を一日2、3リットル取るよう言われた。日本で言われている事の正反対だったので、妊娠中毒症になるんじゃないかと心配しました。」
ブラジルの帝王切開って?
ブラジル全体でも6、7割とか病院だと95% 帝王切開とかいうデータがあります。まあ、お金のある人はごく自然に行なっていることのようです。しかも手術室に夫も立ち会えるというのですから、手術室は医療関係者以外立ち入り禁止というほとんどの国とたいぶ事情が異なります。手術後 A さんが戻った部屋といっても倉庫のような電気もついていないコンクリート打ちっぱなしのような広い部屋だったそうです。そこにどんどんと赤ちゃんを産み終えた産婦さん達が次々と運び込まれてきたそうなのですが、ブラジル人のこと、ベッドの上で大きないびきをゴーゴーとかいて寝てる人、屁をこいている人、そして血まみれな手術服をそのまま着て横たわっている人などかなりショッキングな光景だったようです。ポルトガル語が話せないAさんは他の人達がどんどん病室に返される中、何時間たっても麻酔が切れず、病室への移動もできず、心細くじっと待っていたそうです。「夫を呼んでください。」ということすらも言えなかったと伝えていました。それにしても10時間後に自力でシャワーもあびるのですから、そして食事も肉つきのフルコースが出るそうです。元気の源は食にありかな?そして3日後には退院。すごいチャレンジでしたね。
日本でもまだまだ家庭分娩(home birth)は1%程度だといいます。ではアメリカはもっと高いのかと言うと無痛分娩が一般的なアメリカでは低いです。そのような状況の元、日本人もアメリカにおいて家庭分娩にチャレンジし、そのよさを伝えてきています。あまり知られていないので今月はアメリカでの家庭分娩をいくつかの体験談をまとめてお伝えします。
家庭での検診
検診の間隔はだいたい病院で産む予定の方と変わりませんが、大きく違う点は、産前、産後も助産婦さんが2人一組になって妊婦の家まで検診にで向いてくれるという点です。
「30分から1時間ほど、体調や心理状態を見てくれて、尿検査、心音を調べる等をしました。毎回超音波をしていた日本の病院では映像を見るのが楽しみだったのですが、ここの助産婦さんたちは、おなかに話しかけながら、赤ちゃんの様子を触診で調べるんですね。毎回、助産婦さんのうち一人がおなかを触った後、もう一人が触るときには、「不愉快ではないか、触ってもいいか」と許可を求めてくれる、すごい心遣いでした。毎週、友達の訪問のように楽しみでした。わざわざ病院に出向いて待たされて、というのがないのも大変らくちんでした。」
「産後は1週間は毎日、そのあとは週1回6週間まで、助産婦さんが訪問してくれました。病院で産んでも2日で退院させられるのでそれならはじめからうちでもおなじか、と、あまり深く考えませんでした。」
万が一の体制は?
おそらく家庭分娩に踏み込めない多くの方々の疑問は万が一異常事態が発生した場合にどのような対処が施されているのかということだと思います。しかし病院との連携はきちんと行なわれていて、万が一の時はすぐ病院へ搬送されます。しかしできる限りのことは助産婦さんが対応しようとしますので、酸素吸入ボンベを始めとする医療機器を運んできます。日本の助産婦さんよりも医療行為が行なえる範囲が広いのも特徴です。しかしすべての州で助産婦による家庭分娩が許可されているわけではありません。
より自然なお産
「陣痛が始まると、自室の窓に布をかけて、部屋を薄暗くしました。枕をいっぱい用意して、しがみついていきみを逃していました。10分間隔になる前だと思いますが、シャワーを浴びておきました。間隔が5分くらいになった頃、友達がお花を持ってきてくれて、彼女達も立ち会うつもりで集まってくれました。初めはベッドの上で枕を山のようにいっぱい抱えていたのですが、途中からトイレに移動。便器に座ると楽だよ、ときいたので。どちらでも、狭くて暗いところを異様に求めていたように思います。「巣」が欲しかったんだと思います。「自分が動物のように感じる」と陣痛の合間にみんなに言ったことをはっきり思い出します。いつからいきんでいいのかわからなくて、助産婦さんにきくと、あなたがいいと思ったらいいのよ、ということで、もう若さと体力に任せて?がんがんいきんでしまいました。しばらくして、あれ、軽くなったぞ、っとちょっと足を持ち上げて便器をのぞくような格好をすると、赤ちゃんの頭! 頭が見えたので、とりあえず床に下りると、するする足も出てきて、あっという間。へその緒が絡んでいないか調べる余裕もなかったようです。へその緒はすぐに切られて、ブランケットに赤ちゃん包んですぐに抱かせてもらいました。胎盤を出すのに効果があるから、とおっぱいも、すぐに。あかちゃんがこんなにちっちゃいなんて、かわいい!と、感激。」
費用の面は?
