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#2


 夜の新宿。深夜12:00頃。
 雑踏で騒然としているビル繁華街。まだ炎は消えておらず、消化作業が続いている。
 消防車輛、救急車輛が出張ってきており、怪我人があたり一面にいて
 野次馬を仕切る消防隊員や警官の怒声が響く。
 ビルの屋上から降りてきた白衣の木嶋が表通りに戻ってきている。

 ビル屋上の四散した遺体の群れ、宝石の指輪をつけた男の腕、十字架のブレスレットをした手首、などが
 ヘリのサーチライトに浮かんでいる光景のフラッシュバック。

 かなりビル屋上の光景がショックだったらしく、目線はしっかりしているが、足はふらふらしている。
 携帯をかけている木嶋。
 「はい。繁華街の一番高いビルの屋上です。」
 要敬羅の声。
 「わかった。すぐ鑑識を回す。・・・で、カードは今も持ってるだろうな」
 木嶋「あ、忘れてた・・」
 要「馬鹿ッ!!」
 ガチャンと電話を切られる木嶋。やばいと思いつつタンクホーネットへと歩き出す。
 周囲の人間を救助したいとも思うが、消防隊の要る場所ではライダーにもなれず
 救急隊自体既に人手が足りていそうな為、木嶋の手の出す余地はなさそうな気配である。
 カードどころで無い気もしたが、どちらにしてもタンクホーネットまで戻らなければ、医療カバンが無い。
 走り出そうとする木嶋を聞き覚えのある声が止めた。
 男「おー、木嶋!久しぶりじゃないかつ!」
  雑踏の中、木嶋が振り返ると180cm近くの、異様に体格の良い巨漢の男がいた。
 木嶋の知り合いの人物だった。彼もまた白衣。
 木嶋「く・・・熊・・・クマさん・・・」
 男 「柘植先生と呼ばんかい!!ひさしぶりじゃのぅ!!」
 柘植(つげ)は西新宿近辺の下町で町医者をしている40代過ぎの男で、以前デスヤプーの怪人に襲われそうになっていた所をライダーVi:に救われた男である。保険の利かないような立場の人々や社会的弱者にもできる限り安価で(もしくは無料で)診察する所から、新宿熊、新宿の熊、新宿べあー、とも呼ばれている男である。
 木嶋がライダーであると知っても彼の木嶋への接し方は一切変わらず、木嶋の医療についての考え方に大きな影響を与えた人物である。サバイバルナイフの使い手という一面もある。
 木嶋「お、おひさし・・・」
 柘植「それよか、手を貸してくれんか?不法就労組の怪我人を助けなきゃいかん。一般病院に連れて行かれたら、後は 本国に強制送還されてしまうかもしれん。何かと面倒な事になる」
 言われて木嶋は雑踏の中、聞き耳を立てる。
 柘植「わかるか?」
 日本語で苦しむ人々が殆どの中に、確かに聞きなれない異国の言葉で苦しみうめく人々がいる。
 木嶋「柘植さんはあの人とあの人を。俺はこっちの方回ってみます。」
 二手に別れて駆け出す木嶋。柘植は早速言われた二人の異国の怪我人に声をかける。

