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問われるモラル
―図書館マナーを考える―

309号2面・大学

 六月上旬、本学付属図書館工学分館に「このゲートの先は飲食禁止となっています。飲食物を持ち込まないでください」という掲示が出された。.工学分館の職員によると、「最近ペットボトルやお菓子を館内に持ち込む学生が増えたので掲示を出した」とのことである。幸い掲示を出してからは館内での飲食行為は見られなくなったという。

 工学分館では昨年の夏にも同様の事例が起こっている。大学院入試をひかえた多くの学部学生が勉強の場として工学分館を利用していたのだが、その際にも閲覧室には飲食物が持ち込まれていた。

 それ以外にも、ベランダや屑入れへタバコの吸殻を投げ捨てる、飲み残したペットボトルや缶を机の上に放置する、ごみ箱からはみ出す程大量のお弁当のごみを持ち込む、等多くのマナー違反が見られた。特にごみの問題が深刻であり、普段の日でも業務用のごみ袋で二つから三つ、休み明けの月曜は袋五枚分もの量のごみが出され,職員が朝一番で対処しなければならない程であった。

 これに対し図書館側は、注意を促す掲示を出す、灰皿を撤去する、一斉に掃除をする等の対処を行った。その結果学生のマナー違反はおさまった、とのことである。今回の掲示は昨年のような事態を早めに予防するためでもあった。

 また、その他のマナー違反については、携帯電話の使用がある。本館では電源を切るように、との放送があるが、工学分館では表向きは使用を禁止していない。しかしそれは使用を認めているのではなく、学生の良識にまかせているためである。携帯電話に関して、図書館側は、あまりひどくなるようであれば何らかの対処をする、とのことである。他にも館内で堂々と寝ている人がいれば注意しているという。

 これらのマナー違反の防止のために、図書館は先に挙げた対策以外に館内の見回りも行っている。本来は館内点検のためなのだが、そこで気になる学生がいれば注意している。ほとんどの学生は素直に注意を受けるという。図書館側としては、今のままなら大丈夫だが、もしマナーの低下がひどくなるようであれば入館制限なども考えている、とのことである。

 しかし、マナー違反の行為は一部の学生だけであり、大多数の学生はルールを守って使用している。図書館側も学生を信用しているからこそ、監視するようなまねはしたくないそうである。

 「汚いところは汚くなる、きれいな所はきれいになる」とは職員の方の言葉である。図書館がルールを守って使用されていれば汚そうとする学生はいないだろう。一人のモラルの低下が他の学生のモラルの低下につながるのである。

 試験や大学院入試をひかえ、図書館の利用者が増える事が見込まれる中、学生一人一人のマナーが問われている。


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