アメリカでの医療費はたいへん高額であるということで有名ですが、家庭分娩の場合は医師を介していないので、比較的安く済みます。私の友人助産婦は16万円とのことでした。しかし保険が適用しない(保険ですと全額カバーする場合もあります。)ので、費用面での判断はむずかしいところです。
ロシアでお産を経験した富永さんからメールが入った時は、「おっ!とうとうロシアで」と思ったほど、彼女が最初でした。それだけ貴重な経験、やはりホームページを立ち上げていらっしゃいました。ロシアでのお産はとてもチャレンジングだという印象を受けました。驚きもありながらも満足のお産だったそうです。
帰国すべきか?
おそらくほとんどの人は帰国して出産しています。やはり外国人にとってはまだまだロシアでのお産は衛生面でも不安を隠せません。しかしことばがある程度できること、滞在して長いこと、帰国するための条件が揃っていないこと、よい助産婦さんとの出会いがあること、初産で日本との比較ができないこと、細かい不満を不満として溜め込まない性格などがロシアでの出産を決定すると思いました。
家庭的な出産病棟?
病院によっては家庭的な出産病棟という病棟が設けられています。これはひとことでいいますと、なるべく家にいるのと同じような環境で回復できるようにというのが目的です。そのためそこの病棟は全室個室です。しかも家庭と同じような条件ということで、ご主人がいっしょに泊まれるように簡易ベッドが備え付けられています。他にもトイレやシャワーなど家のような快適さを追及しています。
24時間母子同室
赤ちゃんは1秒たりとも親のもとを離れないシステムがとられていたそうです。そのため、出産してすぐもう赤ちゃんの世話が待っていたそうです。とうていからだが動かないということで、付き添い人は不可欠になります。病院にとっては好都合かな?
契約条件
入院に関しての契約条件というものがあります。その中にはトイレットペーパーがあること。輸入された石鹸が備え付けられていることなど、ちょっと日本では想像できないような内容が条件として契約されています。悪露用パッドのかわりにボロ布を折りたたんだものを渡されたりと細かい不満はいくらでもあげられるようです。
グアムは日本から4時間、しかもそこはアメリカ。それなのに案外グアムでお産をした人はとてもめずらし〜〜〜い分野に入るのです。そうです。まだあまりいないのです。それだけに貴重なお話でした。
万事がのんびり
お国柄とはよくいったもので、本当にお産もシステムもその国の特徴が表れる所です。病院でも予約があっても1、2時間待たされるのは当たり前。カルテも準備されていなかったり、毎回同じことを聞かれたり。ちょっと不安になってしまいますね。
「こういうことって、思った通り口にしてしまっていいことなのでしょうか。例えば、カルテの件などにしても“前回こうだったから、今回は用意しておいて欲しい”とか、伝えないでずっとこの調子なのは嫌だし、言って印象を悪くしてしまうのも嫌だし、と悩んでしまいます。でも、こうやって悩んだり、不便な思いをしたりしながら成長するんだ!って思いながらがんばりました。」
台風がきたら最悪
台風の季節に当ると昔は停電、断水などでたいへんでした。そのため妊婦さんでお産が近い人は病院へ待機したそうです。もちろん病院は自家発電ですし水の供給もありますので大丈夫です。しかし病院が、つまりお産ができる病院はひとつくらいしかないので、そこはいつも台風の季節、いっぱいになるそうです。
「私も、台風の多い十月に出産予定でしたが、気を取られることが他にいっぱいありすぎて、台風のことなどまったく気にもせずにいました。その結果、大型の台風がやってきて、雨の降り出しと共に陣痛が強くなり、台風警報1で入院。その上、いざ分娩台でいきもうとした時、停電になり、自家発電の中、台風の気圧変化に助けられてのあっと言う間の出産でした。」