 柘植「本式に重傷の患者は仕方がないか・・・」
 十分後、数人の怪我人を連れて戻ってきた木嶋、柘植も顔なじみの患者たちを連れてきている。
 ガラスの破片で怪我をした人物、焼けどを負ったらしき人物、
 骨折したらしき人物、様様である。カップルらしき男女もいる。
 合わせて十人といった所か。
 柘植「あちゃあ!もう出てきおった!!」
 火事が収まりかけてきたまま表通りの方から、新たに現地急行してきた警官隊が十数人やってきている。
 巡査部長らしき人物が叫ぶ。
 「爆発事件に関して怪しい者がいたらしょっぴけ!暴力団員はもちろん、外国人マフィアでも同様だ!怪我をしていても構わん。警察病院で尋問する位の覚悟でいけ。捜査にかかれっ!」
 どやどやと動き出す警官隊。若い警官の悲鳴。
 警官B「仮眠の所を起こされたから、余計気が立ってるんだよ、部長!」
 警官C「んだ!んだ!」
 警官隊を見つめる柘植と木嶋。
 柘植「やばー・・・またあいつだわ・・・木嶋、おまえ向こうで警官連中の足止めしておいてくれるか?俺はこいつらを自分のバンに連れて行くから」
 木嶋「わかりました。」
 木嶋と、柘植の率いる怪我人達は別れてふた方向に向かう。肩をかしあって急ぐ怪我人たち。
 元々木嶋には警官を足止めするつもりなどない。木嶋は爆発の原因はあの怪物たちだと大体の目星がついていたし
 それを警官に教えるべきだと思ったからだ。
 目の前の指揮者らしい警官に声をかける木嶋。
 警官「なんだ?」
 木嶋、警官に話し出そうとするが、繁華街入り口のタンクホーネットを見て、唖然となる。
 パニックの収まってきた繁華街の人だかりが、タンクホーネットにまで気づいて、ちょっかいを出そうとしていたからだ。
 カバンはまだ砲塔にぶらさがっているようだったが、無見識な若者が手を出そうとするたびに
 ホーネットが「Bi!Bii!!」とBeep音を出して首を振っている。
 木嶋「やば・・・」
 警官「あんた、あのデカブツの持ち主か?」
 木嶋は流石にまずいと思った。ホーネットにナンバーが無い事だの、免許のことだの、
 更に怪人の事や、色々を聞かれて要に身柄引取りされた過去があるので
 いざとなるとパブロフ状態で、つい苦手意識が出てしまう。
 要にも既に連絡済みだし、柘植の連れていった患者たちも気になる。
 柘植が腕のいい医師とは言え、到底一人で扱える人数ではない。
 木嶋、警官に向きなおる。どうやら触覚を伸ばして見せたらしい。同時に見ていた他の警官も驚く。
 警官「・・・・・・失礼いたしました。」
 木嶋「本庁の要室長には連絡してあります。失礼。」
 木嶋は顔が見えないように白衣の襟を立てて人ごみをかきわけ、タンクホーネットに向かい
 ホッとした顔でまたがり、爆音をあげて発進させた。
 周囲の野次馬の声かけ、怒声、口笛。
 年若い警察官たちが呟く。
 警官A「Vi:だよ・・・」
 警官B「『流れ蜂』だよ・・・」
 警官C「医者だって丸わかりじゃん・・・」
 リーダーらしき人物が叫ぶ。
 部長「お前ら仕事にかかれっ!」
 先のリーダーらしき警官が去り行くホーネットに向かって呟いた。
 部長「ふん・・・公安の犬め!」


 夜の流れる景色の中、木嶋はホーネットを走らせ、
 新宿南口方面にカーブを切って行く。
 高架道路の直線を西新宿方向に走って行く木嶋。


 下町・町医者柘植の診療所。時間は既に深夜1時を回っている。
 すりガラスのはまった木製のドアを開けて木嶋がかけこんで来た。
 中では既に新宿熊・・・柘植の診療が始まっていた。
 横で苦しむ外国人不法就労の男女患者たちが診察の時を待っている。看護婦の奥さんも夜勤に借り出され、
 2つある診療ベッドだけでなく、仮眠ベッドまでも出されていた。
 柘植「おお、来たか!俺はこいつで手が離せん。流れ作業になる、おまえそっち頼むな・・・」
 柘植は毛むくじゃらの腕で、背中にガラスの破片を負った患者の破片摘出をしている。
 「派手にやっとるわ・・・痛み止めは全員に飲ましたんだが」
 木嶋、医療カバンを開けるが、ホーネットの振動でカバンの中のアンプル類は大破状態だった。
 気になる例のカードだけを白衣の中にしまう。
 「クマさん、手術用具借ります!!」
 木嶋は二人の患者を並列で手術を開始する。
 木嶋「看護婦さん、残りのクランケで内臓痛い人聞いて!」
 身振り手振りで聞き出す看護婦。
 木嶋の患者は背中に大怪我をし大量出血を起こし、もう一人は足に複雑骨折をしていた。
 煮沸メスと注射器、カンシを並べ、二人の傷口をオキシドールで手早く消毒し
 注射器に麻酔薬を注入し、傷口の周りを囲むよう手早く打って行く。
 一人の身体に麻酔が効くのを待つ間にもう一人の身体に麻酔を打っていく。
 かんしで傷口を開いた時、木嶋の目は一瞬に動脈と筋肉の断裂を見切っていた。
 手早く動脈をテープでバンデージしてつなぐ。断烈した部分を縫い合わせて行く。
 看護婦「とりあえず、身体の中の痛い方はいなかったんですが・・・」
 木嶋「レントゲンを。手足より頭を。」
 皮をひきあわせ、皮膚のきめに沿い、縫いあわす。
 木嶋「次の人まで時間かかるから特にひどい人には鎮痛剤投与」
 もう一人の患者の足の傷口を切開し、複雑骨折した部分を金属プレートで固定し、筋肉を縫合し、皮膚をひきあわせてゆく。
 柘植「うひょう!形成外科顔負けじゃのお!」
 二人を手術する内に、看護婦が残りの軽傷患者の傷口に応急処置を施して行く。
 柘植「ここで大量の外科手術を一時にやるなぞ、久しぶりじゃから、麻酔薬の量がもつか・・・」
 木嶋「・・・・・・」
 手術終了する木嶋。メスを煮沸にまわしつつ、
 木嶋「新しいメスを下さい。感染症あるとやっかいなんで。」
 看護婦が病院の奥まで新しいメスを出しに行き、持って来る間に、
 木嶋は脇から点滴スタンドを取り出し他の患者に点滴投与をしなおし、
 骨折の患者にギプスをしていた。
 そこへパンチパーマの二人組が転がり込んでくる。一人はサングラスをかけている。
 チンピラA「すんませーん!!!兄貴の治療して欲しいんですがーー!!」
 チンピラB「クソつ!イテエ!イテエよ!!」
 騒ぐチンピラB。足がねじれている。骨折しているようだ。
 柘植「一杯なのが見て判らんか?別の病院に行け、別の病院」
 チンピラB、切れる。脅える不法就労者たち。
 チンピラB「テッメエ、診療拒否をしらんのんか!こいつら保険証持っとらんのだろが!!警察にタレコんだろかワレ!!」
 柘植「仕方がないのお・・・ちょい待ち」
 ゆらりとチンピラBに動く、柘植。一瞬後にチンピラBの後頭部に空手チョップ。
 チンピラBムギューと気絶する。
 木嶋&不法就労者たち、拍手。
 木嶋たち「おおーーーーーーつっ!!♪」

