ＩＥＰミーティングの準備子供が特別支援教育のサポートを受けることになった場合、個人のニーズに適した教育の形が取られることになりますので、教育目標を立てるにあたり、親が積極的に参加することが望まれます。子供にはどういった方向に進んでもらいたくて、そのために学校では何を学んでもらいたいのかなど、深く考えてみるよい機会になります。ＩＥＰ（個人教育プログラム）ミーティングに参加するにあたり、準備しておくとよいことをいくつかあげておくので、目を通してみて下さい。なお、ＩＥＰミーティングはケーススタディの検査結果報告と同時に行われる場合が多いので、特に初めての場合は全てではなくてもできるだけの準備をするつもりで進めてみて下さい。
ミーティングの前の準備
- 教育の権利を知っておくこと
子供が法的に学校でどういった教育サービスを受けられるのかをあらかじめ知っておくことは非常に重要です。特に公立学校の場合は、全ての子供達に対する教育の義務がありますので、親が教育の権利を知ることによって、学校側の提案内容以上に子供により意義のあるサービスを提案することも可能になるわけです。イリノイ州の親の特別支援教育権利ガイド（英語）はこちら。本サイトでも大切なことは取り上げるようにしておりますが、ガイドの内容に質問等ありましたら、どうぞご遠慮なくお知らせ下さい。
- ＩＥＰや特別支援教育の専門用語を知っておくこと
特別支援教育関連用語集の方でよく使われる言葉をいくつかあげておきました。
- 事前に大まかな内容を知っておくこと
ミーティング予定日の数日前に学校側から各種検査の結果や個人教育目標案などのIEP書類の下書きが送られてくるので、ざっと目を通してみて下さい。まず心理的にミーティングで驚くことが最低限に抑えられ、実際今後の教育サポートの方向性などを事前に考え、ミーティングで疑問をはっきりさせたりするなど、建設的な活動に時間をより費やすことが可能になります。ミーティングが終わって親の承認を得るまでは下書きなので、ミーティング中に話し合って内容を修正することはよくありますし問題ありません。
- 教育目標の下書きに目を通すこと
既に特別支援教育サービスを受けており、次の年度の教育目標へアップデートするという場合も、スタッフの考えている教育目標案をミーティングの数日前に送られてくると思いますので、こちらもざっと目を通してみて下さい。そして、ミーティング前に、例えば、学校外でセラピストなどについている場合、セラピストの意見を聞いてみたり、教育目標の方向性を変更したいかどうかなど、ミーティング中の時間やスタッフのプレッシャーのないところでゆっくり考えることができます。
- 自分の考える子供の教育目標のリストや家庭での成長を書き留めておくこと
初めての場合だったらば、アメリカに来てから子供はどういった面で成長してきたか、これからはどういった面の成長を促していきたいかということ、２度目以降からは１年前のＩＥＰミーティングからの子供の成長と今後期待する成長を書き出しておきましょう。そして、ミーティングで学校側が考えていることとどれだけ差があるか確認し、話し合いをして下さい。
- 去年の教育目標のおさらいをすること
子供の学習は目標に向かって前進しているのか、同じ教育目標レベルの繰り返しになっていないか、繰り返しになっている場合は別の目標に変えるべきかどうか見直してみて下さい。
- 質問や提案などのリストを作っておくこと
事前にリストを作っておくと、ミーティング中の時間やエネルギーを必要なことだけに集中することができますし、大切なことを言い忘れたということも防げます。
- チームのメンバーを知っておくこと
ＩＥＰミーティングに参加する教育チームのメンバーの肩書きと教育における役割を知っておきましょう。事前に電話なり学校で会うなりして面識を持っているとミーティング中に「あの人誰だったっけ？」「何故、あの人はあんなこと言っているの？本当に専門家なのか？」という混乱がなくなります。
- 翌年度の先生にも出席するようにリクエストすること
年度末に近いミーティングスケジュールの場合で、翌年度の先生がわかっている場合は、ミーティングで子供のことをよく知っておいてもらうために新しい先生の出席も求めましょう。新年度開始は先生方はカリキュラム制作などで非常に忙しくなるため、面識のない子供に対する個人的ニーズにすぐ対応できない可能性があります。
- 特別支援教育用のフォルダーを用意しておくこと
上記の準備で書き出したものをまとめて保管する他、ミーティング中にメモをする紙や他の必要書類や記録などを入れて、ミーティングに持っていけるようにしておきましょう。また、特別支援のサービスを受け始めると関係書類がとにかく増えていきますので、フォルダーなりバインダーなり常に整理して保管できるようにしておくことをお勧めします。
05/21 revised