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三浦綾子を読む

 2000年7月に北海道を旅行しました。札幌、小樽、、美瑛、富良野、旭川など訪れましたが、やはり夏の北海道はいいなあと思いました。丘の町美瑛ではラベンダーがちょうど満開で、見渡す限り紫のラベンダー畑はやはり北海道でないとみられない景色だと思いました。富良野では「北の国から」が撮影された場所や五郎さんの家を見学して、昔みた「北の国から」を思い出しました。

 知っている人も多いと思いますが、旭川は三浦綾子さんの小説「氷点」の舞台として有名です。現在旭川には三浦綾子記念文学館があり、三浦綾子さんや作品に関する様々な展示が行われています。

 それまで、テレビドラマ化された「氷点」、映画化された「塩狩峠」を観たことはありましたが、三浦さんの小説を読んだことはありませんでした。しかし三浦綾子記念文学館で三浦さんの作品や考え方に少し触れることにより、三浦綾子を読みたいと思って北海道から帰ってくるやいなや図書館へ行き三浦さんの作品を借りてきて読みました。

 三浦さんの作品を読む以前に三浦さんに関して知っていたことは、プロテスタントのクリスチャンであること、全くのアマチュアであるときに朝日新聞の懸賞小説に応募し氷点で見事入賞したということぐらいでした。最初いくつかの短編小説を読みましたが、正直言うとどれも一回り小さい感じがしました。しかし長編小説を読み始めてから、がらりと印象が変わりました。長編小説は本当によく組み立てられていました。三浦さんは多くの小説や自伝、人物伝を通して、人間とは何か、人間の原罪、そして愛を伝えようとしています。取り上げられている問題のなかには、現在私たちが直面しているものも多くあります。といいますか、人間の根元的な問題を扱っていると言ってよいでしょう。人間はどこまでも自分勝手で、罪から逃れることができない存在であることを思い出させてくれます。そして、人間は愛することができないのではないかとも言っています。この点に関しては、三浦さんの人間に対する考察の深さに驚くほどです。しかし興味深いことに、自伝を読んでみると実在の人間の中に本当の愛を見いだせる点です。私たちが何を求めて生きていけばいいのかという問いに対して、三浦綾子さんは一つの答えを提案しているといってよいでしょう。