 夜の都会を走りつづける救急車。中には異国の青年たちと、救急班員たちがいる。
 無線「こちら当直救急病院センター。本日2件の爆発によりベッドが足りない。別の区立病院に照会中・・・」
 迷走する救急車。
 救急班員A「外国人だからってなぁ!!内臓破裂起こしてるってのに・・・」
 救急班員B「しかたないさ。身元がしっかりしてなけりゃ、後々医療費も保険もでねえよ」
 救急班員A「それもそうだが・・・」
 その時、窓ガラスから、モンスターの角がはえてくる。
 それを見つけ驚愕する班員。
 救急隊員B「う、うああああああ」
 パニックに陥る車内。
 救急車、コントロールを失い、電柱に激突。

 柘植の診療院。修羅場。
 柘植「こんな町医者では、本当の重症患者までは救えん・・・情けない限り!!」
 柘植も2人目の火傷の患者の皮膚に薬を塗って、ガーゼを巻き、包帯をしていた。
 特にひどい背中の部分の植皮をするのは今は無理だと判断するしかない。大病院でもどうせ緊急時には同じ事だ。
 身寄りも保険もない不法就労者を先に手厚く処置する事は基本的にない。
 煮詰まったときに近所の下町住人たちが診療所に駆け込んできた。
 「熊さん!大勢かつぎこまれたんだって?俺らに手伝えることは・・・」
 「ベッドが足りん。近くの老人センターか町内会にでも言って都合つけてくれんか。警察に言わんよう」 「わあった!困った時はあいみたがい!」出て行く彼ら。
 木嶋は次の患者の手術に没頭している・・・
 手術の終わった患者たちが、町内の男衆によりたんかで担ぎ出されていく。
 頭に包帯を巻いている異人女性の瞳。彼女を抱えるように抱く、足にギプスをした異人の男がそれを見つめる。


 都内某国道脇。
 モンスターに襲われて路方の電信柱に激突した先の救急車の周りに警官、刑事たちと別の救急医療隊がいる。
 救急車の後ろのドアは開放されている。中に血しぶき、遺体の一部、散乱した医療器具、白衣の切れはし 運ばれていた異人の青年のちぎられた服やロケットペンダントが散らばる。
 刑事「だめだ・・・ひどすぎる・・・」
 声を震わせる刑事。沈黙する彼ら。


 屋外。下町。「柘植診療院」のかんばんのかかった町の診療所。午前。
 西新宿の初台寄りあたりの、コインランドリーや銭湯の煙突が見える景色。
 診療院の少し離れた所に止めてあるタンクホーネット。
 修羅場は明け方まで続いた。木嶋が仮眠ベッドから目を覚ます。
 6:30までは覚えているのだが、そこから先は記憶にない。目を覚ますと既に朝10:00を回っていた。
 外から柘植の声が聞こえてきた。
 柘植「おわー!!こんなん停めとったんかい!!」
 柘植がタンクホーネットに気づいたらしい。
 入ってくる柘植。
 柘植「起きたか。ご苦労さんだった、うん。」
 改造人間体の自分よりタフだなんて、この男は・・・と思う木嶋。ひたすらだるくて眠い。

 「ほいよ、好きだったよな、コレ」
 柘植が自販機で買ってきた栄養ドリンクを木嶋に渡す。
 ねっころがったままキャップをねじ切る木嶋。
 木嶋の医療カバンの中に気づく柘植。
 「うっほう!モルヒネかあ?20年前の医療カバンだな、こりゃあ!」
 中をごそごそかき回す音。砕けた破片がごちゃごちゃ音を立てている。
 「・・・・・・もう使えんのぉ」

