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入ゼミレポート

2000年3月30日


 私が研究会に入り、ぜひとも研究したい分野は『都市の開発』です。特に日本の国による開発の限界・民間企業による開発を研究したいと考えています。
 都市開発の基本は住民第一であるということだと考えています。今まで見て、感銘を受けた都市は2つ、京都とカナダ・トロントです。京都には長い間受け継がれてきた伝統によって街に統一感があり、あたらしい家を建てるのでも周りの環境を考え、それからはみ出さないようにと、また、大きな景観を損なうような建物建設については大規模な抗議で抵抗したりと、個人レベルから街を作っている印象を受けました。トロントには高校時代留学していた街が近く、良く足を運んだのですが、新しいものを随所に散りばめ、その新しいものと新しいものの間に周りに習って同じ雰囲気の建物を建ててゆく、そして広大な国土を使ったゆとりのある街に仕上げられている新しい都市・トロントとして大変印象的でした。両都市には統一された美しさと、街を大切にしようという活気があふれ、住民に愛されている、そんな気がして、うらやましい気持ちになりました。
 研究したいと考えた理由は、自分の住んでいる街がこれらの街のように住民から愛され、活気あふれる街であって欲しい。またその政策を自ら考え出せればこれほどすばらしいことはないと考えたところからです。
 大規模な街づくりでは、国が力を持っており、さまざまな規制緩和の結果、多少の健全化されてきたようにも見えますが、依然として国の大きな力の下、民間どころか、自治体ですら自由な開発を行うことが出来ないという理不尽な政策には疑問があります。さらに、最近では国による開発が時に、大変な的外れに終わることがある、ということが、良くニュースでも取り上げられていました。その理由の第一に、その土地、住民のことを良く分らないまま、事前調査もそこそこで事業に取り組んでしまったこと。第二に、税金が出資もとだからか、採算を良く考えなかったこと、があるとおもいます。無償で提供している公園等ならそれでも住民が納得すれば良いと思うのですが、『地域活性化』を謳い、作り上げたテーマパーク等が失敗に終わり、閉鎖なんていうのはまったく話にならないと思います。
 日ごろ私達が何気なく生活しているこの都市をより住みやすく、活気のあふれるような魅力的な都市として構築しようと試みることは、街の住民達はもとより、その街に根付く民間企業にとっても企業目的である利潤追求を行う上で魅力のあることだと思います。民間によって開発が行われるメリットの一つは、同一の『愛される街づくり』という目的を持てる可能性があり、それゆえ住民のための開発が行われやすいということ。もう一つは、開発が利潤追求を目的とする企業によって行われるため非経済的な不毛の開発が減るだろうと予測されることがあると思います。
 これまでも、民間の力を導入しようと民活というものがあったと聞きましたが、それはもともと80年代後半からの内需拡大政策から始まったもので、いわば需要対策であったものです。ところが、バブル期に地価高騰がおこるとオフィス不足からの供給対策に回してしまったらしいのです。過去のことは良く分りませんが、いずれにしても否定されるような政策に頼るよりも、住民のことを第一に考え新しい政策を見出さなくてはならないと思います。
 今後の研究計画は、初めて研究という言葉に触れるということもあり、今ひとつはっきりとしたビジョンが掴めないのですが、国・地方自治体の行った開発の中で莫大な借金だけを残して消えていったテーマパークや、開店休業状態のスキー場について、今後なぜこういった開発がおこったのか、もし利潤追求をモットーとする一企業に開発が任されていたら事前の調査でなんらんかの不安材料を見つけられたのではないのだろうかということを考え、国による開発と、地方自治体による開発、そして民間による開発のなかでより地域住民の納得のいく開発が出来るのはどこか比較・研究していきたいです。
 具体的な都市開発の問題として、今、興味があるのは自分の準地元である愛知県瀬戸市の万博跡地利用の問題です。いま愛知県は共同住宅案を再考している段階と聞いていますが、この場所を民間に委託して開発させたらきっと愛知県の考えているものとはまた違ったものが出来るはずです。1988年の名古屋デザイン博覧会のときの跡地は国際会議場等なったそうですが、住民に愛される地区になったかというとそうではありません。今度の万博跡地こそは住民に愛される地区に育って欲しいのです。時期は迫ってきていますが、この万博跡地に自分なりの提案を出していきたいです。
 これから先、将来どんなに小さな街でも、町内でも、コミュニティーでも住民に愛される街を自分で作って見たいという夢をかなえるため、京都・トロントをはじめ、アメリカ・サンフランシスコ等世界中の都市開発の進んでいるといわれている地域を調べ、何が違うのか、なぜその違いが生まれたのか、最高の結果を残せる政策とはいったい何なのか。その政策は、本当に住民が愛せる街に成長するのだろうか。自分なりに答えを導き出せたら良いと考えています。