病院はひとつしかない
グアムは小さな島です。出産設備があるところはグアム メモリアル ホスピタル(グアム政府管轄)と言う大きな病院だけです。しかし定期検診に通う病院は別にあります。セブンスデイ クリニックと言う総合病院でここは日本人の間でも人気があるようです。しかしひとつしかないため、いつも混んでいるのが問題だそうです。
チャイルドシートがないと退院できない
退院するときに忘れてはならないのがチャイルドシートです。これがないと絶対に退院許可が下りません。アメリカ全土同じ決まりです。国籍目的でいらしゃる方は特に現地でこのチャイルドシートをめぐって島内を走りまわる羽目にならないように準備をして置きましょう。それだけアメリカはこどもの命を大切に思っているのです。生まれたばかりの命です。本当に守ってあげてください。
コロンビアっていう国がどこにあるか、皆さんはわかりますか?あまり日本とは馴染みのない国だと思います。しかしここでも日本人がお産をしています。今月は現地で出産した渡辺康江さんに登場していただきました。彼女の経験した南米ならではの帝王切開の実体を伝えてもらいます。私が何よりも感動したのは渡辺さんのプラス思考でした。このような前向きなポジティブさこそ海外でのお産の満足度に通じるのだと実感しました。
帝王切開を勧められる
日本では帝王切開は緊急自体の場合のみに対処される分娩法ですが、コロンビアでは他のお産の希望同様に医師が帝王切開を勧めるとのことです。つまり彼らは帝王切開のエキスパートとでもいうのでしょうか、自然分娩を押し切って、医師が慣れていない分娩法で戸惑うよりはむしろ慣れていて自信のある帝王切開を勧めるということなのでしょうか?またはお金のある裕福な人には痛みのない進んだ医療である分娩法を勧めるのでしょうか?
「産む時、けっこう早い時期から、帝王切開にしますね。と主治医にいとも簡単にいわれてしまいました。私は普通分娩を希望していたので、はっきりと NO!と言いました。
でも予定日を1日過ぎたら、帝王ね、と言われ、日本では、予定日を少し遅れても、普通ですと伝えたのですが、帝王切開の権威なので、何かあったら技術は一流だから、それも仕方ないと腹をくくっていました。帝王の理由は、胎盤が小さいからだとか...。確かに赤ちゃんも小さいですね、と言われていたので、納得してしまいましたが。でもある程度の収入がある家庭では、帝王が当たり前のようです。近所の奥さんが、私いついつの何時に産みに行ってくるのよ、なんて言っていましたから。
結局帝王になってしまったのですから、(1人目は普通分娩)これも2つ経験できて、私には本当に今となっていい体験でした。
今回日本に帰って、妹も帝王だったので、傷口を見せ合ったら、私のほうがきれいでしつれいですが陰毛に隠れているので目立ちません。さすが見た目が大事なお国柄が出ていると思います。妹のはひどかった。かわいそうなくらいに。」
すぐにシャワー
日本では帝王切開の場合、少なくとも病院に2週間は入院します。さらに流動食から始まり、お産のあとうぐ起き上がることも、ましてやシャワーが翌日に許されるなんてとんでもないという世界です。しかしコロンビアでは寝たままではいけないといってすぐに起き上がるように勧めるようです。さらにシャワーも次の日にどうぞとのことだそうです。
食事は差し入れ
病院は食事で選ぼうなんてどこかの日本の産院が誇張していましたが、コロンビアでは食事のあまりの質素さに渡辺さんもまいったようでした。個室だからもう少しまともな食事が出るのかと思いきや、朝食はジュースとパンのみ。昼食、夕食はごはんにそぼろ、それにスープがつくという簡素なもの。おなかがすいてたまらなかったそうです。
退院は3日目に
