アメリカの教育事情〔5〕:
SAT対ACT

アメリカの大学の入学試験として有名なSATとACTの結果内容の違いが話題になっている。ACTは共通試験の中でも2番目に頻繁に利用される試験なのだが、2003年の高校生の数学と科学の点数は36点満点中1年前の20.8ポイントとほぼ同じ20.6としており、過去5年間の比較をすると若干点数が落ちている。ACTの研究者の結果分析によると、今年の高校卒業生のうち大学の科学の授業についていけるのはほんの26%、数学は40%ぐらいだとしている。一方、共通試験として最も利用されるSATは、数学の点数が800点満点中519点で1967年以降最高点で、1999年の点数から8点アップした。教育者や教育研究者は、数学や科学の補習クラスに入る学生数や試験の点数にもかかわらず大学の数学や科学の授業に付いていけない学生数の多さの現状を見るとACTの結果の方がうなづけるとしているが、大学準備用のより高度な数学や科学のクラスを取る生徒数が1993年から12%も増加しているところを見るとSATの結果の方がうなづけると見る機関もある。ちなみにSATは東海岸と西海岸方面在住の生徒の多くがよく受ける試験、ACTは中西部方面在住の生徒の多くがよく受ける傾向があり、エリート大学はSATを指定しているところが多いそうだ。

2003年9月9日付、Chicago Sun-Times
“SAT: Kids smarter. ACT: Kids dumber. Which test knows the score on math?”
(Education Section)より要約


戻る

10/03