 古ぼけたTVからニュースがかかっている。
 N「昨晩多数の死傷者を出した数年振りの新宿繁華街のビル爆発事件ですが、消防隊の到着が早かったため、被害は予想よりも少なくて済んだようです。原因がプロパンガスのボンベの爆発と思われる以外の手がかりはありません。また、先ほどもお伝えしました通り、近くのビルで連続行方不明事件の被害者と思われる遺体が見つかりましたが、多くは失踪していた風俗店がえりのサラリーマンや風俗嬢、暴力団員たちと思われています・・・」

 木嶋はつい、フーと息をついてしまう。それに新宿熊が反応した。
 柘植「お前、まだ判っていないようだな。少し安心したって顔だな、ん?」
 木嶋は少し見透かされた気がした。いや、医者としてそんな事は考えもしていなかったのだがつい謝ってしまう。
 木嶋「・・・すいません」
 柘植「ぶあか。それでいーんだよ?」
 木嶋、その言葉に少し驚く。

 「おまえ、何であんな所にいたんだ?あそこの連中におまえが助けなきゃならん奴は、おらんだろう・・・」
 「・・・・・・?」
 「おまえが医者として助けるべき奴は他にいるだろうって事だよ・・・」

 柘植「この稼業にも縄張りってもんがある。助けてもらって言えるわけじゃあないが・・・」
 よっこらしょと腰掛ける熊。
 柘植「大学病院や市民病院、個人の大病院なら、客を選べるし自然に整理もされるからな。おまえが元していたようなインターンが、薄給で嫌だという連中もいるが、俺らにしてみりゃ贅沢なんだよ。大学病院なら個人がやくざを拒否して医療拒否を責められる事もない。個人で経営まで考え苦しむ事も、後継ぎに悩む事もない。使える薬剤も最新型だ。何より客が選ばれているわけだからな。・・・そこまでとは言わんが・・・だからお前も無理をして無料で緊急医療に走る必要はない。客を選べ。シケた医療カバン抱えて走るのも辛いだろう・・・」

 「薬の仕入れはどーしとるんだ?」
 「手助けした開業医や病院やめる方から譲ってもらったり、相変わらずです。」
 「まーそんなとこか。」
 自分も栄養ドリンクを飲む柘植。

 木嶋「そんな中でも柘植さんはこんな町医者をして・・・」
 柘植「とりあえずは治療し傷をふさがにゃ話にならん。日本人には荒っぽい治療に見えるにせよ、彼らの故郷では受けられない治療。判るだろ?・・・・・それに店のお姉ちゃん助ければあとあとイイ事があるかもしれんからなぁ」
 木嶋「イイ事って・・・・・・☆◎♂♀@!!」
  木嶋としても40がらみの柘植がこんな町医者をしている時点で
 大人物だとは思っているし、言うよりも腕は確かなのだが、
 こういう所があるので、実際尊敬していいのかどうか判らなくなってしまう。
 だが、彼の人柄はこの診療院に滲み出ていた。
 柘植「とにかく手助けの礼だ。薬は好きなだけ持ってきな。」
 沈黙で礼を言う木嶋。

 「旅をしてみろと勧めたのは確かにおれだが、それはお前の居場所を探せという意味だ。一生一人で放浪しろと言ったわけじゃあない。医者に悲壮な覚悟はいらん。身を固めて一所で開業するのも、いい生活だぞ。」

 柘植「それとも俺と、やぶ医者同盟でも作るか?(笑)」
 木嶋「ノーサンキュー!!!」
 木嶋の手元のドリンク剤のラベルに「ローヤルゼリー入り」のロゴが踊っている・・・


 2時間後。警視庁外観。
 地下駐車場に白衣の木嶋がバイクに乗って入ってくる。
 乗り捨てていたバイクを取りにいってから来たらしい。通常バイクである。
 が、その駐車場の傍らに木嶋がみたものは
 トレーラーにより運び込まれてきた、先のモンスターにより大破させられた救急車の残骸だった。
 近づくと刑事たちが車内に残されていた遺留品の袋を見ながら、何かを話し合っているようだった。
 後ろから近づいていた木嶋、袋の中にロケットペンダントがあるのを見つける。
 木嶋「ちょっと見せてください!」
 刑事「なんだね、君は?うちの刑事か?」
 ロケットの中の写真には、昨晩柘植病院で手当てを受けていた異国の女と、
 その兄弟らしいモンスター被害者の、異国の青年の姿が写っていた。