コロンビアでは帝王切開でもわずか3日目にして退院を余儀なくされるとのことです。ああ、まだ歩けないのにましてや赤ちゃんの世話と上の子どもの世話ととなるとたまったものではありません。当然産後の手伝いを必要とします。幸い、システムはできているものです。現地ではメードを雇えますので、家事はいっさいメードに頼んだそうです。またコロンビアのご主人はとても育児に協力的です。赤ちゃんが夜中に泣いてもいっしょに起きてくれるそうです。それでも日本との差11日はやっぱり大きいな。
タイのバンコク。ここはどう考えても先進国とは言えないと思われるでしょう。そんなところでのお産なんてものすごく衛生面で心配とお考えになるでしょう。ところがどっこい。日本人駐在員のほとんどがとても快適な、欧米に劣らぬ満足のいくお産をしています。インタビューはタイで2人のお子さんを出産されたMさんにお伺いしました。お昼寝から起きたばかりのりょう君、おしゃべり上手なマホチャン、ママのおひざにしっかり抱かれて、安心そうだったね。
日本人サービスがばっちし
日本人のお産もとても多いというバンコク。日本人がお産をする病院もだいたいサミティベート病院かバムルンラート病院の2つくらいでそこには日本人患者の為のサービスが整えられています。日本人デスクへいけば、困ったことはなんでも応じてもらえるようすです。通訳もいますし、入院中の食事で和食の出前もオーダーできるとのこと。えっ!タイのバンコクの病院に入院していながら親子丼が病室で食べられるとはなんとも不思議な雰囲気ですよね。ドクターとは英語かタイ語ということですが、ナースや他の医療スタッフと話すときはどうしてもタイ語だけという環境でもあるので、ことばの面でここまでのサポートがあればかなり安心ですね。
欧米並みの設備
日本ではなかなか経験できないお産がバンコクでは可能です。日本では夫立会いが病院によって限られていますが、これらの病院ではどうぞ、どうぞとのこと。さらにビデオ、カメラ、どんどん撮ってくださいとのこと。また陣痛室から回復までをひとつの部屋で行なわれるLDRも整っています。座産を希望すればそのような椅子もあります。アクティブバースを支える為にMさんは床にマットを引いて夫にもたれかかってお産をしたそうです。とにかく歩きまわる、動き回るで陣痛を乗り越え、一度も横になっていないかったと話していました。お産を迎える部屋にはバスタブもあり、子宮口が6cmくらいになるとそこのお湯に浸かって陣痛の一番つらい時期を乗り越えることができます。なかにはバスタブの中で赤ちゃんを産む日本人もいるそうです。
夫は病院から出勤
日本人はほとんどが個室を選びます。ここにはシャワー、トイレ、電話はもちろんのこと、冷蔵庫、バルコニーまでついています。そしてベッドになるソファもあり、ご主人はそこに妻といっしょに泊まることもできます。そのためご主人が妻が入院中の数日間、病院から会社へ通うこともあるそうです。これだけスタートから家族で赤ちゃんにかかわれるのはタイならではですね。
生後2日目に予防接種
バンコクでは生後わずか2日目でBCGの予防接種が行われます。日本のようにスタンプ式ではなく、おしりにぶすっといきます。またB型肝炎も入院中に、これはももへぶすっといきます。まだ筋肉もついていないももに、わ〜〜〜こわいという感じですが、病院の外に出ればばい菌がうじゃうじゃの世界ですから、まだ感染率の非常に低い世に出て数時間以内に予防してしまおうという対策です。
パナマはパナマ運河で名が知られているところですが、ご存知ですか?今月は現地で第二子を出産されたYさんにインタビューをしました。彼女のたいへんだった話しを聞き、ときどき涙ぐむ姿を前に、母は海外で強くなるとつくづく感じました。いつもふたこと目には「本当に強くなりますよね。」とその当時を振りかえる彼女に本当に「ごくろうさん、よくやりましたね。」と抱きしめてあげたい気持ちでいっぱいでインタビューをあとにしました。1998年誕生
何がたいへんって生活!
