†不思議の国のレオリオさん†
2
「…っ!…痛って〜」
体に重力がなくなり落ちたのはわかっていたが、一体どこまで落ちたのかわからない。
もしかすると地球の裏側まで来たのではないのかと思うぐらい長い暗闇だった。
「いたたたた…どこだココは?」
レオリオは腰をさすりながら立ち上がった。
かなり派手に地面に体を打ちつけたような気がしたが運良くレオリオは無傷だった。
そしてこんなに急落下したにも関わらず、紙袋だけは死守していた。
そこは出口とも言える扉は1つもなく、窓すらない。密室状態だった。
どこから自分が入ってきたのかもわからないぐらいだった。
周りを見渡すとそこは殺風景な部屋だった、あるのはテーブルが1つとそのテーブルの上に透明なピンク色をした
水(?)が入っているビンだけだった。
「なんだこりゃ??」
テーブルに置いてあるビンを持ちながらレオリオはつぶやいた。
見た事ない飲み物だな…
ビンの飲み物というのは聞いた事ないし。
さり気に振ってみると、透明なピンク色から透明だけど青色の水になってしまった。
???
レオリオの頭には何がなんだかわからなくなってしまった。
いきなり色が変わる水なんで本当に聞いた事も見た事もない、一体これは…
よくアニメや漫画にある、飲むとどうにかなるシリーズだな…
そう思いながらビンをくるくる回し他に何かないか探していると壁に紙が貼ってあった。
紙には『テーブルの水を飲むと貴方は幸せになれるでしょうvv』と書いてある。
やっぱりか---!!どっかの信仰集団じゃねーんだから、そんなんで幸せになるわねねーだろうが…!!
飲んで幸せになるなら、今の状況をなんとかしろっ!!
そう思いながらレオリオは力をこめて手に持っていたビンを自分の前にある壁に向かって投げた。

するとビンを投げたところから煙が立った。とてつもない勢いで、周りが見えないぐらいに。
必死でその煙を払うと壁に人が1人通れるぐらいの穴が開いていた。
「どうなっているんだ…?」
そう思ってレオリオは穴の開いたところに近寄ってみた。
するとある匂いがしてきた…
塩酸。
ふとレオリオの頭にその言葉がよぎった。医者志望という事あってレオリオは色々な薬物など、
少しでも医療に関係あるのもは勉強していた。それがここで役に立つとは…
なんでこんなものが平気にテーブルの上においてあるんだーー!!
俺を殺す気かっ!!!飲んだらどうするつもりだったんだ!?
色んな事が頭の中を駆け巡った。
だが、そんな事を考えていたが考えていても何も始まらない。自分にはこの紙袋をクラピカに渡さなきゃならないんだ!!
とレオリオはそう思って今開けた穴から外に出た。
外はさっきの場所と違って夏の太陽があった。
まぶしくて一瞬目をつぶってしまったぐらいだ。
現実世界に戻って来たのか?夢が覚めたのか?そんな事を考えていたがやっぱりまだ現実世界ではなかった。
相変わらず右手には紙袋を持っているし、なにより景色が全く違った。空以外は。
そこは見た事のない植物が存在する森林だった。
「どこだココは…」
そう思いながら、辺りをうろちょろしていると木の上から声が聞こえてきた。
「あら、こんなところで何をしているのですか??」
レオリオは声のする方向を見た。するとやさしそうな顔をした小さな女の人がいた。
「あんたこそ、そこで何しているんだ??」
「私はセンリツと言います。ここで木に元気になるように歌うを聞かせてあげているの。そういう貴方は?」
そういいながらセンリツは木から下りてきた。
「あぁ、俺か?俺はレオリオって言うんだ。実はクラピカっていうウサギ人間を探しているのだが…」
「あら、クラピカの知り合いなの??」
「えっ?!」
レオリオは驚いた。こんなにも簡単にクラピカを見つける手段を手に入れるとは思っていなかったのだ。
「センリツ!あんたはクラピカを知っているのか??」
「えぇ、よく知っているわ。一緒に仕事しているのですもの。それにさっき電話で話したばかりよ。」
なら話は早い。
「じゃあ、あいつは今どこにいるんだ??」
「今はどこにいるかちょっとわからないから電話してみるわ。」
そういって右のポケットから携帯を取り出した。アドレス登録をしているのかすぐに電話をかけた。
しかしすぐに電話を切った。
「どうしたんだ?」
「う〜ん、どうやらクラピカ圏外にいるみたいね。」
「圏外」??そんなものがこの世界にもあるのか?!というかさっきからアンテナとか一度も見たこと無いんだが?
