犯罪の性質によってPTSDにも特徴があります
犯罪の種類とトラウマ

5分に1件、10分に1件、20分に1件。これは、アメリカで起こる「犯罪の年間総数」を現すもので、左から、窃盗、レイプ、殺人の割合を現しています。このように、アメリカでは分刻みで何かしらの事件が起こっています。
そして、それらの事件に関わった全ての人が、心に大きな傷を抱えて生きています。その数は、アメリカの人口の5分の1とまで、言われているほどです。

「犯罪による心的外傷後ストレス傷害」と、一口で括っていますが、犯罪にはいろいろな種類があり、その種類によってトラウマの形態、現われ方、PTSDの症状も変わってきます。例えば、レイプされた被害者と、詐欺にあった被害者では、若干異なった症状が現われるです。
特に、犯罪の性質によっては「考えられないような、特殊な」症状も現われてきます。

ここでは、犯罪の種類によるトラウマについて説明してゆきます。犯罪を勝手に分類してまとめてありますが、これはあくまでAimeeが便宜上、勝手に分類したものなので学術的な参考にはしないでくださいネ

1 生命を脅かされる事件 -長期にわたる暴力事件
誘拐、監禁
暴力や脅しや騙しで、人を連れ去り、一定の場所に拘束することを言います。誘拐が長期にわたればわたるほど、被害者のトラウマも複雑化してゆきます。場合によっては、犯人との心理的結合が出来上がる「ストックホルム症候群」が現われる確率が高くなります。また、解放された後も、PTSD を長期的に発病する場合があります。
拷問
被害者に、肉体的、精神的な苦痛を与えることを言います。ほとんどが、誘拐や監禁と共に行われます。拷問の被害にあったばあいも、トラウマが長く複雑化します。他の犯罪に比べ、失感情、離人感、幻想、幻聴、不安神経症、鬱を発病する割合が高くなります。
家庭内暴力、幼児虐待
夫婦間の暴力、親子間の暴力を指します。子どもが被害者の場合は、子どもの人生を通じてPTSDの発病をする割合が高くなります。この犯罪は、被害者の「自尊心、自信」を極端に低くする作用をもっており、よって、不安神経症や対人恐怖、鬱、過食、拒食、アルコール中毒症状などを引き起こす確率が高くなります。
2 生命を脅かされる事件 -短期的な暴力事件
強盗
暴力や脅しで、他人の金品を盗む行為をいいます。被害者と犯人の接触が長ければ長いほど、傷害事件がからむほど、トラウマは複雑化して長引きます。とくに不眠、パニック、広場や閉所恐怖、対人恐怖になる確率が高いでしょう。
窃盗
他人の金品を、気づかれない様にそっと盗み出すことを言います。犯人との接触が少ないため、トラウマも軽度の場合が多いでしょう。だだし、不安神経症やパニック障害になる確率が高いのです。
傷害事件
人の生命や安心を暴力で脅かし、実際に肉体的に傷つけることを指します。この犯罪は、他の犯罪と同時に行われることがあります。肉体を実際に傷つけられる(生命を脅かされた)犯罪なので、トラウマも深く残ります。特に、不安神経症、鬱、などに襲われることが多いのです。
脅迫、恐喝事件
相手を傷付けると脅して、相手から金品を巻き上げたり、性的関係を要求したりして、相手に精神的、心理的危害を与える犯罪のこと。脅迫されていた時間が長ければ長いほど、被害者は心理的に追いつめられ、パニック、鬱、不安神経症などの症状をおこし、自殺を計る場合もあります。心理的負担の大きい犯罪です。
3 生命を脅かされる事件 -性的暴力事件
レイプ、デイトレイプ、強制わいせつ
相手の許可なく、暴力や脅しで性行為を持つことを指します。「レイプ症候群」(レイプによる心的外傷後ストレス傷害)という言葉が独立してある程、もっとも多い犯罪です。被害者は、対人恐怖、鬱などに襲われ、場合によっては自殺に追い込まれてしまうこともあります。事件後の被害者のケアが、一番重要となってくる犯罪です。
セクシャルハラスメント
相手の嫌がる性的な言葉を言ったり、行為を要求したり、許可なく故意で相手に触れたりすることを指します。長期で行われれば、それだけトラウマ化する傾向にあります。対人恐怖、広場恐怖、パニックなどになる確率が高くなります。
近親による強姦(近親によるレイプ)
親、兄弟、子どもなどに、無理矢理性的行為を強いる場合を指します。特に子どもが被害者の場合、人生を左右するほどの大きなトラウマを抱えてしまう場合があります。速急な解決が求められる犯罪です。
4 生命を脅かされる率が少ない犯罪 - 物品的事件
空き巣
留守宅に忍び込み、盗みを働く犯罪のことを指します。被害者と犯人の接触が無いため、直接的なトラウマは少ないでしょう。ただ、犯行自体が被害者の恐怖心を煽るので、パニック、不安神経症になる確率が高くなります。
車の盗難
上記の「空き巣」と同じです。ただ、被害者と犯人の接触があった、または、被害者が現場を目撃した、などの場合には、トラウマを残す確率が高くなります。
横領
他人のものを、不法に自分のものとしてしまう犯罪を指します。これも、被害者と犯人の接触が少ないため、直接的なトラウマは少ないでしょう。ただ、損失による心的ダメージ(鬱)、また、信頼していた人が加害者である場合には、対人恐怖、人間不信などに陥ることもあります。
5 犯罪とのラインが引きにくい事件 - 心的事件
詐欺
他人を騙して、金品を騙し取ったり、心理的に被害を与える場合を指します。被害を受けた本人が「詐欺」と気づかない場合もあり、その場合は、周囲の人も巻き込まれます。長期的にわたった詐欺の場合には、トラウマも深く、鬱や自己嫌悪、自殺などを計る場合もあります。
洗脳
ある理論や生き方を押し付けて、他人の個性や信念などをかえてしまうことを指します。カルト集団やマルチ商法などに使われることがあります。これも、本人が「洗脳」と気づかない場合が多く、周囲の人も巻き込まれます。一度、洗脳が解ければ、周囲の人の協力でPTSDの症状は少なくなります。
プライベートへの侵入
検挙するのに、もっとも問題がある犯罪です。下記のストーキングなどと共に行われることもありますが、いたずら電話、ゴミのコレクティング、下着泥棒、戸籍の操作、なども含まれます。本人の知らないところで犯罪が行われるため、本人の恐怖心が煽られます。その為、パニックや不安神経症、外出恐怖などになる確率が高くなります。
ストーキング、ネット・ストーキング
ストーキングは、実際に「他人を監視する」行為で、ネットストーキングは、「インターネット上で他人を監視したり、他人を冒涜したり」するプライベートへの侵害行為を指します。これも、実際に検挙されることは少ないのですが、本人の精神的ダメージは大きく、パニック、不安神経症などを発病することがあります。
6 二次的被害 -目撃者と関係者のPTSD
殺人の目撃
上記の項目に「殺人」はありません。PTSDになるのは、その現場を目撃していた人と、被害者の関係者です。目撃者の場合、犯人にねらわれるのではないか、などの恐怖心や、殺人現場目撃のショックでパニック、鬱、助けられなかった自分を責め立てる、などの症状が起こります。
殺人以外の犯罪の目撃
他人の生命が脅かされているのを目撃して、自分にも同じようなことが起こるのではないか、と恐怖心を煽られます。そのため、パニック、不安神経症、不眠などになる場合があります。
被害者の家族や関係者
被害者の心のケアをする人、救出に関わった人、家族なども、2次的に犯罪を再体験してしまいPTSDになってしまうことがあります。この場合は、圧倒的に鬱病を発病することが多いのです。