アイキャッチ


 駐車場内、沈黙する木嶋。そこへ一人の婦警がやってくる。
 「木嶋さんですね?要室長がお呼びです。」

 木嶋、エレベーターを降りる。婦警に案内された先の部屋。
 「首都圏対特殊犯罪治安維持指揮室」のボード。
 木嶋が入って行くとそこに要敬羅がいた。
 彼は木嶋がデスヤプーと戦っていた当時、ライダーVi:やVenuの追跡をしていた警視・・・
 厳しい顔をしていた要が微笑む。が、それは無理やりのようにも思えた。
 「13:58分、身柄確保か。・・・遅いぞ。」
 木嶋、両腕を抱える。いきなり寒気がしてきた。
 「やめてくださいよ・・・;冗談になってない!」
 「ハハハ・・・まぁ、座れ。どうだ。元気だったか?」
 「ええ!まぁ・・・」
 長テーブル前に座る木嶋に続いて、要もデスクに座る。が、木嶋に対して切り出された話はカードとは別事だった。
 「・・・・・あれから美原とはまだ会ってないのか?」
 「キチンXとデスヤプーを倒しても、彼女を傷つけたのは事実ですから。」
 「そうか?」
 要がデスクの引き出しを開けて、1枚の葉書を彼に見せた。
 日付は2004年1月1日、今年の年賀はがきのようだ。
 差出人を見ると「 某県某市 美原雪樹 」とある。
 裏にひっくり返す木嶋。

 「 やっぴーーっ 元気っすかー?
   ユキは元気でーすっ(^。^)♪
   東京に行った時にはよろぴくー
   でもコッチには二度とくんなーーッ(`_´)プンプン
    デモネデモネ(?v?)?感謝してるよー
   バイビーーッ  ♪♪
                 雪樹   」

 木嶋「・・・・・・全然変わってない;」
 木嶋、絶句。
 「な?そんなもんなんだよ。男より女の方が強いって事?だからもうおまえも気にやむのよせ」
 「というか・・・彼女の所行ったんですか?」
 「終結宣言の3か月後、1回だけな。元気そうだったぞ?」
 あごの前で腕を組みなおす要。
 「で、問題のカード、持ってきたか?」
 白衣の中から川辺で拾ったSEALのカードを出す木嶋。
 「こいつは確かに俺が預かっとく。依存ないな?」
 という要をじーーーーっと見つめる木嶋の視線。要、頭を掻く。
 「と言っても納得するお前じゃないか・・・・・・」

 「ことの起こりは3年前だ。首都圏を中心に人間がいきなり文字通り消えるという事件があいついでな。その時は警察も立つ手が無く、人間が突然消えて行く理由も何も判明せず。かなりの数の人間が密室空間から煙のように消え去る事件が続発する。事件を追いかけた連中にも皆目見当つかず。ところがある時期を境に失踪事件はぷっつりと途絶えた。理由は不明だが、迷宮入りさせるには不明者があまりにも多すぎ、捜索活動は現在も継続中・・・ここまで、把握したか?」
 「ん。」
 「ところが、この1ケ月で、また、都内の飲食店街、繁華街・・・まぁ風俗経営店が多いようないわゆる裏稼業の多い辺りだが・・・・・・その周辺から帰宅の連絡を入れた人間が家に帰って来ないという行方不明事件の通報が入りだす。区域的には新宿、渋谷を始め、新大久保、目黒、新橋、といった所だ。通報数は現時点で約40件だ。」
 「それがあの怪人の仕業だと?」
 「まぁ待て。先は長いからな。ところで昨日おまえはどこをどう回った?」
 長テーブルの上に首都圏の地図を広げる要敬羅。ペンで移動経路に線を引いて行く。

 「晴海客船ターミナルで緊急診療をして夜明かし。同窓会出席の為レインボーブリッジの入り口手前まで行った所を、爆発音を聞いて逆走、お台場周辺まで戻ってトラックビル突入事件の負傷者の治療、ブリッジを渡りなおした所でバイクがエンスト、多摩川の支流川辺でカードを拾い、化け物に襲われライダーに変身・・・と。敵は何体だ?」
 「3体です。1体倒しました。」
 「2体逃走の後消毒班に連絡後、渋谷まで北上の後俺に電話をかけ、原宿周辺まで来たところで再度モンスターを十数体視認、ホーネットで追跡するも例の新宿繁華街で再度爆発事件、ビル屋上の遺体群を発見、か・・・・・・相変わらず監視人泣かせだな。モンスターが鏡の中に消えたのは間違いないな?」 「鏡というか、ビルの窓ガラスです。」
 「1日に2件連続でプロパンガス爆発か・・・・・・行方不明者と屋上の遺体数人分の指紋が一致した。だが、失踪地域がかけ離れてるんで、一応他の区域も洗ってみた。発見されたよ。近所の一番高いビルの屋上から。合計150人分ほどだ。・・・・通報された人数の3倍にもなる。」
 「・・・残りは一人暮しか、不法就労者でしょうね。」
 一拍おいて要が答える。
 「中国人、イラン人、ヨーロッパ、タイ、インドネシア、フィリピン、韓国、北朝鮮亡命者・・・か。」
 無言のまま立ち上がる要。普通「来い!」と強制される所を無言で部屋を出て行こうとする。
 本当は連れて行きたくないからなのか、と木嶋は思うが、要についていかなければ真相は判りそうにない。