それから電柱も!などとレオリオはセンリツの顔を見ながら思った。
「しかし連絡がつかないとは困ったな。これを渡さなきゃならないんだが…」
「それは女王様に届けるもののひとつじゃないかしら?」
「女王…様…??」
「そう、女王様。この世界はすべてハートの女王様が治めているの。私たちはその女王様の側近兼ボディーガードをしているの。」
「なんでそんなご大層な地位の奴がわざわざ買い物を??」
「女王様は一度欲しいと思ったものはどんな事をしても必ず手に入れたいし、その為なら手段を選ばないから。」
手に入らなかったら暴れますし…」
「それって我侭なんじゃあ…」
レオリオはそう言いながら自分なりの『女王様』の姿を作り上げた。
きっと身長は高め。髪はロング。爪にはネールアートが施してあり、高飛車な女。
うわーそんなのに仕えたくねぇ〜。
「でも、普段はやさしいのですよ。」
センリツはさり気にフォローした。
「ふーん。じゃあ、これクラピカに渡してくれるか??俺、女王様に会いたくないし…」
苦笑いをしながらレオリオはセンリツに紙袋を手渡そうとした。しかしセンリツは笑顔で
「それはできないわ、ごめんなさいね。今から花を摘みに行くので…」
「それも女王様のお使い?」
「ええ、そうよ。貴方も行く?」
「ご遠慮します。」
キッパリと断るレオリオにセンリツは笑っていた。
「じゃあ、クラピカに会える近道を教えますね。そうすればきっとすぐにクラピカに会えるから。」
「本当か??」
「えぇ、こっちよ。途中までは私が行く方向と一緒だから一緒に行きましょう。」
そういうとセンリツはさっき自分が来た方向とは全く逆のみちを指して歩き出した。
「悪いな、ありがとう。」
レオリオはそう言ってセンリツと話しながら歩き出した。目の前は森。
歩く事30分。
単調な登り坂だったので楽に歩いてこれた。
その間レオリオとセンリツはいろんな事を話していて、すっかり仲が良くなっていた。
そして今目の前には今まで歩いてきた森の中の道よりも、
もっと深い森が立ち並んでいた。昼なのか夜なのかはっきりしないぐらい暗い道。教えてもらわなきゃ
気づかないような細い道が一本だけある。そしてその道の前には1つの立て札がある。

「この先よ。」
「この先か…って、センリツ!!この看板『危険』って書いてあるぞ?!大丈夫なのか??」
「大丈夫よ。『危険』って書いてあるだけで、『立ち入り禁止』とは書いてないから。」
にっこり微笑むセンリツ。その笑顔が逆に怖い。
「本当かよ。入ってすぐ崖とか、大量の見たことの無い生物の熱烈歓迎とかないよな…?」
「ここは注意して歩いていけば全然平気よ。そいうい物はいないわ。それにあなたならきっと大丈夫。」
「???」
最後の言葉が微妙にひっかかるが、センリツも使いで忙しいし、なによりクラピカに早く渡さなきゃ
ならないのであえて聞かなかった。
センリツにお礼を言った後レオリオは教えてもらった道を歩きだした。
道は人が1人歩ける程度の道だった。おまけにさっきまで歩いていた道よりも暗いし、なによりやっぱ
り見たことの無い植物が生い茂っていた。でもさっきまで心配していた崖や地球外生物みたいな生物の
熱烈歓迎は無かった。
なーんだ俺の思い過ごしか。そうだよな、あの看板だいぶ古かったしきっと何十年も昔のことなのかもしれないな…。
そう思っていたら、光が見えてきた。
どうやら森から出たみたいだ。
「やっと出口か。」
そう言いながら森を出ようとしたとき、声が聞こえた…
その声が聞こえた方向を見てみると2人の12.3歳ぐらいの男の子が大きな長方形のテーブルをはさんで話をしていた。
1人は銀髪で猫目っぽい子もう1人は黒髪で活発そうな子。
でも2人とも正装ともいえるような服を着ていた。
「やっぱり紅茶はアールグレイだよねvv」
「そうか?俺は紅茶よりコーヒーがいいな。」
「何で??おいしいのに。」
「好みだろ。それよりお茶菓子はないのか?」
「そうくると思ってたくさん用意したよ、ほら♪」
『おおっvv』ともう1人の子がいいながら黒い髪の男の子が「どこから出したんだ?」と言わんばかり
のお菓子を出した。
「なんだこいつら?」
レオリオは何でこんなところでお茶会みたいなものをやっているんだ?と思いながらその2人を木の陰から見ていた。
声を掛けようとしたが2人で楽しんでいるところを邪魔したら悪いし、先程のセンリツの話しでこの世界には変な事や
人物が多いという固定観念が生まれていたので、そのまま通過しようとした。
その時………
「パキッ…!!」
下を見ると小さな枝を踏んでいた。瞬時に声が聞こえた。
「誰だ!?」
レオリオは固まってしまった…。
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