アクアライン
01月11日
【前日】
3連休。何もすることがない。休日に何もすることがないというのは、自分自身にとって非常にマイナスであると考えている。休養日に当てるというのも考えられるが、3連休ずっと休養するのも、健康な若者としては(若者というほど若くないけど)どうかと思うわけである。
どこかへ行くとしたらどこへいこう…手近なところでは、アクアラインにいったことがない。浜松でレンタカーという技を覚えた私は、アクアラインに言ってみようという気になる。
しかし一人で行くのも少し寂しいし、村田君が車を出してくれればレンタカーを借りる必要もない…というわけで、村田君にメッセージを投げてみる。
村田君はすぐに応じてくれたが、
「あそこって、カップルで行くところじゃん」
とわずかに抵抗を示す。カップルがいこうが、家族連れがいこうが、いってみたいものはいってみたいのである。
95年の開通当時、私は大学生であったわけだが、ニュースでウミホタル(アクアラインのサービスエリア)の連日の混雑振りが伝えられてきた。当時は東京で車に乗ろうという発想がなかったものの、いつかバスでそこへいってやろうと思っていたのだが、ここへきて野望は実現されることになった。
いつも遠出するときは一緒の織田ちゃんは、この日調子が悪いということで、アクアライン行き(次の日)も無理だろうなあ、と村田君と話しつつ、一応メールを送ってみる。
【合流】
約束は午後の2時。私が新宿でちんたらしていたら村田君はさっさと用事を終え、1時40分頃携帯に電話がかかってきた。吉牛を食べる予定を切り上げて、明大前へ。
ちょうど明大前で、村田君の電話に織田ちゃんから電話がかかってきた。アクアライン行きへ参加するという。ほとんど諦めていたのだが、うれしい誤算だ。
浜田山という駅で昼飯を食いつつ、織田ちゃんを待つ(写真)。井の頭線の駅なんてとんと縁がなかったのだが、降りてみると過ごしやすそうという印象を受けた。吉祥寺にも渋谷にも出れるしね。
約40分の待機の後、織田ちゃんと合流。車をディーラーへとりに行く。井の頭通り沿いはディーラーがたくさん並んでいる。今まで車がほしいと思ったことがないから注意を払ったこともなかったけど、なるほど、車が入りやすそうな大きな道沿いには、車のディーラーが多いらしい。
ディーラーで手続きを終え、車を受け取る。車はもちろん、村田君の愛車のランサー(写真)である。ランサーにはいろいろとお世話になっている。
今回は私がナビをした。環七をくだり、川崎市の湾岸の工場地帯へ。
本当にここも首都圏か、と思うほど風景は一変する。工場の敷地、敷地、敷地…。店などほとんどなく、ただひたすら工場や石油備蓄基地が並ぶ。アクアラインは、そうした川崎市の産業道路が海に突き当たったところから、始まっていた。
【トンネル】
アクアラインの70%くらいが、トンネルである。このトンネル、実にでかい。このトンネルを形容するのに、でかいという表現以外見つからない。
まず、天井が不必要に高い。この高さの天井を必要とする車は、4段重ねのレッカー車(そんなものはないけど)くらいしか思いつかない。それでも余裕はずいぶんあるだろう。
そして、車幅もずいぶん広い。山陽道と同じく、路肩は非常に広く取ってある。車線より広いくらいである。そしてその車線も、バスやトラックでも左右にかなり余裕がとれる。なんでこんなでかくしたのだろう、という疑問もないではなかったが、高速道路では路肩を十分に取って万一に備えなければならなかったろうし、まあそれもありか、と思う。
最初海底に潜る部分は、急な下り坂になっている。そして下り坂が終わったところから、先の見えない直線に入る。
私は終わりの見えないトンネルは、見たことがない。呉市のクレアラインのトンネルだって、かすかに先にトンネルが曲がっているのが見えるのである。
しかし、アクアラインは終わりが見えない。どのくらい見えないかというと、ずっと先に走っているトラックの背を、トンネルの終点とみまちがえたくらいである。ちなみにトラックが走っているのは、全体の1/3もいっていないところだった。(あとで追いついた。)
この広くてやたら長いトンネルは、スピードを出してもぜんぜんスピード感がないのも大きな特徴である。80km/hで走っても、それは一般道を40km/hで走っているかのよう。横を豪快に抜かしていった車も、あまりスピード感を感じていなかったのではないだろうか。何しろ、終点がちっとも近づかないのだから。
この珍しいトンネルをできれば写真に収めたかったが、さすがに高速道路の真中で車をとめるわけにもいかなかったので、目に焼き付けることで諦めることにした。
しばらく同じ光景の続く走行の後、やっとこさ上り坂が見えてきた。ここをあがると、ウミホタルである。
【ウミホタル】
アクアライン唯一のサービスエリアということで、しかも東京湾のど真ん中に浮かんでいるということで、開業当時は非常に話題に上ったものである。
私たちがいったとき、交通量の少なさに比例して、パーキングもがらがらだった。その日は気温も低く、海上で風が強いことを考えれば、当然だったかもしれない。