 通路を歩いている時白衣の中の携帯が鳴った。
 柘植「おう、木嶋か?」
 木嶋「柘植さん・・・何です?」 治療院から電話をかけている柘植。
 柘植「いや・・・昨晩俺たちが治療してやった、頭怪我してた娘さんが、弟が帰ってこねえってんで、医院に戻ってきちまってなぁ・・・あんた警察に顔が利きそうだから。俺が身元受けてやってもかまわねえから、要の旦那にどの医者に連れてかれたか教えてくれるように頼んでもらえんか?彼の写真は預かってるから後で取りに来てくれ。」
 駐車場で見た大破した救急車とロケットペンダントを思い出す木嶋。
 木嶋「・・・わかりました。俺から要さんに頼んでみます。」
 柘植「頼むな。うん。」
 電話を切る木嶋。
 要 「どうした?」
 木嶋「いえ・・・・・・」
 要は歩きながら話を続ける。
 要 「さっきある時をきっかけに行方不明事件の通報は終わったと言ったが、その最後の通報が・・・そうだな。おまえと同じイニシャルのネット新聞社の記者って青年の失踪届けだ。その時の届けによるとポトラッツというアメリカの大学教授も同様の原因で失踪していて、その原因は『鏡の中に住むモンスターにやられたからだ』というんだな。当然、誰も相手にしちゃいなかった。しかし、ポトラッツ教授の捜索願いがFBIから出されていたのは確かだ。合同捜査本部で同時捜査していた所にFBIから届いたのが、教授の研究室にあったという、これまたおまえと同イニシャルの青年研究者の「研究ファイルの写し」だ・・・」
 警視庁11Fに到着する要と木嶋。様々の目的に使用される部屋がつづき、廊下には非常電話、消火栓などがある。
 要 「で、1ヶ月前に事件再発。2、3人の遺体の破片が出た段階で俺たちは動かざるを得なくなった。FBIのバートンレッスル捜査官いわく「これは切断ではなく食いちぎられた破片だ、とても人間のやる事とは思えない。モンスターの仕業だ」とな?・・・・・つまりな。今回のモンスターは、食いさしを残してるんだよ。」
 要、ある部屋に到着し、ドアを開ける。

 「あ、来ましたか?」
 若い研究者らしい青年の快活そうな声が響く。木嶋は部屋の中を見て唖然とする。
 かなり広い部屋の中には様々な鏡・・・湾曲した鏡や、垂直の鏡、およそ思いつく鏡という鏡が据え付けられ
 何人かの白衣の研究者が歩きまわっていた。
  要 「・・・ここが科研の特殊解析分室。彼が室長の水崎君だ。」
 水崎「水崎探です。はじめまして。」
 彼の目が好奇心旺盛そうに木嶋を見る。木嶋は少し引いてしまう。
 木嶋はそれらを見つめているが、ふっとキチンXの研究室を思い出してしまう。
 こういう研究には、ロクな事はついてまわらない。
 不安に陥る木嶋。

 警視庁の外壁のガラスが揺らいで見える・・・

 要 「最後の通報のしばらく前に都内のビル街の植え込みで一人の少女の遺体が発見された。本当に綺麗な少女だったが・・・彼女はおまえと同じSEALのカードを持っていた。しかもカードはケースつきだ。その遺留品写真の現像班の連中が、やはり脱獄の末、行方の知れない男が一度だけ再逮捕された時の所有物の写真に同じものがあったのを、記憶していたんだよ。絵がついているか無地かの違いだとな。」
 ポケットから蛇のカードケースの写真を出し、テーブルの上を指差す要。その指先には
 灰色をしたカードケース状のものがあった。
 木嶋が中のカードを引き出すと、それは木嶋の持ってきたものと同じ、「SEAL」のカードだ。
 要 「そこに届いたのが教授のファイルだ。内容は無垢の逆まわりの世界・・・・・・「ミラーワールド」を意思の力で改変し、その世界に擬似的な生き物を作り、その空間と現実世界を行き来するための研究で、ファイル上でも実験はほぼ最終段階に入っていた。カードとケースの設計図を見て俺たちは愕然とした。少女の遺物そのものだったからだ。」
 水崎「FBIから届けられた教授の書類、警視庁に持ち込まれた捜索願いは以下の通り、少女と一緒に発見されたカードケースがこれです。」
 木嶋は隣のファイルをめくる。それは特殊な「共振」によるクォーツにより、物体を2次元を通して「逆定理の次元」に移送できるベルト状簡易移送機の設計図と、逆まわりの有機分子の転送結合式だった。
 木嶋は混乱した表情である。
 水崎「暗いですね。カーテン開けましょうか。」
 カーテンを開けた水崎にあたる外の光。彼はうれしそうに言う。
 水崎「こんな研究を追体験できるなんて思いませんでしたよ!この研究が完成すれば、我々も逆世界に突入できます!今も人々を襲っている怪物たちを叩きつぶす事ができるんです!誇りを持って自分は研究を続けていますよ。」
 要 「一応こちらの研究も出来上がりつつあるんだが、なんせファイルが実験段階のものだからなぁ・・・」
 ふっと木嶋が横を見ると、手元にある灰色のカードケースと全く同じものが壁近くの実験器具にとりつけられており
 それがベルトのバックルのようなものにはまっているのだが、それは
 ケースの大きさが同じであるにも関わらず、バックルにあたる部分が異様に巨大で、
 人間の胴体には巻けそうにない・・・・・・
 声を潜ませ、木嶋に要が耳打ちする。
 要 「ここだけの話、こいつ高生の時はICカード専門のハッカーだったんだよ・・・」

