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インターネット

 ここ数年どこへ行ってもインターネットが世界を変えるなどと言われていますが、最近やっとその意味が少し分かってきたような気がします。アメリカ滞在中には、航空券の購入、各交通機関のスケジュール、料金、ルートなどのチェックなどは、ほとんどインターネットを介してすることができました。渡米後間もない頃には、自分の英語力が低いため電話で問い合わせてもよく通じないことがあったので、とても助かりました。アメリカの学校をさがすときにも、インターネットで検索し申し込みもインターネットでしましたし、これはインターネット抜きでは何もできなかったかもしれないと、今では思っています。

 以前、NECのPC−98を使っていました。これがなかなかくせ者でNEC独自の作りになっているため自分では何もいじれませんでした。しかし時がたつにつれて、多くの人たちがPC−98シリーズの改造などに関する情報をホームページで流し始めました。複数のホームページで自分の機種に関する情報を収集し、自分のパソコンも低価格でパワーアップする事ができました。

 地球惑星科学科という学科で勉強していたときには、ほかの大学の先生たちがどういう研究をしているかとか調べたり、NASAのホームページへいってハッブル宇宙望遠鏡が撮影した最新の写真を見たりしました。(これがすごいんです)この辺なんかは、好きな人にとってはたまらない利益をもたらしたといえます。

 数年前秋葉原でメモリーを買ったのですが、あのときは購入前に秋葉原の価格情報をチェックしていたので秋葉原の底値で購入できました。パソコンショップなどは大変です。買い物客がすでに詳細な価格情報を持っているのですから、本当の競争にさらされてしまいます。最近ではamazon.comなどで本も買えますし、CDNOWではCD...インターネットで何でも買える時代です。「やっぱり実物を見ない買えない」といっている人がいましたが、これは買い物に行くことのできる時間のある人だけに通用する理論だと思います。たしかに服、靴などは実際に着たり履いたりしないとサイズ、着心地などはわからないのですが、パソコンのメモリーなど外から見えないものやすでに実物を知っているものなんかを購入するときには利用できます。

 アメリカでは同じエリア内間の電話の通話料金はかかりません。さらに無料のプロバイダーなどを利用することにより、無料でインターネットに接続できました。2年ぐらい前アスキーインターネットフリーウェイという無料プロバイダーがありましたが、1年ぐらいでつぶれてしまいました。最近の日本の状況はわかりませんが、無料プロバイダーはあまりメジャーではないのではないでしょうか。さらに日本では市内の通話料金も安くはないと思います。従ってインターネット接続にかかる経費が高いといえます。日本の情報化は遅れているなんていわれていますが、この辺の事情がブレーキになっているような気もします。

 おそらく誰でも知っていると思いますが、CNNというテレビ局があります。CNNはホームページも持っているのですが、かなり充実しています。最近では毎日チェックしています。更新も頻繁に行っているようなので、世界の最新ニュースを即座に手にすることができます。ベネズエラの洪水の時などは日本のメディアがあまり詳細な報道はしませんでした。友達が住んでいるので大変気になっていたのですが、CNNで毎日復旧活動の詳細を知ることができました。

 もしかしたらマスコミュニケーションのみで満足している人たちにとっては、インターネットなんて大したことないのかもしれません。インターネットは、サブカルチャーというのでしょうか少数の人たちのみで共有される文化にとって、大変な恩恵をもたらしたと思います。たとえば先にあげたPC−98やNASAなんかはその例でしょう。また、マスコミュニケーションにとっても、インターネットは大変便利であるのは自明です。もともと日本人は情報の扱い方を知らないのではないかと思うときがあります。正確には情報に対する要望が多くなかった(必要でなかった)のかもしれません。立花隆氏の著書「知的欲求のすすめ」を読んだ後で感じたのですが、日本人にかけているものとして知的欲求をあげることができないでしょうか。インターネットの普及には、インフラ整備が必要不可欠であることは間違いないですが、まずは個々人の意識がそれよりさきにくる必要があります。インターネットに関して"遅れている日本"という現状があるとしたら、この問題までさかのぼって議論する必要があると思います。