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堕ちたるキズナ






 一一一俺と詩織が物心ついたころ、多分それくらい昔の話だ。

 俺達は暗く、汚れた『牢屋』の中にいた。





 ある日、俺の体から触覚がなくなった。
どこを触られても、切られても痛みがない。

 ”卑・泥獄堕法 第一法『不死』”

それのアフターリスクだといつしか知った…。

 なにも感じることの出来ない身体…。
詩織の温かさすら…。

 詩織。

世界でたった一人の、かけがえのない……その時の俺の宝物。
大切な…守るべき…妹…。

 本当は…兄妹であったかどうかは分からない、覚えている限りには、いつも詩織は俺を『兄』と呼んだし、
俺も、詩織を実の妹の様に思っていた。

 だが、
そう思い合い、その絆を信じ、互いを支えあってきた俺達に、一つ、亀裂が走った……。

 それは大きく広がり、やがて俺から生きる意思を奪いとっていった…。
詩織もまた、禁呪を受けていたと言う事実。
 詩織も俺の様に壊れてしまったのか、という不安。
俺の疑心暗鬼の心が生んだ亀裂だった。



 細いガラスのロープを渡る様な、そんな日々をおくっていたある日、
俺の中の何かがキれ、暴走した感情のうねりは、詩織を押し倒し、その首に手をかけさせた。
何故こんな事をしたのかは分からない。思い出せもしない。

 キリキリと細い首が更に細く締ってゆく…。

 瞳孔が開き、全身の血が熱く、熱く燃え、逆流するのを自覚していた。
触覚ではなく、客観的な、まるで自分を見下ろしている自分がいるように。

 その時だった。

俺の頬が詩織に撫でられているのを『感じた』のは。

 温もりが、忘れていた感覚が、俺を急速に我へと帰してくれた…。
涙が……止まらなかった……。

 詩織の頬に何滴もしずくを落とした。
自分がイヤになった……。
たやすく壊れてしまう自分に。

 絶望にうなだれていた時、もう一度、失った筈の感触が甦った。







今度は唇に………。




 その温かさが、闇の中に射した光明の様で…。

「お兄ちゃん…、寂しいときには、暖め…合おう?」

 詩織の言葉が言い終る前に、俺は、俺は…。

地獄の底でなお笑った彼女をむさぼった。
 笑顔は壊れなかった。








 後に、研究員どもの会話を聞いていて知ったのだが…。
あの時、『卑・泥獄堕法 第二法「侵心犯精」』を掛けられた時、
その時から詩織には第六感…いや…頭脳をやられていたらしい。

 細かく言うなら、『良識』『禁忌』『正邪』等の人としての呪縛から解放されていた。

 純粋………と言えるのかもしれない。
皮肉な事に、禁呪が詩織から陰りを取り払い、結果。
俺はそんな詩織に支えられた。

 やがて俺が『力』を手に入れ、『施設』を破壊した後は何事もなく…
多分なにもなく、平和に暮らす事ができていた…と思う。

 だが、『施設』を壊しても、俺達をモルモットにしたあいつらを殺しても、
俺はどこか壊れていた。

 温もりがなかったから。
 街の誰に触れても、どの女と肌を合わせても、温もりは感じられなかった。
飢えていたかもしれない。温もりに。

 だからだろう。
俺はいつも詩織を傍に置いていた、いや詩織の傍に俺がいた。
欲しかったから。
与えてくれるから。
詩織は俺に温もりをくれたから。
罪と知りつつ、畜生よりも下劣に。


俺は。




俺は。




……。

むさぼりクウのだ、彼女ヲ。







ちょいと後書き&補足 すみません(ヲイ)
金曜日とか言って日曜の午前になりました。
これもひとえにヲイラの怠慢と初期設定書がなかなか見つからんかったせいです。ゴメンナサイ。

さて、裏設定暴露では面白くないだろう、と小説風に仕立てました。
遠い未来の一本木君が昔を回想しているんですね。

この『施設』時代の一本木は10才、詩織ちゃんは8才。
………ヲイラはロリじゃないやい…!(説得力薄)<ミレニアまんがをどう説明する?<自分
くっ! やるな! オラにここまでダメージをあたえるとはッ!<進行しなさい。

ともあれ、だ。
卑・泥獄堕法の1と2、更には後半で4も勝手に作ってしまっているヲイラですが、
怒らないでね(はぁと)
説明すると、1のアフターリスクは触覚の喪失(ザトーにならって5感関連)
2は人間としての倫理の破壊。6感は関係ないっすね。(汗)
4は…まだヒミツにょ♪

ここで詩織ちゃんをキ◯◯イな子と思ってはいけません。
彼女には常識も優しさもある、極普通の女の子です。
ただ…。


 詩織ちゃんが誰かに殺意を持ったとする、彼女は常識で判断して人殺しは良くない事を知っている。
しかし、それはまるで食前に手を洗う程度の重みしかなく、簡単に破ってしまうだろう。

…分かりにくい例だな…。
まぁ、極論すれば、常識よりも自分の利害、感情に忠実に生きてる訳ですな。
獣なみに…(ぼそり)

んでは、ギルティさん、以上を参考に詩織ちゃん小説でも書いてください。(死)
ただしその場合は絶対ヲイラにもくださいよ?

更に裏設定で、詩織は『施設』が何処からか入手したリィルコピーの一体と言う話もありました。
実験目的は人間以外に禁呪を掛けた場合の変化の観察、測定
ちなみに一本木は生まれながらにして『気』の流れを操れたので、買われた。
そこで疑似兄妹として閉じられた空間に入れられたんだよねー。