 本庁ビル外壁の揺らぎがどんどん上階へ上がっていく。

 木嶋「で、そのカードを接収して要さんはどうするんですか・・・」
 要 「俺はとりあえずおまえに事情を説明しただけだ。あとは本庁の方で何とかする。」
 木嶋「何とかって・・・相手は人間じゃなくてモンスターなんだろ?到底人間が・・・」
 要 「・・・おまえ、勘違いしていないか?」
 木嶋、要の目を見つめる。要、木嶋から灰色無地のケースを受け取る。
 要 「俺たちもデスヤプーと戦った事で力はつけた。俺たちの装備しているブラストボイドはライダーVi:の武装を研究して作り出したものだ。本物には劣るがそれは数でカバーできる。ライダーVi:に倒せるものなら警察にも倒せる。」
 その瞬間、木嶋の耳には別の「音」が聞こえていた。
 要 「俺たちを信用しろ、木嶋」
 共振音・・・・・・

 木嶋から預かったSEALのカードを、既に一枚SEALカードの入ったカードケースに入れなおす要。
 要 「このカードケースはそれに、『警視庁のもの』だ。」

 叫ぶ木嶋。
 木嶋「あぶない!!!」
 研究員A「うわああああああ!!!」
 研究室の鏡の中に突如モンスターが現れ、研究室にすり抜けるように現れる。
 その瞬間研究員が、角で右脇を刺され、重症を負う。
 1体のモンスターが現れ、また次々と、次々と計5体のモンスターが鏡の中に現れる。
 パニックに陥る室内。研究員たちが叫ぶ。要非常ベルを押す。
 11Fに鳴り、本庁内に鳴り響く非常ベル。
 要 「早く!部屋の外に逃げろ!!」
 水崎「研究が!!ファイルが!!」
 要 「馬鹿!!!早く出るんだ!!」
 パニック状態で部屋を出て行くかかえられるように出て行く重症の研究者水崎たち
 一体のモンスター、それは木嶋が取り逃がしたあのモンスターだった。
 他のモンスターは多く鏡がある部屋の為、また局面の多い鏡のため混乱しているらしく、
 部屋の中にまだ入ってきていない。
 モンスターと対峙しながら、椅子で鏡を次々と叩き割る木嶋。  
 木嶋「要さん!!」
 要 「判った!!」
 部屋の外に出ていく要。非常電話の所に駆けていく。
 木嶋「変身!!」
 木嶋の腹部に変身ベルト「ビーレイザー」が発生。
 木嶋は「仮面ライダーVi:」に変身する。
 ひるむモンスター。

 モンスターと戦い始めるVi:。突っ込む敵の角を払いのけて握り、組み打つ。
 非常回線で会話している要
 要「要だ。全館・・・いや、一般人のいる階は避けろ。以下の通り放送を流し、一般人は本庁外に速やかに退避!!」
 角がVi:の肉体に傷をつけてゆく。

 女性の声が警視庁本庁舎内に響く。
 「本庁舎11Fにて緊急事態発生!!正体不明の対象C数体と対象Vi:が11F解析分室にて戦闘開始!!全職員は速やかに1Fより脱出、上階職員は屋上に避難してください!また治安指揮選抜班員はただちにBB(ブラストボイド)装備にて南階段から11Fに急行してください!繰り返します・・・」
 捜査1課、2課と書かれた部屋から刑事たちが退避し、
 機動隊装備にBB装備を身につけた班員たち数名が
 11Fへと南階段を上っていく。1Fから退避して行く一般人たち

 モンスターと対峙する、Vi:に第2のモンスターが現れる。
 その時Vi:がセカンドフェイズ「BLUE」に変身する。
 戻ってくる要。「Vi:!!」
 ライダーの左腰に発生するライフル型の銃・・・「Vi:ショットバレル」。
 驚愕するモンスター。
 襲い掛かる新手のモンスターをショットバレルで殴り、床に沈める。