上記のどの犯罪の被害にあっても、PTSDを発病します。どの犯罪の被害にあっても、被害者は同じようにPTSDで苦しみます。下着泥棒された人の方が、誘拐された人よりもPTSDが軽いだろう、などという病気のランキングはありません。犯罪の被害にあった人、そして、その関係者は同じように苦しみを背負ってしまうのです。

Aimeeは、個人的に「誘拐、監禁、脅迫、レイプ、洗脳という一連の事件」の被害にあった後、PTSDを発病しましたが、それ以外にも、強盗、窃盗、ストーキングの被害を受けてしまいました。これらの記憶が、現在、PTSDという形でAimeeを苦しめ続けています。いやな記憶を消すことはできません。季節、街の雰囲気、臭い、色、風景、全てのものに犯罪の記憶が思い起こされ、その記憶に、日々、真綿で首を絞められるように苦しめられているのです

けれども、PTSDと共に生きて、たくさんの人に救われてきました。PTSDになって初めて、人のありがたさや暖かみが分かったような気がします。PTSDも、悪いことばかりではありません。犯罪まみれ、PTSD発病のクルクルになったAimeeも、恋愛をする事があるし、海外旅行にはゲロりながら行けるし、仕事も何とかしています。

改めて、この病気に興味を持ってくれた皆さん、ありがとう。

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