=小僧、死にかける!!=
あれは僕が高校2年生の夏だった。 その日は、すごく優鬱な日々の始まりだった。 僕は、高校時代3年間ラグビー部に所属していた。 うちのラグビー部はどッからそんな金が出るのかわかんないが、部専用のバスがあった。 それで、週末になればいつもどこかに遠征に行っていた。
その日は、ゴールデンウィークの初日に長崎の長崎南高校に遠征するようになっていた。 朝から、みんなの様子はすごく憂鬱そうだった。 もちろん僕も全然乗り気ではなかった。 なぜなら、長崎南高校は全国区の高校であり、しかもそこにはALL長崎のエイト(フォワードのポジション)の人がいた。 そいつが恐ろしく強い。 それに、そこにチームはものすごく走る、走って走りまくる。 今でも、思い出すだけで憂鬱になる・・・・、はぁ・・・・・
その日は、みんなバスの中でこんな事を考えていた。
「どうせ、ゴールデンウィークだから、高速は込んでてそんなに早く着かないだろう。
だから、試合はほとんどしなくて済むな。」
ところがどっこい。 何てことだ、先生はバスをとばすとばす。 恐ろしい速さで突っ走っている。 それが、僕たちが朝早く出たから高速はものすごく空いていた。 僕たちの気分はもう最悪・・・・・・・・。 もう、どうでもよくなってきた。
ついに3時間弱で長崎市内に到着。 先生どんな運転をしたんですか?? ついたのは午前11時過ぎ、まず昼食をとる。 すでに着いたときには、僕たちのモチベーションは底をついていた。 さらにそれに輪をかけて、長崎南はほかの高校と試合をしていた。 その試合を見ながら昼ご飯・・・・最悪・・・・。 その試合を見るだけで吐き気を催すほど激しい試合だった。 試合内容は、どこにもボールが止まっていない。 それだけ、長崎南が走りまくっていた。 もちろん、長崎南の圧勝だった。
そんな、試合を見ながらご飯を食べ終わり服を着替えてアップの開始。 全然気分が乗らない。 アップが終わり、試合が始まってしまった・・・・・
キックオフ。 長崎南のやつらは恐ろしいほど気合いが乗っていた。 案の定やつらは叫びまくり、走りまくっていた。 開始3分、いきなりトライをとられてしまった。 あのときの先生の顔は最悪だった。 しかし、それより最悪な事が僕の身に降りかかるなどとは誰が予想しただろうか。
開始10分、僕はフィールドに倒れていた。 そこから、救急車の中でもうろうとしながら病院で気がつくまでほとんど記憶がない。
救急車の中で、救急救命士の人に
「松原く〜〜ん、松原く〜〜ん。」
と呼ばれていた気がした。それから、再び記憶を失う。
病院で、点滴を受けながら気がつくと看護婦さん5人くらいに囲まれていた。 みんな、はさみを持っていた。 僕は、何がなんだかまったくわからず、「試合が、試合が」と言って立ち上がろうとした。 しかし、首に激痛が走り体が動かない。 しかも、指先、つま先に痺れを感じていた。 僕が混乱している中で、看護婦さん達は手にしたはさみで僕の服を切り裂き始めた。 「ええっ、犯されるぅぅぅ!!」。 そうは思っても、何も言えず体も動かない。
それから、すべての診察が終わり、先生から出た一言。「首の頚骨がずれてますね。」 僕は、「そんなあっさり言うなぁぁぁ」 って感じでしたけど、言葉が出ませんでした。本気であの時は、「もう、終わった」って思いました。
で、どうなったのか話によると、まず、モール(人の集まり)が出来てそこからボールが右側に転げ出たわけです。 それを、取ろうと後ろから私が飛びついたわけですよ。 そこに、長崎南のエイトが同じタイミングでそのボールに飛びついたわけですよ。 その時に、長崎南エイトの背中に頭から突っ込んでいた僕とぶつかり合ったんです。その時に、
「ゴキッ!!!!!」
それから、救急車がくるまで、僕は覚えていないのですが、泣きまくり叫びまくっていたそうです。
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