出産もさることながら、私が印象に残ったのはやはり新生児との生活でした。パナマは暑い国です。年間を通じて35度くらいです。そのようなところで赤ちゃんはあせもにならないため一日に2、3回はお風呂に入れるそうです。
「とにかく、どうやってこのぐにゃぐにゃの赤ちゃんをお風呂に入れたらいいのか分からなかったんです。汗はすごくかきますからどうしてもお風呂には入れないといけません。買ったベビーバスは台所のシンクにはまらない。バスタブは大きすぎる。そこでシャワー室の床にベビーバスをおいてそこでお風呂。そして水道の蛇口をひねればなんと緑色のこけの入ったような水!こんな水で新生児を入浴できない!かといって1日3回ともミネラルウォーターではさいふに火が出る。そんなわけでシャワーにして上がり湯にミネラルウォーターを使いました。しかしもっと困ったことは度重なる停電でした。停電なんてしょっちゅうなんです。そして選挙のときなどは特に増える暴動。赤ちゃんのなにかがないといっても、外出できないんです。だから食料も赤ちゃんのものもかなりストックしておかなくてはなりませんでした。」
病院での食事
病院で出される食事は西洋食かパナマ食かの選択です。西洋食は出産翌日からもうステーキが出るくらいだそうですが、パナマ料理は豆料理が中心で、産後の食べ物として特徴的なものは毎食ミルク粥だそうです。Yさんはこれだけは食べられなかったそうです。しかし病院食といえでもとても家庭的な味、家庭料理だったそうです。しかし彼女が今でもなつかしむのがお産のあと、日本人の友人が差し入れとして持ってきてくれたお赤飯の味だったそうです。海外ではこのようなちょっとした心遣いが何よりも温かいのですよね。
廊下に花、ドアにはリボン
出産をするとお祝いにたくさんのお花が届きます。夜、お花は病室にはよくないということで廊下に出しています。しかしここパナマでは日中でもお部屋からあふれ出たお花が廊下をかざっていました。さらに風船やら、置物の飾り物まで廊下にあふれていました。おもしろかったのは病室のドアを大きなリボンでかざったり、ドア自身にデコレーションをほどこしていることでした。
ミドルネームがつく
パナマでもこどもにミドルネームを与えることができます。しかもパナマ人の名前の付け方はちょっとやそっとのものではありません。代々の名字を長々と入れて、ルーツがわかるようにします。それを見習ってでしょうか、Yさんのご主人もその場でミドルネームを考え付かなくてはならなくて、奥様と相談する間もなく、「じゃ、こちらのやり方で、妻の旧姓を!」と奥様の旧姓を赤ちゃんのミドルネームにつけたそうです。彼女いわく、「ねえ、アズサ、ウチダ、イワサキ なんてあまりかっこよくないですよね。」と嘆いていました。海外で出産される方、ミドルネームをつける国はかなりありますので、赤ちゃんが生まれる前に滞在国の思い出となるような名前を用意しておきましょう。
7月には母子衛生研究会の依頼で韓国へ母子保健事情について視察にまいりました。プサン、ソウルと訪れ、現地の分娩施設、インターナショナル・クリニックなどを視察し、産婦人科医、助産婦、看護婦、小児科医とヒアリングを行いました。さらにプサンでは現地で生活する日本人の方々からも出産体験談をお聞きすることができました。何よりもの収穫は韓国人から直接お話を聞く事ができたことでした。
生まれた日は運命を決める
もっとも驚いた点は赤ちゃんの生まれる日を占い師によって決めてもらうとことでした。それゆえに帝王切開を選ぶと言うことでした。日本では正当な理由がないかぎり、帝王切開は許可されません。しかし韓国ではそのような理由が無くても帝王切開が行えるという事でした。そのため帝王切開率がなんと45%にものぼるのです。この産まれる日は両親の生年月日を掛け合せて決めるようですが、いやなんというか、これもところ変わればなのでしょうか。
「韓国人は産まれた日をとても大切にします。運命を決めると言うくらい重みがあるのです。そのため計画分娩の帝王切開は受け入れられています。」 (K さん)
夫立会いは一般的でない
韓国ではまだ夫立会いは一般的ではありません。その理由は現地の病院を訪れてみて初めて理解できました。病院で診察の順番を待つ妊婦さんに夫立会いについてどう思うかをインタビューしました。
「病院によってはラマーズ法を夫婦で講習を受けた人のみに夫立会いを許可している所もあります。けれどもこの病院ではできないとのことでした。もちろん、私も夫に陣痛で苦しんでいる時も、そばにいて手を握っていてほしいと思います。また赤ちゃんが産まれる時もいっしょにいてほしいと思います。そういう気持ちはありますけれども、ここではできません。」 (F さん)
ある病院では大部屋に7人くらいはいたでしょうか。ベッドとベッドの間も仕切りのカーテンはあるものの顔の部分しか引いていませんでした。もう陣痛室に入ったらそこは女の世界という印象を受けました。このような環境でご主人が付き添うのは実質的に無理だと判断しました。そのため、夫立会いが可能な環境はスペース的にゆとりがあるか、あるいは個室の場合に限りの贅沢、幸せものなのかもしれません。
産後はオンドルで
これこそ韓国の特徴だと言うものを発見して大喜びでした。それは病院の一室にあるオンドル部屋でした。韓国では冬にオンドルという暖房設備を用いています。現在は床暖房に変わりましたが、昔は床下に温かい煙を流して家を底から温めました。病院のオンドル部屋は和風建築で石の上には竹で編んだござが引かれ、また竹で編んだ10センチほどの固い枕に頭を乗せて産後のからだを温めていました。なんとそこに寝ている産婦さんは携帯でおしゃべり中でした。おもしろい!