 要 「あーあ、こいつらもう終わりだよ。・・・頼むから隣の部屋には撃たないでくれよな。損害は最小限で食い止めたい・・・」
 Vi:、要をチラっと見る。要がドアの影に隠れる。
 襲い掛かろうと窓ガラスを背にモンスターが動いた瞬間、ライダーが引きがねを引く。
 Vi:「EXPLOSION!!!」
 ナノゼール「!!」
 モンスターに発砲される超散弾「ブラストボイド」
 噴出すブローバックファイヤー。吹き飛ばされるモンスター。Vi:再発砲。
 1発目で窓ガラスによろけたモンスター、既に散弾に粉々にされた窓ガラスではモンスターが通過する事はできない。
 2発目で警視庁の窓の外に吹き飛ばされ直後3発目が直撃。
 警視庁の11Fの窓から吹き飛ばされたモンスター、屋外の大爆発を起こす。
 下から爆発を見上げる人々、パニックとなる。

 怯えるモンスター。炎と化して行く室内。
 要がドアを開けると、3匹目、4匹目のモンスターが入ってこようとしている。
 ライダーVi:はショットバレルで他の鏡を叩き割る。
 一瞬ひらめくライダー。
 ライダー「要さん!!カードケースを!!早く!!!」
 要、大急ぎで灰色のカードケースを取り出し、Vi:に投げわたす。受け取るVi:。
 Vi:、ケースを受け取り、モンスターたちを威嚇する。
 モンスター「グ・・・・ゲ・・・・・・・・ゲ・・・・・・・」
 一匹のモンスターが鏡の方にあとずさりする。もう一匹も怯えている。
 更にデッキをつきつけるVi:
 モンスター「ウ・・・エ・・ゲーーー・・・・・・・!!!」
 鏡の中に吹き飛ばされていく2体目のモンスター。
 3体目のモンスターも吹き飛ばされて消えて行く。
 だが、鏡から現れた全てのモンスターたちが消えた瞬間
 目前の鏡に映っていたのは、ライダーVi:自身の姿だった。
 ライダー「!!!!!!」
 要 「木嶋ツ!!!」
 強制的に装着されるVバックル。ビーレイザーを体内に押し込む。
 苦しむライダー。ビーレイザーは押し込まれる事で胸まで移動し
 ビープレッシャーが蜂に酷似した姿に形を変え、
 ショットバレルまでもが体内に押し込まれてゆく。
 ライダー「う・・・ウアアーーーーツ!!!!!!!」
 震える手元のカードデッキを意を決したようにベルトのスロットに装填したVi:の姿が発光、
 一瞬後、仮面ライダーVi:の姿は
 銀色の、重装甲の変化体に、変身を遂げていた。
 炎の中、立ち上がる銀色のVi:・・・・・・
 
 ライダー、一瞬後に実験室の鏡に吸い込まれる。
 到着する特殊班員と消化班。特殊班員、銃を構える。
 しかし、彼らと要の目の前にはすでにライダーVi:の姿は無かった。


 ライダー、ディメンションロードから「ミラーワールド」に放り出される。
 立ち上がるライダーVi:、無人の道路に立つ。
 建築物の影に数体のナノゼールがかくれている。
 緊迫する異空間。その時ベルトがカードを自動的に吐き出す。
 ライダーにはまだその意味がわからない。
 襲ってくる一体のナノゼール。
 反射的にパンチを繰り出すライダーVi:。
 ナノゼールの額にパンチが直撃する。苦しむモンスター。
 モンスターの額から全身に亀裂が入り、絶叫と共に爆発する。
 驚愕するモンスターたち。

 炎の中、ミラーワールドのかげろうのように揺らめく路上に立ち続けるライダーVi:。

第2話−完


 モンスター:ナノゼール登場。



 予告

 叫び声をあげるテラーゼール。

 警視庁幹部「警視庁本庁舎の真横で爆発なぞ前代未聞だと言っている!!」

 木嶋と要に叫ぶ水崎。

 水崎「本当にいいんですか!!木嶋さん一般人なんでしょう!!」

 ミラーワールドで戦い続けるVi:。

 要 「仮面ライダーは我々にとってもっとも有効かつ有用な兵器であります。変身した以上、私は彼を兵器としてしか見ません。」


第3話遅れてマース(--);。
結構テーマ的には書けてる自信あるんですが、
文字数が多すぎ、削るのに一苦労してます。

この第2話では第1話の薄い描写とは逆に結構濃い描写が続出してますが
医療描写は本編でやりたいので、ミラーワールド版では時事問題中心ですね。
内容もインターネットのできる年齢向けという事でR−13からR禁的表現にしてます。念のため;
2話は個人的にはモンスター事件を知る木嶋と知らない柘植の
診療院内のかみあってなさそうでかみあってる会話が気に入っています。
個人的には高度なプレイなんだよ。コレ・・・

第3話は更に濃くなってますのでヨロシク;