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夢追いかける心

 先日、大学の図書館の新聞紙置き場で座って話している二人組を見た。彼らの話題はどうやら進路のことらしい。この時期になると進路の話を聞くこともあまりない。暇だったので、新聞を読みながら彼らの話を聞いてみることにした。
 どうやら一人は院に行くことにすでに決めているらしい。問題はもう一人の方だ。何も決まってないようだ。しかもその発言にはあきれさせられた。

  「(将来は)どうでもいい。」
  「前向きではない。」
  「やりたいことはない。」
  「家から近いからこの大学にした。」
  「(東工大にきた)選択は失敗だった。」
  「気楽な生活をしたい。」
  「いやなことがなければそれでよい。」
  「お前みたいにpositiveじゃあない。negativeなんだ。」
  「でも親に迷惑はかけたくない。だから残された道は就職。」
  「自分は他人本位。」

 理科系の勉強は大変ではあるがやってみると結構おもしろいところがある。おそらく高校時代にそのおもしろさの一端に触れた人が、理科系の学部を選択したのであろう。「家から近いからこの大学にした。」と言ってはいるが、彼も最初は面白さを感じていたに違いない。しかし大学4年にもなると、面白いだけではすまなくなってくるものである。そこに夢はなく、ただ現実のみである。
 オウム真理教は理科系の人間に対して、「オウムにくれば一日20時間研究できる」と言って勧誘したそうだ。これを聞いて、なぜオウムのようなところに理科系の人間がたくさん入ってしまったのか、何となく分かる気がする。彼らはもう一度夢を追いたかったのかもしれない。
 昔、ある将棋士のサイン色紙を持っていた。高校一年の時に手に入れたものだ。将棋は結局一年ぐらいしかやらなかったが、当時はけっこうはまった。いわゆる「戦略」の勉強になったからだ。そんなある日、テレビ東京でやっている将棋対局のクイズの答えを書いて送ったらサイン色紙が当たった。
 その色紙には、「夢 追いかける 心」とあった。彼らの話を聞いていて、ふとこの色紙のことを思い出した。