赤ちゃんに金を送る
赤ちゃんに金製品を送る国はけっこうあります。韓国も同じでした。1年目の赤ちゃんのお祝いの日には親戚中の人が赤ちゃんに金の指輪を贈ります。この指輪がかわいい3.75Kの小さな指輪なのです。これを指一杯にはめて写真をぱちり。親はこれを現金に変えて子どもの将来のために貯金したり、いつでも困った時に現金に変えられるように大切にとっておきます。
オランダはとにかく助産婦さんによる自宅分娩がさかんということで大変興味がありました。今回は特別に現地にいって直接現地で自宅出産を経験された方からお話を聞くことができたのは幸いでした。
本当に自宅で出産してるの?
まず本当に自宅で出産しているのか、また病院で出産してもすぐ帰されるのか?ちょっとこの表現は妥当でないかもしれませんが、とても知りたい所でした。実際、30%ほどのお産が自宅で行われていると言うことでした。それが可能なのもとても自然な分娩をサポートしてくれる助産婦さんが見方につくこと、そして産褥ケアが徹底していることと思いました。病院で受けるような産後のケアを助産婦さんがそれぞれの家庭を直接訪問しながらチェックしてくれ、さらに相談にのってくれます。
つまり簡単に言えば、健康であれば十分に慣れた環境である自宅で出産できると言うことです。きっと赤ちゃんはいつも慣れている音に囲まれ、聞きなれている声に囲まれ、自然と家の匂いというものも受け入れて行くのでしょう。
助産士がお産を最初から最後までみる
オランダではまず妊娠したかと思ったらいつも通いなれているホームドクターへいきます。その後本当に妊娠が確定したら、ドクターは助産婦グループを紹介します。助産婦グループというのは開業している助産婦が何人かでローテーションを組んでグループで診療を行っているからです。担当の助産婦をあてがわれ、あるいは自分自身で選び、その人が妊娠中から産後までを見てくれます。ただし、万が一彼女があるいは彼がお産に立ち会えなくてもグループの誰かが介助します。そのためにも予定日が近づくとすべてのグループ助産婦に検診をしてもらいます。
なぜ助産士?それは助産士さんたちは正常なお産に関してはプロだから任せられるのです。さらにもし異常があっても、彼らはいち早くそれを察知する訓練を受けていますので、なにかあったら異常妊娠、あるいは異常分娩を扱うドクターに引き渡すことが出きるのです。ドクターとの連携プレーもよくなされているそうです。
そうです。オランダには男性の助産士さんも全体の20%ほどいるそうです。日本ではまだまだ男性の助産士さんの活躍は見られませんが、ここでは男性とか女性という前にどのようなひとがらかによって評価されるようです。
お産が始まる
自宅でのお産ですから、病院へ行く用意もなく、その手間もありません。ただ陣痛が始まったらじっくりと陣痛と向き合うだけです。他の人がとなりでうんうんうなっているわけでもないので、本当の意味でのマイペースのお産が可能です。陣痛が始まったら助産婦さんとの頻繁な電話でのやりとりが始まります。そのためにもご主人にはいてもらわないと困ります。是非、ご主人もいっしょにお産について勉強してください。特に英語での表現を勉強する必要があります。
「自宅のお産ですからほとんど医療の介入がありませんでした。息子も夫もいっしょに新しい家族を迎えました。浣腸も無く、分娩監視装置も無く、とても自然な流れでお産ができました。へその緒は夫がはさみできりました。このあたりも感動的でカメラに収めました。」
産後は助産婦さんと看護婦さんがケア
産褥訪問を助産婦さんと一緒に回りながら気がついたことは、多くの家庭に看護婦さんがいたことでした。(写真の右が看護婦で、左が助産婦)つまり彼女らは5時間とか8時間とか雇われていて、お母さんと赤ちゃんにつきっきりで世話をしてくれます。場合によっては上の子どもの面倒を見たり、訪問客の接待までしてくれます。子宮の回復具合や会陰の縫合の様子なども看護婦はチェックできます。助産婦さんは点滴などはできませんが、限られた薬の処方もできますので、痛み止めなどわざわざドクターに出向くことはありません。産後は助産婦さんが9日目まで必要に応じて自宅まで訪問してくれますので質問などはその時にできます。なんともケアを受ける側を主体に考えたぜいたくなお産のように思えました。 ちなみにこのベッドの下にある三角の足台は看護する側の腰の負担を軽減する為にベッドを高くしています。これもレンタルで必要期間だけ借りられます。
