ぼくのおしごとは いなくていい人
たかえさん
絵のない絵本ながめて笑う
あのこの髪に白髪がめだつ
ねむれぬぼくの天井裏で
ねずみの数はふえてゆく
左にまわる時間をながめ
やもりのように壁ぐらし
あのこはとても退屈そうだ
白髪を数えて今夜もねむるだけ
自分のしっぽのみこむ蛇が
砂漠で乾いて砂になる
ねむれぬ君の目かくしが
きつくしめなおされて朝がくる
ベンチの消えた市役所前の
時計の下でうたうのを
最後にみたのは半年前さ
噴水にうかんだパンの耳
腹をすかした野良犬と
ひがな一日わけて食べてた
町のあかりがなくなった夜も
ラムネのビンに花をさして
うかれておどるすてきなやつさ
誰もあのこにゃさわれない
絵のない絵本ながめて笑う
あのこの髪に白髪がめだつ
ねむれぬぼくの天井裏で
ねずみの数はふえてゆく
<作詞・作曲:柳原幼一郎>
<編曲:たま>