車をとめたとき周りにもいくらか観光客がいたが、どいつもこいつもカップル(もしくは団体客)だった。村田君の予想は正しかったようだ。
とりあえず、ウミホタルと銘打ってある置物の前で写真をとる。そういった置物が全部で実は4個所もあり、当時の盛況振りを思い起こさせるが、現在は外に出るのが寒くて、店の中にたむろす人ばかりが目に付く。
私たちはそんな中、海近くまで降りていき、アクアラインのトンネル部の掘削に使われたというカッター(写真)の前に立った。私は最初何かのオブジェかと思ったのだが、そうではなかったらしい。
私たちがウミホタルに到着したときはすでにあたりは真っ暗で、写真をとっても何も写らないだろうと思ったから何も撮らなかったが、ウミホタルからは東京湾岸のあらゆるところが見渡せ、夜景はなかなかにロマンチックである。カップルが集まるというのもうなずける。
売店へ入り、私は東京ピーチを、村田君と織田ちゃんもそれぞれ食べ物をお土産に買う。寒かったのでウミホタル焼き(タイヤキのウミホタルバージョン)などほおばる。
【マニュアル車の運転】
そこで40分くらいうろついただろうか。ウミホタルをあとにすることにした。しかし途中で、駐車場の広く開いたところで、私にランサーを運転するよう、村田君が言ってきた。
私は、誰も知らないだろうが、実はマニュアル免許取得者である。教習所以来9年ぶりになろうかというマニュアル車を、私は久しぶりに触ってみることにした。
まず、発進ができない。ギアをファーストに入れて発進するのだが、ギアの切り替え時アクセルを軽く踏むという動作を、すっかり忘れている。
スピードが上がると、セカンドへ。このあたりは走っている途中だったから、素直にできた。しかし問題は、とまるときである。止まる前にニュートラルに戻さなければならないのだが、それを忘れて、とまるとき「がたん」となる。何が起きたか解説もできないくらい、マニュアル車を忘れているのである。
まあ、私は一生オートマでいいや、と心の中でぼやきつつ、村田君に運転を交代した。我ながら、あきらめが早いやつである。
アクアラインの後半は、橋である。最初大きく盛り上がり、その後平坦な道を進んだ。あたりはすでに暗く、私たちは対岸の町の光のみを見ることができた。
アクアライン突破後、私たちは高速道路を一区間進み、その後国道16号線に入った。
【16号線】
国道16号線は房総半島の西海岸沿いを進み、そのまま茨城県のあたりに突入する道である。私たちはその道路をひた走りながら、千葉県名物と思しき飯屋を探した。
しかし、なかなか見つからないものである。実はホームページで下調べしたときもそうだったが、千葉県だと銚子市のほうまでいかないと名物がない。木更津とか市原とかだと、うまい飯屋でホームページに載っているところといえば、ラーメン屋になってしまう。
ラーメン屋もやむなし、と思っていたのだが、なんと16号線の左手の海岸沿いには、ずっと工場が立ち並んでいる。そして中央には植え込みが続く。左右、店など全くない。
そんな状態が実に30分続いた。逆にいうと、千葉県の海岸沿いの工場地帯、恐るべしである。
市原市の市外に入り、ようやく店が建ち並んだが、私の優柔不断さが原因で、これだという店の前でストップがかけられなかった。そのまま市原市を突破してしまう。
期待していた千葉市も海岸沿いでほとんど店がなく、そのまま突破して北上しそうだったので、私は海岸沿いにコースを変更してもらった。こうなったら東京方面に向かい、店を探そう。
【環七】
葛西臨海公園の前をとおる国道357号線をとおって、都心部へ向かう。今回も私の道の選択ミスで、道路沿いに店がちっともない。さらに道に迷うというおまけつきで、久々に木場のあたりを車を走らせてしまった。
ときすでに9時。昼飯が遅かったといっても、私たちのおなかは限界に近い。さらに織田ちゃんは昼ぬきで(というか昼に目覚め)ウミホタル焼きを食べただけだから、空腹はいっそうである。私たちは都心を突破して環七に入り、ラーメン屋を探す。昔は環七を走るたびに、ラーメン屋の前の路駐に迷惑したものだが、今回はその路駐を目印にラーメン屋を探す。
しかし探そうとすると逆に見つからないもので、走っても走ってもいいラーメン屋がみつからない。ついに3,4台車が止まっているところをみつけ、そこに車を寄せてもらった。ちょうど環七が青梅街道とぶつかる手前である。
ラーメン屋は、二軒あった。一軒は何の特色もなさそうなラーメン屋。6,7人の団体さんが入っていて、狭苦しそう。もう一軒は、究極の九州麺が売りのラーメン屋。客は少なかったが、究極の九州麺が試してみたくて、細麺のラーメンを頼む。
はっきりいって、うまかった。どんたくらーめんというところである。機会があれば、また行ってみたい。
ラーメンを食い終えると、私たちは解散することにした。野方で織田ちゃんを下ろし、私は山手通りの東中の駅周辺でおろしてもらった。
半日のプチトリップであったが、ずっといきたかったアクアラインを制覇した。村田君の車がなくなってしまうまで後半年。それまでにまたいきたいところへはいっておきたい。
【本日の足取り】
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