ハワイでのお産 今月は saita でもハワイでのお産が取り上げられましたので、この体験談のページにもハワイでお産をした方からのインタビュー情報を載せます。いや、それにしても日本とハワイとはもう切っても切れないような身近な存在のように思います。今日会った友人もハワイから来た宣教師、友達から電話がかかってきて彼女はハワイへ行ってきたというし、ラジオではハワイでの生DJの放送が日本に届くし、まさにハワイは日本国、ハワイ県のような。と身近なハワイなのですが、それでもしょせん外国、海外、偉大なるアメリカ、お産事情もぜんぜん違います。
(さらに詳しくハワイでの国籍取得目的のお産については、小冊子をご覧ください。お申し込みはメールにてどうぞ)
あえて海外出産組
あえて海外で出産する人が多いのはハワイでしょう。いままで日本を臨月近くになって発ち、海外であえて出産する人はいくぶんいました。その人達の理由は国際結婚をしてご主人の国アメリカで、両親がアメリカに現在滞在中のため実家に帰る感覚でアメリカで、南米の途上国に滞在中の為衛生面でも設備の面でも医療の面でも安心できるアメリカで、夫がアメリカに留学中なので夫のもとで産む為にアメリカで、こどもをいずれアメリカ人の元へ養子に出すためアメリカでというまあ、なりゆきかな、そういう状況だからかなと納得するものがたいはんでした。しかし最近になってアメリカの国籍が取得できるから、将来永住する予定だから、ハワイが好きだから、気候がいいから、バカンスもかねて、海外出産ってかっこいいから、水中出産が出きるって聞いたから、無痛分娩で産めるから、こどもが二重国籍がもらえるから、ミドルネームももらえるからなどの理由からあえて一番近く、馴染みのある、ハワイで出産をしようという人が出てきました。しかしそのような人ばかりでなくもちろん現地で3ヶ月以上の長期滞在で現地でたまたま出産される方もいますので、今回はその方々からのインタビューをもとにハワイでのお産をお届けします。
大きなおなかで堂々とビキニ
常夏の国での妊娠中ですから、過ごしやすいといえば過ごしやすいでしょう。私がインタビューをした人たちは仕事をしている方も多く、かなりおなかが大きくなるまでは働いていらっしゃいました。しかし時間的に余裕のある方はビーチに横たわり、お産の本などを読みながら赤ちゃんを迎えるのを待っていました。また驚いたことにハワイではおなかが大きくても堂々とビキニを着てビーチやプールサイドに横たわる妊婦にお目にかかれます。
また運動といっても暑いところを日中歩く事はできませんので、せいぜい夜になってからのビーチの散歩、あるいは日中でしたら大きなモールをウィンドウショッピングをしながらはしからはしまで歩いて運動としているようです。モールの中はすずしいですし、本屋さんなどではすわって本を読めるコーナーなどを設けているところもありますので、そのようなところに通ったという人もいました。
へその緒と胎盤のドナー
入院手続きをするときにいっしょに提出する大切な用紙があります。ここには住所、氏名、支払い責任者名と職業、保険に関するデータや出産予定日、血液型などが記入されています。さらに輸血のこと、胎盤と臍の緒の寄付の登録を提出します。これはハワイに限った事ではないのですが、臍の緒と胎盤を寄付しないかとドクターの方がから説明があります。くわしいことはわかりませんが、胎盤や臍の緒を用いて、白血病や骨髄移植の人のためにまたは研究のために使われる血液を臍の緒から取ると言うことのようです。他に私が聞いたところでは病気を治す成分がとられるようです。これも出産前に聞かれますので、書類を用意しておきます。妊娠状況や夫婦と家族の病歴などの質問項目など多岐に渡りあり、最後は産婦人科のドクターの署名も入ります。しかしこの登録は郵送で済みますので楽です。このようにアメリカではきちんと普通捨てられる臓器でもきちんと患者さんの承諾を得て了解の上で研究に使われることは納得がいきます。おそらく日本では特に聞かずに胎盤などを研究機関に回しているのでしょうか?
