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始まりの鐘が鳴ると同時に、終わりを示す鐘のカウントダウンが始まる。

止めれるものなら、止めたい。

壊せるものなら、壊したい。

忘れられるものなら、忘れたい。



そんなものに流される自分は何なんだろうか………?


―――――――――――――――――――――――  君を守る力が欲しい。





●   夜桜    ●






7月某日。
長いテスト期間も終わって今日からもっと長い夏休みが始まる。しかしそれと同時にたくさんの宿題も課せられる。休みの間、勉強がおろそかにならないように。
そんな中、夏休みが始まったばかりだというのにその宿題の大半を終わらせた人間がいた。レオリオだ。 元々彼は勉強熱心だったが、これほどまでに勉強に熱を入れていることは珍しかった。これには理由があったのだ。



―――――――カラン。

学校のテスト終了して3日目、レオリオはとある町の教会のドアを開けていた。
そしてドアの先に広がる世界にレオリオはつばを飲んだ。 目の前にはステンドグラスで囲まれた祭壇があった。横にはオルガンが1つ。
この時代においてガラスはとても貴重な品であった、物によったら家が一戸立てられるぐらいの物もあったぐらいだ。これがそんないいものかどうかはわからないが、そのガラスをふんだんに使ってあるステンドグラスは綺麗だった。そして絵柄は教会ということだけあってか「神」をイメージしたものだった。金髪の髪の長い……
思わず見とれてレオリオはそのステンドグラスをもっと近くで見ようと思って、歩き出した。 しかし、5歩ぐらい歩いた時、レオリオは足を止めた……。
今までステンドグラスを見るために上を向いて歩いていたので気が付かなかったが、そこには1人の人間がいた。髪の毛は金色、長さはショートとセミロングの中間。身長は自分よりも小さい、見たこと無い服を着た1人の人間。
チラッとしか見えなかったがその顔は…………
まるでステンドグラスの「神」のような…それでいてそのステンドグラスよりも綺麗な………


「―――――――――――――― 君は………?」

思わず声が出てしまった。
その人間もレオリオ同様にステンドグラスを見ていた、悲しそうに、それでいて懐かしそうに…… 横顔しか見えなかったがその顔はレオリオの声に反応して、とても驚いていた。

(…………??)


「――――――――――!?」

ふと目が合ったかと思うと同時にその顔は消えた。
それは言葉で説明できないぐらい不思議な出会いだった。



「ここにいましたか、レオリオ君。」

突然後ろから声が聞こえて振り向けば、そこには1人の修道士がいた。
「すみません、ノックしても返事が無かったので勝手に入られて頂きました。」

「いえ、構いませんよ。こちらこそすみません、ちょっと立てこんでいましたもので……」

その言葉は本当らしくその修道士からは汗が出ていた。普段、神に使えるものとしてこれほどまでに取り乱す事は珍しい。そんなに大変な事があったのだろうか?なんて事をレオリオは考えていた。



「挨拶が送れましたね、私はこの教会の管理者で修道士のクロロです。」

「あれ、牧師さんはいないのですか?」

そう、教会というものの責任者は「牧師」である。修道士は主に「修道院」にいる人間。
その修道士が教会にいるということはとても珍しい事なのだ。

「実は、牧師さんが不足していまして…どうですか、牧師になりません?時給は安いですけど。」

「ははは……本当に牧師さん不足ですか?」

「まぁ冗談なんですけどね、本当はここがとても気に入ってしまいまして……」

だから牧師さんにお願いして住まわせてもらっているんです。とクロロは笑顔で言ってきた。
ちなみに今日は近くの町に医者として患者さん周りをしているらしい。本来なら1つの教会に牧師と修道士、と2人も必要としない。牧師1人で十分なのだ。(元々田舎町の教会だし)だが、この町の牧師は医者としても仕事をしているので、その間の教会の責任者としてクロロを雇ったのだと考えられる。


「しかし、大変ですね学生さんというのは。これ、授業の一環なんでしょう?まぁこちらとしては大助かりですが。」

「そんなこと無いですよ。俺は元々こういうの好きですし、それにこ今回の事で何か大切なものが得られることができるような気がするんです。」

レオリオは笑顔でそう答えた。実はここに来た理由というのは「奉仕活動」なのだ。元々はボランティアの一環として自由参加だったのだが、参加生徒数があまりにも少なく学校側が困り果てて仕方なく参加する事で単位をやると言ったので、単位が欲しいレオリオは飛びついたのだ。運がいいというか運が悪いというか、レオリオの奉仕先であるこの街にはさっきも言ったとおり医者が牧師の他には1人もいないので、ここでは医者の助手としても働かなければならなかった。そんなわけだからこの町の人間はレオリオの奉仕活動を大喜びしている。


「じゃあ、あとで祝いの式がありますのでその時間までは旅で疲れているでしょうからお休みしてくださっても構いません。あぁ、でも一応珍しいのかもしれませんが『教会法(カノン法)』がここの教会にはありますので一度読んでおいてくださいね。」

そう言いながらレオリオは自分の部屋に案内された。これから1ヶ月暮らす自分の部屋に。その部屋は最上階である3階。教会でありながら3階建てというのは珍しいのかもしれないがそれには理由があった。ここにレオリオが呼ばれた理由、医者の助手と…………



……ダダッ

…………ダダダッ



……………………ダダダダッ



バ――――――――――――――――――――――――ン!!!!





「「初めまして――――――――――――――――――!!早速だけど、遊んで―――――――!!」」


壊れかけていたドアが一段と壊れたような気がした。
―――――――――そう、もう1つの理由は遊び相手なのだ。子供の。









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