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=家の下の火??=

 この日のことは鮮明に覚えている。 その火は雨が降っていた。 友人のY君とFちゃんと僕は何もする事がなく家の中でゴロゴロしていた。 その火は雨のせいもあっていまいち気分がパッとしなかった。 しかも、雨のせいで少し肌寒かった。 何か僕らの心を震わせてくれるような事がないかと座敷で遊んでいた。

僕;「なんもするこつがねぇね。(何にもする事がないね)」

Y君;「なんかゲームとかねぇーと?(げーむなんかないの?)」

ぼく;「ねぇーっちゃんね。(ないんだよね。)」

Fちゃん;「それん、なんか寒くねぇ?(それに、なんとなく寒くない?)」

僕とY君;「さみぃー」

 こんな、だらけた会話をしていた僕たちの目に仏前にあるマッチが飛び込んできた。 正確に言うと、マッチが僕たちを呼んでいた。 それを見つけた僕たちは最初は蝋燭に火をつけては消し、つけては消しと遊んでいたが、それでは物足りず、誰が言い出したわけでもなく、焚き火をする事にした。 それで、マッチと新聞を握り締めいさぎよく外に出たはいいがやっぱり雨には勝てない。 でも、焚き火はしたい。 どこか雨にぬれずに焚き火を出来るいいとこはないか考えた。あった!!!僕の部屋は姉と兄と僕の3人で使っていたがあまりの狭さに、少し横に部屋を突き出すかたちで増設した。 そこの下には、風呂を沸かすのにとってある薪がいっぱいあった。 そこは、雨にもぬれずに薪もいっぱいあるし完璧だった。 僕たち3人はそこへ急いだ。

 その時は、やはり火を燃やすことあって水をもっていたほうがいいと考えた。 そこまではよかった。 しかし、持っていった水は自動販売機で市販されている焼酎の一合カップに水を一杯だけ、しかも、雨が降っているから大丈夫と何の根拠もない自信だけ・・・・・・・・

 そして、いよいよ焚き火をはじめるときがきた。 僕たちはなんだか異様に興奮していた。 しかし、何度マッチをこすって火をつけても、雨が降っていて薪が少ししけっていたのでなかなか火がついてくれず、マッチと新聞紙ばかりが減っていった。 そんなこんなで悪戦苦闘して焦っていた僕たちの前に親父(その時は鬼に見えた)が現れた。

 無言で、3発げんこつ・・・・・・・・・・・

「デゥシッ!!」

「ドコッ!!」

「バキャッ!!」

 そのまま、僕たち3人は家の中に引きずり込まれ、おえんの廊下に正座させられた。 そのときの事は絶対に忘れない。 なぜだか知らないが三角形に座らせられていた。 僕が一番前でY君が右後ろ、そしてFちゃんは左後ろ。 あたかも僕が主犯格であるかのように・・・・・・・・。 それから、親父のげんこつの雨と説教が永遠と続いた。 あの時は、なぜか、悲しかった。 絶対に、家には火がつかないと信じ込んでいたからだ。 なぜなら、1合カップがあったから・・・・・・・。

 なぜ、えのき工場で仕事をしていた親父が部屋の下の見えるはずのない薪置き場で火遊びをしていた僕たちに気がついたのか? それは、曾おばあちゃんがいたからだ。 ひいおばあちゃんのへやは窓からちょうど薪置き場が見える位置にあったからだ。その時は、めちゃめちゃ曾おばあちゃんの事を憎んだ。

「ばあちゃんが居らんかったらげんこつされんかったつん。(げんこつされなかったのに)」

 しかし、今考えてみると、もし曾おばあちゃんに見つからずにそのまま火遊びを続け薪に火がつき、ほかの薪に燃え移っていたとしたら、えらい事になっていたかもしれない。 今ごろ、家はなかったかもしれない・・・・・

 あの日は、本当に不幸中の幸いとでも言うのだろうか・・・・・。 本当に助かった。

 ありがとう、そしてごめんね、曾おばあちゃん。