ハワイアンジュエリー
アメリカでは赤ちゃんが生まれるとお祝いに銀製品をプレゼントする傾向があります。これは初めてのスプーンとフォークであったり、ベビーリングであったり、ベビーブレスレットであったりします。ハワイでもそのような銀製品をプレゼントしていますが、他にもハワイならではというハワイアンジュエリーが送られます。このジュエリーに赤ちゃんの名前を彫って送るそうです。すてきなよい思い出ができそうですね。
今月はサウジアラビアで出産をされたEさんにお話を伺いました。現地での出産もさることながら、何よりも現地での生活におどろきました。
顔を隠しての出産
サウジアラビアはイスラム教徒の国です。しかも大変規律がきびしく、結婚した女性は肌はおろか、顔すら夫以外の人には出してはいけないのです。そのため現地の女性はフェイスマスクという顔を覆うベールをかけています。そしてマントのような黒いアバヤをまとい、外出するときは必ずご主人といっしょでなくては外へも出られないのです。そのためもしドクターが男性ですと、彼女は検診のときはもちろん、出産のときですら顔は隠したままだと言うことです。どうですか、知らざる世界ですよね。
しかし外国人の場合はもっと寛容です。たまたまEさんの場合はシリア人の女性のドクターを選んだ為、顔を隠すことも無かったそうです。お産自体は彼女の希望していたアクティブバースでからだが出す信号に応じてからだの向きを変えたりして自然なお産ができたとのことでした。
そして本当のお金持ちは海外出産をしています。これがひとつの金持ちの象徴なのでしょうか。イギリスのプライベートホスピタルなどにきて人工的なお産をする女性もいます。
プールは女性の日、男性の日と分かれている
サウジは日中は50度くらいの暑さになるそうです。そのため車のボンネットで目玉焼きができるくらいだそうです。そのため日中一番暑いときは誰も外へ出ません。一番暑い時は皆さん、シエスタに入るのです。そのためご主人も1時から4時くらいまで家で寝る為に帰って来るそうです。暑いときはやはり水に入るのが一番ですよね。妊婦さんも水の中では軽くなるので特に後期には腰の負担がまぬがれ、しかもちょうどよい水温ですから、(いやお湯かな)快適です。しかしここでちょっと待ったです。
プールに入ると言うことは肌をどうしても出さなくてはなりません。そのためサウジでは女性がプールに入れる時間帯、あるいは曜日と男性がプールに入れる時間帯、あるいは曜日が決まっています。まちがっても混浴はノーノーです。
現地の人はどのような妊娠中を過ごすか
現地の助産婦さんにインタビューをした所、あちらでは健康に関しての意識が低いため、コカコーラなどの甘い飲料水を飲み、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなども進出している為、そのようなものをたくさん食べ、糖尿の人が大変多いようです。そのため妊娠中の管理も大変だそうです。
さらに太るとご主人が浮気をするからという不安から太らないようにして妊娠中でもあまり食べなかったり、飲まなかったりする妊婦さんもいるため、病院に点滴に来るようなケースが出るほどだそうです。外に出ることもあまりできないので、彼女達はけっこう運動不足にもなってしまうようです。
赤ちゃんはプリンセス、プリンス
赤ちゃんの取り扱いで驚いたことは、赤ちゃんが寝かされているコットのかざりでした。男の子の場合は透明のプラスチックコットのまわりに薄いブルーのリボンをまいてかざりつけが施されています。さらに上からは蚊などに刺されないように、日本で言う蚊帳がかかっています。しかしその蚊帳も日本のグリーンやブルーのイメージではなく、真っ白な蚊帳で、その上にまた薄いブルーのリボンが輪になって飾られていました。まさに赤ちゃんはプリンセス、プリンスの取り扱いでした。
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